名字固定【篠崎】
咆哮!イッカクモン
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森を抜けると、そこには一面銀の世界が広がっていた。
きらきらと輝いて眩しくも見えるそこを見て、丈がむふっとした表情をする。
「ほら見ろ。僕の心配した通りだ」
『ぶすくれないでよ』
頬をつついてやると手を払い除けられた。
解せぬ。
「これからどうするの?」
「取り敢えず、先へ進む。ここでボケッとしててもしょうがないだろ」
「ええっ、この雪原をか!?」
「そうだよ。これ以上は無理だよ!」
太一くんの意見に、すかさずヤマトくんと丈が反対した。タケルくんやミミちゃんは雪原を楽しそうに走り回っているが、他の皆も不安そうに3人のやり取りを見守っている。
「じゃあどうするんだよ?前は雪原、後ろはあの山。どっちにしろ、どっちかに進むしかないだろう!」
後ろにある山を振り返りながら太一くんが声を張り上げて言う。太一くんの言い分も、ヤマトくんや丈の心配も分かる。
これはわたしたち皆の命が掛かっている大事な討論である。それ故に、話し合いは少しずつ険悪なムードになっていった。
一番やっちゃいけないのは感情的になることである。取り返しのつかないことが起こる前に、わたしはスッと一歩前に出た。
『まずは周辺を散策する他ないんじゃないかな。これ以上先に何もなさそうなら一度道を戻って皆で話し合う必要があるよ』
「……碧もヤマトたちと一緒の意見かよ」
『さあ。これより先は寒さで体力が大幅に削れる。パッと見てずっと雪原が広がっているようなら、迂回路を探して安全を優先して進んだ方が良いというだけ。むしろここら辺での野宿の方が危険だから、意見的には太一くんと一緒だと思うのだけど?』
自分の考えを述べてみたが納得したのかしてないのか分からないような表情で首を傾げていた。
おかしいな。そんな難しいようなことを言った覚えはないのだけれど。
「ん?ちょっと待って。……なんか変な臭いが…」
アグモンがわたしたちの討論を止める。
鼻をくんくんと鳴らして険しい顔をしながら匂いを嗅いでいた。わたしもスンスンと嗅いでみるがよく分からなかったので、デジモンはきっと鼻が利くのだろう。
「そういえば臭いわ」
「何だろうこれ」
ピヨモンとガブモンもアグモンに習って匂いを嗅ぐが、やはり臭いようだった。
「これってもしかして……」
「あ!あれだ!」
「煙が出てる!」
光子郎が振り向く先には煙が立ち上っていた。見るからに湯気だが、この寒い地に何故だろう。
すると、少しずつ覚えのある匂いが鼻を刺激してくる。漂うこの匂いからして、もしかしたらそこにあるのは…。
「そうか、この匂いは…」
「温泉だ!」
丈が拳を握って叫んだ。
「温泉!?」
それを聞いたミミちゃんとタケルくんが動きを止めてこちらを見る。
その瞳はキラキラと輝いていた。
「お風呂だー!」
「お風呂ー!」
わたしたちは煙の元へと駆け出した。
きらきらと輝いて眩しくも見えるそこを見て、丈がむふっとした表情をする。
「ほら見ろ。僕の心配した通りだ」
『ぶすくれないでよ』
頬をつついてやると手を払い除けられた。
解せぬ。
「これからどうするの?」
「取り敢えず、先へ進む。ここでボケッとしててもしょうがないだろ」
「ええっ、この雪原をか!?」
「そうだよ。これ以上は無理だよ!」
太一くんの意見に、すかさずヤマトくんと丈が反対した。タケルくんやミミちゃんは雪原を楽しそうに走り回っているが、他の皆も不安そうに3人のやり取りを見守っている。
「じゃあどうするんだよ?前は雪原、後ろはあの山。どっちにしろ、どっちかに進むしかないだろう!」
後ろにある山を振り返りながら太一くんが声を張り上げて言う。太一くんの言い分も、ヤマトくんや丈の心配も分かる。
これはわたしたち皆の命が掛かっている大事な討論である。それ故に、話し合いは少しずつ険悪なムードになっていった。
一番やっちゃいけないのは感情的になることである。取り返しのつかないことが起こる前に、わたしはスッと一歩前に出た。
『まずは周辺を散策する他ないんじゃないかな。これ以上先に何もなさそうなら一度道を戻って皆で話し合う必要があるよ』
「……碧もヤマトたちと一緒の意見かよ」
『さあ。これより先は寒さで体力が大幅に削れる。パッと見てずっと雪原が広がっているようなら、迂回路を探して安全を優先して進んだ方が良いというだけ。むしろここら辺での野宿の方が危険だから、意見的には太一くんと一緒だと思うのだけど?』
自分の考えを述べてみたが納得したのかしてないのか分からないような表情で首を傾げていた。
おかしいな。そんな難しいようなことを言った覚えはないのだけれど。
「ん?ちょっと待って。……なんか変な臭いが…」
アグモンがわたしたちの討論を止める。
鼻をくんくんと鳴らして険しい顔をしながら匂いを嗅いでいた。わたしもスンスンと嗅いでみるがよく分からなかったので、デジモンはきっと鼻が利くのだろう。
「そういえば臭いわ」
「何だろうこれ」
ピヨモンとガブモンもアグモンに習って匂いを嗅ぐが、やはり臭いようだった。
「これってもしかして……」
「あ!あれだ!」
「煙が出てる!」
光子郎が振り向く先には煙が立ち上っていた。見るからに湯気だが、この寒い地に何故だろう。
すると、少しずつ覚えのある匂いが鼻を刺激してくる。漂うこの匂いからして、もしかしたらそこにあるのは…。
「そうか、この匂いは…」
「温泉だ!」
丈が拳を握って叫んだ。
「温泉!?」
それを聞いたミミちゃんとタケルくんが動きを止めてこちらを見る。
その瞳はキラキラと輝いていた。
「お風呂だー!」
「お風呂ー!」
わたしたちは煙の元へと駆け出した。