名字固定【篠崎】
咆哮!イッカクモン
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『ふぁ~』
「眠たいんだったらこんな朝早くから起きなくても、皆と行ったら良かったのに」
『少し見に行くだけだから良いの。それよりアグモンは眠たくない?大丈夫?』
夜明け前。皆がまだ寝静まっているが、わたしとアグモン(黒)は誰にも声をかけずに寝床である洞窟を抜け出して外へ来ていた。
温泉が近くにあるとはいえ流石に寒い。
「オレは平気。碧の隣はぐっすりだよ」
『それは光栄ですな。……ん?』
「どうした……あっ」
山の方へ向かって歩いていると、前方に何やら見慣れた人間とデジモンがいる。
それが誰か見間違うはずもなく、どうしてここにいるのか、というよりもやはりそうだったかと納得してしまった。
そして迷うことなく声を掛ける。
『おーい。丈、ゴマモン』
「やっほー」
「碧くん!?」
「お、アグモンも一緒か!」
どうやら丈とゴマモンもわたしたちと同じくムゲンマウンテンへ様子を見に行くようだった。
そんなゴマモン曰く、丈は1人で行こうとしていたようで「ただの格好付けさ」と鼻を鳴らしていた。丈らしいといえば丈らしい。
「それにしても、大きな山だな」
「もう根を上げたのか?」
「そんなんじゃないよ」
しばらく山の頂上を目指して歩いていたが結構険しい道のりである。地面は凸凹して登りづらいし急斜面。体力はごりごり削られてしまう。
登山経験のない一般小学生にはちょっとキツいものがあるが、丈やゴマモン、アグモン(黒)も一緒なのでまぁ良いかなと割り切った。
「いざとなったらオイラが手を貸してやるよ!」
「え、手?それ手だったの?」
「怒るよ」
「…冗談冗談」
「あはっ」
「どうした?」
「丈にも冗談言えるんだ」
「え?」
「何でもない!行くぜ!」
どこか嬉しそうにゴマモンは再び歩み始めた。
『丈くんや』
「なんだい?」
『今更だなとは思うけど、どうせならわたしも起こしてほしかったなーって』
「そうは言うけど、君凄く気持ち良さそうに寝ていたじゃないか」
『否定はしない。今だって眠たいよ』
「何で来たの!?」
『まあ、君と同じ理由かな』
「……そっか。それは悪いことをしたな」
『分かれば良し』
責任を感じていないといえば嘘になる。何せ不器用だから最善の策なんて導き出せるはずもなく。
だからこうして丈と川を越えたり、丸太を渡ったり、洞窟を抜けたりしながら山を登っているわけだけれど。
「酷い道だな…」
『心臓止まる』
「ここで止まったら人生も止まるよ、碧」
『恐ろしいこと言うね君』
アグモン(黒)の物騒発言にツッコミを入れつつ人一人がやっと通れる崖を渡りきった。
正直あの崖を渡ると言い出した丈は肝が据わっているどころか変人だと思う。
「はーちょっと休憩!まだあと半分くらいかな」
「結構やるじゃん」
「ゴマモンもね」
半分くらい登ったところで小休止することに。
……と思いきや、急に地面が揺れだした。
「なんだ!?」
「地震!?」
『休ませてほしい…』
結構大きな縦揺れで歩くのは困難そうだ。
「まさかこの山、火山なのか!?」
「うーん。ムゲンマウンテンは普通の山だったはず。火山っていう情報は聞いてないよ」
アグモン(黒)が困ったようにそう言った。
だとすればこの震源は一体何なのだろう。
「わっ、あれは!」
「黒い歯車だ!」
丈とゴマモンが驚きの声を上げて背後の山を見上げる。その言葉にわたしたちも見上げると、山が割れて中からは黒い歯車が数え切れないほどに溢れ出てきていた。
「何故あんなところから…?行って見よう。何か分かるかもしれない」
「うん!」
そうして休憩も束の間、わたしたちは原因を探るために再び歩き出した。
「眠たいんだったらこんな朝早くから起きなくても、皆と行ったら良かったのに」
『少し見に行くだけだから良いの。それよりアグモンは眠たくない?大丈夫?』
夜明け前。皆がまだ寝静まっているが、わたしとアグモン(黒)は誰にも声をかけずに寝床である洞窟を抜け出して外へ来ていた。
温泉が近くにあるとはいえ流石に寒い。
「オレは平気。碧の隣はぐっすりだよ」
『それは光栄ですな。……ん?』
「どうした……あっ」
山の方へ向かって歩いていると、前方に何やら見慣れた人間とデジモンがいる。
それが誰か見間違うはずもなく、どうしてここにいるのか、というよりもやはりそうだったかと納得してしまった。
そして迷うことなく声を掛ける。
『おーい。丈、ゴマモン』
「やっほー」
「碧くん!?」
「お、アグモンも一緒か!」
どうやら丈とゴマモンもわたしたちと同じくムゲンマウンテンへ様子を見に行くようだった。
そんなゴマモン曰く、丈は1人で行こうとしていたようで「ただの格好付けさ」と鼻を鳴らしていた。丈らしいといえば丈らしい。
「それにしても、大きな山だな」
「もう根を上げたのか?」
「そんなんじゃないよ」
しばらく山の頂上を目指して歩いていたが結構険しい道のりである。地面は凸凹して登りづらいし急斜面。体力はごりごり削られてしまう。
登山経験のない一般小学生にはちょっとキツいものがあるが、丈やゴマモン、アグモン(黒)も一緒なのでまぁ良いかなと割り切った。
「いざとなったらオイラが手を貸してやるよ!」
「え、手?それ手だったの?」
「怒るよ」
「…冗談冗談」
「あはっ」
「どうした?」
「丈にも冗談言えるんだ」
「え?」
「何でもない!行くぜ!」
どこか嬉しそうにゴマモンは再び歩み始めた。
『丈くんや』
「なんだい?」
『今更だなとは思うけど、どうせならわたしも起こしてほしかったなーって』
「そうは言うけど、君凄く気持ち良さそうに寝ていたじゃないか」
『否定はしない。今だって眠たいよ』
「何で来たの!?」
『まあ、君と同じ理由かな』
「……そっか。それは悪いことをしたな」
『分かれば良し』
責任を感じていないといえば嘘になる。何せ不器用だから最善の策なんて導き出せるはずもなく。
だからこうして丈と川を越えたり、丸太を渡ったり、洞窟を抜けたりしながら山を登っているわけだけれど。
「酷い道だな…」
『心臓止まる』
「ここで止まったら人生も止まるよ、碧」
『恐ろしいこと言うね君』
アグモン(黒)の物騒発言にツッコミを入れつつ人一人がやっと通れる崖を渡りきった。
正直あの崖を渡ると言い出した丈は肝が据わっているどころか変人だと思う。
「はーちょっと休憩!まだあと半分くらいかな」
「結構やるじゃん」
「ゴマモンもね」
半分くらい登ったところで小休止することに。
……と思いきや、急に地面が揺れだした。
「なんだ!?」
「地震!?」
『休ませてほしい…』
結構大きな縦揺れで歩くのは困難そうだ。
「まさかこの山、火山なのか!?」
「うーん。ムゲンマウンテンは普通の山だったはず。火山っていう情報は聞いてないよ」
アグモン(黒)が困ったようにそう言った。
だとすればこの震源は一体何なのだろう。
「わっ、あれは!」
「黒い歯車だ!」
丈とゴマモンが驚きの声を上げて背後の山を見上げる。その言葉にわたしたちも見上げると、山が割れて中からは黒い歯車が数え切れないほどに溢れ出てきていた。
「何故あんなところから…?行って見よう。何か分かるかもしれない」
「うん!」
そうして休憩も束の間、わたしたちは原因を探るために再び歩き出した。