名字固定【篠崎】
漂流?冒険の島!
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「――!お…て、――!」
意識の向こうで声が聞こえる。知らない声だ。
「おき…、碧!」
名前を呼ばれたような気がする。
『起こさないで…』
「うーん。こまっちゃうなあ」
困らせてしまったのだろうか。でも、わたしは今凄く眠たいのだ。そもそもどうして寝ているのだろう。確か、キャンプに来たけれど吹雪が来て、オーロラをみて、何かが降ってきて、それで。
それで…。
『ハッ。皆は…!』
「みんな?」
『そう皆!…って、ん!?』
目を覚ますと、わたしの目の前には奇妙なピンク色の生き物がいた。まるでぬいぐるみのようで可愛らしい。けれどこんな生物見たことがないし聞いたことがない。人語を理解している上に日本語も話せるときた。言語を話せる生物は人間以外もいたということなのだろうか。
「おはよう、碧。おれ、コロモン」
『お、おはよう。コロモン?』
奇妙なピンク色の生き物はコロモンという名前らしい。この際言葉が話せるのは分かった。わたしの知らない生物がいるということで今は納得しておこう。けれど、もう一つ不可解なことがある。
『わたしの名前、知っているの?』
「うん!おれ、ずっとまっていたんだよ」
どうして名前を知っているのかは分からないけれど、コロモンはどうやらわたしを待っていたらしい。話をするたびどんどん疑問が増えていく。
そして今までコロモンに気をとられていたが、周りの景色を見てゾッとする。どこだここ。ジャングルへキャンプをしにきた覚えは生憎とない。恐る恐るコロモンへ顔を向ける。
『……ここってどこ?』
「ファイル島だよ」
予想はしていたけれど日本じゃない。世界は広くてわたしの知らないことがまだまだ沢山あるようだ。もうどうにでもなれ、そんな投げやりな気持ちを持っていなければこの現実を受け止め切れない自分がいる。
そういえばあの場にいた他の子供たちはどこにいったのだろうか。もしやわたしと同じようにこんな見知らぬ土地へ来ているのか。せめて安否だけでも知りたい。
『じゃあ、他の子たちは見なかった?』
「碧みたいな?」
『そうそう』
「さあ。おれはみてないよ」
口ぶりからするに、恐らく人間という生き物を見たことがないのかもしれない。
そうなるとこのファイル島には人間がいないことになるのか。無人島…?わたしは島流しにでもあってしまったのかな?いやいや、そんなことはないはず。わたしが一人だけではないことを信じて探すしかない。立ち上がって砂埃を落とし辺りを見渡す。
『じゃあ探しに行っても良いかな』
「もちろんだよ。おれもいく」
『ありがとう』
このコロモン、見慣れるとかなり可愛いかもしれない。