名字固定【篠崎】
咆哮!イッカクモン
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森をひたすら歩いていると、寒い地域へやって来たのか冷気が体を包み込む。
「寒いよー」
「萎れそう…」
タケルくんとパルモンが寒さに体をさすっている。わたしも寒いのは苦手だ。できるなら早く暖かい地域へ移動したい。
「約2匹やけに元気だよなあ」
ゴマモンとガブモンを眺めながら丈が言う。
見た目通りならゴマモンは寒さには強いだろうし、ガブモンにはあの毛皮があるからだろう。
ちょっと羨ましいな。
「碧は寒いの好き?」
『わたしはダメだめなの。アグモンは?」
「オレもどっちかというと暑い方が良いや」
『だよねえ』
アグモン(黒)がそうなら、太一くんのアグモンも同じなのかな。色は違えど種族のようなものは一緒だと思うけれども。
「ま、でも寒いのも悪かないよな」
「えー!」
「そんな、勘弁してください!」
太一くんの言葉に、流石の光子郎も文句を言う。
この寒さにTシャツ短パン姿の太一くんが言うと、もはや変人レベルではないだろうか。
「だーって雪が降れば雪合戦できるぜ?」
「雪合戦!」
寒そうに体をさすっていたタケルくんとミミちゃんが、先程と打って変わって目を輝かせていた。
本州ではあまり雪が降らないから珍しいのは分かるけれども、それでもやっぱりわたしは寒いのは苦手である。
「何その雪合戦って」
「さあ?」
パルモンとパタモンが同時に首を傾げた。あまりの可愛さに頬が緩む。
「雪合戦か…」
『懐かしいなあ』
「そうですね」
そういえば昔、大雪が降った翌日に光子郎と公園で雪合戦をしたのを思い出した。
あの時は夢中になって帰りが遅くなった挙句、お互いの両親に怒られたものだ。
その時のことを思い出して、小さく笑う。それに目敏く気付いた光子郎が不思議そうにわたしの顔を覗き込んできた。
「何笑ってるんですか」
『ん?いやあ、昔のことを思い出してた』
「……あの時は初めての雪でしたね」
『なんだ、覚えてたの?』
「当たり前です」
大切な思い出ですよ、なんて光子郎は照れたように笑う。それが何だか嬉しくて、彼の頭を撫でずにはいられなかった。
雪を見る度に彼との思い出が蘇るのは良いことだ。忘れられない大切な記憶。大事にしていかなければ。
「雪合戦ってなんやそれ。食べもんかいな?」
「違いますよ。雪合戦というのは雪玉をぶつけ合う遊びの一種ですよ」
「なんや」
テントモンの疑問に光子郎が答えるが、食べ物じゃないと分かると彼はすぐに興味をなくした。
お腹でもすいているのだろうか。
「久しぶりに勝負できるな!」
「負けないぜ!」
「楽しみだねー!」
「僕、かまくら作りたい!」
5年生組とタケルくんが楽しそうにしている。
都会っ子は雪自体が珍しいからそうなるよね。
「かまくらって作るの?」
「そら食べ物に違いあらへん!」
「違いますって」
パルモンとテントモンの会話に光子郎が苦笑いをしながら突っ込む。テントモンは先程から食べ物に執着しすぎなのでは?
「気楽なんだから。雪なんて降られたらたまらないよ」
少し離れたところで丈がそう呟くのが聞こえた。
1人で深刻そうな顔をしている彼の元へ歩いていく。
『やあやあ。丈は雪が嫌い?』
「好きとか嫌いとかの問題じゃないよ」
『答えになっていない答えをありがとう』
「……ふざけないでくれよ」
『ごめんごめん。そんなつもりはないんだ』
ただ純粋な興味だったのに睨まれてしまったらたまったものじゃない。両手を顔の前でぶんぶん振りながら否定する。
そんな丈の険しい表情を見たのか、空ちゃんが気付いてこちらへと歩いてきた。
どこか心配そうな顔をしている。
「丈先輩。何1人で深刻な顔してるんですか?」
空ちゃんの質問に丈は溜息をついて眼鏡をくいっと上げた。なるほどこれがインテリ眼鏡、そんなことを密かに思った。
「深刻にもなるさ。考えてもみろよ。これ以上気温が下がれば野宿だって難しくなる。寒冷地では食料の調達だって大変になるだろうし……。頭が痛いよ。僕は皆を守らなくちゃいけないからね」
楽しそうにはしゃぐ子どもたちを遠目に見ながら丈は言う。そうだ。確かに考えなければならないことはたくさんある。
恐らく皆も心のどこかでは思っているのだ。それを口にしてしまえば不安が一気に押し寄せてしまうから。
でも、だからこそ。
「僕は、一番年上なんだから…」
丈のその言葉に胸がざわついた。
「寒いよー」
「萎れそう…」
タケルくんとパルモンが寒さに体をさすっている。わたしも寒いのは苦手だ。できるなら早く暖かい地域へ移動したい。
「約2匹やけに元気だよなあ」
ゴマモンとガブモンを眺めながら丈が言う。
見た目通りならゴマモンは寒さには強いだろうし、ガブモンにはあの毛皮があるからだろう。
ちょっと羨ましいな。
「碧は寒いの好き?」
『わたしはダメだめなの。アグモンは?」
「オレもどっちかというと暑い方が良いや」
『だよねえ』
アグモン(黒)がそうなら、太一くんのアグモンも同じなのかな。色は違えど種族のようなものは一緒だと思うけれども。
「ま、でも寒いのも悪かないよな」
「えー!」
「そんな、勘弁してください!」
太一くんの言葉に、流石の光子郎も文句を言う。
この寒さにTシャツ短パン姿の太一くんが言うと、もはや変人レベルではないだろうか。
「だーって雪が降れば雪合戦できるぜ?」
「雪合戦!」
寒そうに体をさすっていたタケルくんとミミちゃんが、先程と打って変わって目を輝かせていた。
本州ではあまり雪が降らないから珍しいのは分かるけれども、それでもやっぱりわたしは寒いのは苦手である。
「何その雪合戦って」
「さあ?」
パルモンとパタモンが同時に首を傾げた。あまりの可愛さに頬が緩む。
「雪合戦か…」
『懐かしいなあ』
「そうですね」
そういえば昔、大雪が降った翌日に光子郎と公園で雪合戦をしたのを思い出した。
あの時は夢中になって帰りが遅くなった挙句、お互いの両親に怒られたものだ。
その時のことを思い出して、小さく笑う。それに目敏く気付いた光子郎が不思議そうにわたしの顔を覗き込んできた。
「何笑ってるんですか」
『ん?いやあ、昔のことを思い出してた』
「……あの時は初めての雪でしたね」
『なんだ、覚えてたの?』
「当たり前です」
大切な思い出ですよ、なんて光子郎は照れたように笑う。それが何だか嬉しくて、彼の頭を撫でずにはいられなかった。
雪を見る度に彼との思い出が蘇るのは良いことだ。忘れられない大切な記憶。大事にしていかなければ。
「雪合戦ってなんやそれ。食べもんかいな?」
「違いますよ。雪合戦というのは雪玉をぶつけ合う遊びの一種ですよ」
「なんや」
テントモンの疑問に光子郎が答えるが、食べ物じゃないと分かると彼はすぐに興味をなくした。
お腹でもすいているのだろうか。
「久しぶりに勝負できるな!」
「負けないぜ!」
「楽しみだねー!」
「僕、かまくら作りたい!」
5年生組とタケルくんが楽しそうにしている。
都会っ子は雪自体が珍しいからそうなるよね。
「かまくらって作るの?」
「そら食べ物に違いあらへん!」
「違いますって」
パルモンとテントモンの会話に光子郎が苦笑いをしながら突っ込む。テントモンは先程から食べ物に執着しすぎなのでは?
「気楽なんだから。雪なんて降られたらたまらないよ」
少し離れたところで丈がそう呟くのが聞こえた。
1人で深刻そうな顔をしている彼の元へ歩いていく。
『やあやあ。丈は雪が嫌い?』
「好きとか嫌いとかの問題じゃないよ」
『答えになっていない答えをありがとう』
「……ふざけないでくれよ」
『ごめんごめん。そんなつもりはないんだ』
ただ純粋な興味だったのに睨まれてしまったらたまったものじゃない。両手を顔の前でぶんぶん振りながら否定する。
そんな丈の険しい表情を見たのか、空ちゃんが気付いてこちらへと歩いてきた。
どこか心配そうな顔をしている。
「丈先輩。何1人で深刻な顔してるんですか?」
空ちゃんの質問に丈は溜息をついて眼鏡をくいっと上げた。なるほどこれがインテリ眼鏡、そんなことを密かに思った。
「深刻にもなるさ。考えてもみろよ。これ以上気温が下がれば野宿だって難しくなる。寒冷地では食料の調達だって大変になるだろうし……。頭が痛いよ。僕は皆を守らなくちゃいけないからね」
楽しそうにはしゃぐ子どもたちを遠目に見ながら丈は言う。そうだ。確かに考えなければならないことはたくさんある。
恐らく皆も心のどこかでは思っているのだ。それを口にしてしまえば不安が一気に押し寄せてしまうから。
でも、だからこそ。
「僕は、一番年上なんだから…」
丈のその言葉に胸がざわついた。