名字固定【篠崎】
パルモン怒りの進化!
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「あっ」
川沿いを歩いていると不意にミミちゃんが声を上げた。
見ると、目の前には幾つもの自動販売機が無造作に置かれていた。
「こんな所に自動販売機がたくさん!」
「ミミ、まさか飲みたいなんて」
「そのまさか!」
きらきらと輝いた顔で自動販売機目掛けて走り出したミミちゃんを、慌ててパルモンが追いかける。
ここら辺、電気は通っているのだろうか。
「ミミくん、どうせ出やしないよ!」
『丈。そんな夢のないこと言いなさんな』
「だってねえ」
『君だって公衆電話の時はあんな感じだったじゃない』
「うっ」
さほど日にちは経っていないのに海辺での出来事が懐かしい。
そういえば、地下水道でミミちゃんはコーラが飲みたいと言っていたっけ。
言った矢先に自動販売機があれば、そりゃ走り出したくもなるよね。
「まったく」
「しょうがないわよ。まだ子どもなんだもん」
空ちゃんは腰に手を当てて呆れたように言うが、歳は一つしか違わないだろうに。
彼女が言うと母親と子どものように感じてしまうのは、空ちゃんの面倒見の良さの表れなのかもしれない。
随分大人っぽいなと、どこか眩しく感じた。
「碧は行かなくて良いの?」
『うん。今は特に喉が渇いているわけじゃないからね』
「そっか」
他愛もない話をしながらミミちゃんを待っていると、天気が崩れ始めてどんよりとした雲により太陽が隠れてしまう。
雨が降る前に移動したいなあ、と思い視線をミミちゃんのいる自動販売機へ移すと、そのミミちゃんがヌメモンを大量に引き連れてきていた。
『百鬼夜行かな』
「あながち間違っていないのが悔しいです」
『ふふ』
その会話を最後にわたしたちはまた逃げ出した。
何やら怒っているようだったけれど、一体何があったのか。
完全にとばっちりだと思いつつ走っていると、ヤマトくんが声を上げた。
「別れて逃げよう!」
その案に反対する者はおらず、皆バラバラな方向に走り出す。
どうしようか迷ったが、一先ず誰ともペアにならずに走っているミミちゃんを追うことにした。
「碧さん!」
『やっほー。今日はよく走る日だね』
「ええ、全っ然嬉しくないわ!」
叫びながらでも走れるくらいにはまだ余裕があるらしい。
ヌメモンから投げられるうんちの嵐を木に隠れてやり過ごし、頃合いを見てパルモンとアグモン(黒)が飛び出して彼らと対峙する。
が、すぐにヌメモンたちは踵を返して逃げ出してしまった。
「あれ…?」
「パルモンもアグモンもすごーい!」
「可笑しいな。まだ何にもしてないのにぃ…」
「ねー」
見る限りは確かに攻撃をしていない。
ましてや恐れをなして逃げるだなんて、数でいえばあちらさんの方が上なのに有り得ないだろう。
彼らはどうして逃げたのか。
そう考えていると、後ろからズシンズシンと振動とともに重い足音が響く。
振り返ると、巨大な熊のぬいぐるみがこちらを見下ろしていた。
『わあ』
「うえぇ」
「もんざえモン!」
ああ、なんかそれっぽい名前だ。
「おもちゃの町へようこそ」
『あ、ご丁寧にどうもありがとう』
「何これ。これ、デジモンなの?」
「うん。見かけによらずとっても強いデジモンなの!」
なるほど。アンドロモンと同じ形態なのかな。
「おもちゃを愛し、おもちゃに愛される、おもちゃの町の町長!」
「じゃあ、良いデジモン!?」
「だと思うよ」
曖昧なパルモンの答えに、不穏さを隠さずにはいられない。
メラモンやアンドロモンの例があるから油断はできないかな。
「お嬢さん方、お待ちしておりました」
そんな紳士的な言葉とは裏腹に、もんざえモンは敵意を剥き出しにして攻撃を繰り出してきた。
川沿いを歩いていると不意にミミちゃんが声を上げた。
見ると、目の前には幾つもの自動販売機が無造作に置かれていた。
「こんな所に自動販売機がたくさん!」
「ミミ、まさか飲みたいなんて」
「そのまさか!」
きらきらと輝いた顔で自動販売機目掛けて走り出したミミちゃんを、慌ててパルモンが追いかける。
ここら辺、電気は通っているのだろうか。
「ミミくん、どうせ出やしないよ!」
『丈。そんな夢のないこと言いなさんな』
「だってねえ」
『君だって公衆電話の時はあんな感じだったじゃない』
「うっ」
さほど日にちは経っていないのに海辺での出来事が懐かしい。
そういえば、地下水道でミミちゃんはコーラが飲みたいと言っていたっけ。
言った矢先に自動販売機があれば、そりゃ走り出したくもなるよね。
「まったく」
「しょうがないわよ。まだ子どもなんだもん」
空ちゃんは腰に手を当てて呆れたように言うが、歳は一つしか違わないだろうに。
彼女が言うと母親と子どものように感じてしまうのは、空ちゃんの面倒見の良さの表れなのかもしれない。
随分大人っぽいなと、どこか眩しく感じた。
「碧は行かなくて良いの?」
『うん。今は特に喉が渇いているわけじゃないからね』
「そっか」
他愛もない話をしながらミミちゃんを待っていると、天気が崩れ始めてどんよりとした雲により太陽が隠れてしまう。
雨が降る前に移動したいなあ、と思い視線をミミちゃんのいる自動販売機へ移すと、そのミミちゃんがヌメモンを大量に引き連れてきていた。
『百鬼夜行かな』
「あながち間違っていないのが悔しいです」
『ふふ』
その会話を最後にわたしたちはまた逃げ出した。
何やら怒っているようだったけれど、一体何があったのか。
完全にとばっちりだと思いつつ走っていると、ヤマトくんが声を上げた。
「別れて逃げよう!」
その案に反対する者はおらず、皆バラバラな方向に走り出す。
どうしようか迷ったが、一先ず誰ともペアにならずに走っているミミちゃんを追うことにした。
「碧さん!」
『やっほー。今日はよく走る日だね』
「ええ、全っ然嬉しくないわ!」
叫びながらでも走れるくらいにはまだ余裕があるらしい。
ヌメモンから投げられるうんちの嵐を木に隠れてやり過ごし、頃合いを見てパルモンとアグモン(黒)が飛び出して彼らと対峙する。
が、すぐにヌメモンたちは踵を返して逃げ出してしまった。
「あれ…?」
「パルモンもアグモンもすごーい!」
「可笑しいな。まだ何にもしてないのにぃ…」
「ねー」
見る限りは確かに攻撃をしていない。
ましてや恐れをなして逃げるだなんて、数でいえばあちらさんの方が上なのに有り得ないだろう。
彼らはどうして逃げたのか。
そう考えていると、後ろからズシンズシンと振動とともに重い足音が響く。
振り返ると、巨大な熊のぬいぐるみがこちらを見下ろしていた。
『わあ』
「うえぇ」
「もんざえモン!」
ああ、なんかそれっぽい名前だ。
「おもちゃの町へようこそ」
『あ、ご丁寧にどうもありがとう』
「何これ。これ、デジモンなの?」
「うん。見かけによらずとっても強いデジモンなの!」
なるほど。アンドロモンと同じ形態なのかな。
「おもちゃを愛し、おもちゃに愛される、おもちゃの町の町長!」
「じゃあ、良いデジモン!?」
「だと思うよ」
曖昧なパルモンの答えに、不穏さを隠さずにはいられない。
メラモンやアンドロモンの例があるから油断はできないかな。
「お嬢さん方、お待ちしておりました」
そんな紳士的な言葉とは裏腹に、もんざえモンは敵意を剥き出しにして攻撃を繰り出してきた。