名字固定【篠崎】
電光!カブテリモン
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正気に戻ったアンドロモンはとても心優しいデジモンだった。
「機械に紛れ込んだ黒い歯車を取ろうとして、あんなことになってしまった」
「…黒い歯車」
「また…?」
メラモンの時もだが、黒い歯車はデジモンたちを凶暴化させるものなのだろうか。
であればこれからも十分警戒しなければいけない。
「助けてもらったのに、本当に申し訳ないことをした」
「気にすんなって、故障なんだから」
ヤマトくんが励ますが、あれは故障で一括りにして良いんだ。
「君たちの疑問に答えてあげたいが、私も答えを知らない。その代わり、ここから出る方法をアドバイスできる。……地下水道を行くといい」
そう言うと、アンドロモンは後ろにあった横穴を差した。
「君たちの幸運を祈る。無事、元の世界に帰れるように」
『ありがとう。縁があればまた会おうね』
「ああ」
礼を言って皆でその横穴を潜っていく。
全員が無事に地下水道へ抜けると、道なりに沿って歩き出した。
「碧さんは、自分が何者かとか考えたことありますか?」
唐突に光子郎がそんな質問を投げ掛けてきた。アグモン(黒)にも言われたけれど、興味はない。彼の意図は読めないが、あの時のテントモンの言葉がずっと胸の中に残っているのかもしれない。
『……まだ考えていたの?』
「いえ。純粋に思っただけですよ」
『そっか。わたしは、別にそんなこと考えないかな。わたしはわたし、だからね』
「……そうですよね」
横目に光子郎を見ると、本当に深い意味はなさそうだった。それでも、その頭を撫でてあげたいと思い、自身の手を彼の頭の上へ乗せる。
相も変わらず嫌がらない。どうやら満更でもなさそうだ。
『大丈夫。君はわたしの幼馴染の泉光子郎。それが誰の子どもであっても、ね』
「わいは光子郎はんのパートナーでっせ」
「オレは碧のパートナーだよ」
わたしたちの会話を聞いていたのか、テントモンとアグモン(黒)が割り込んできた。
微笑ましい光景に小さく笑うと、彼らに向かってそうだねと光子郎も笑った。
「ねえ、光子郎さん。さっきパソコンでテントモンを進化させたんでしょ?」
「そうだよ」
カブテリモンの進化方法が気になったであろうタケルくんが光子郎の顔を覗き込んで尋ねてきた。
「僕のパタモンも進化させられるの?」
「できるかもしれないな!」
「ほんと!?」
タケルくんが喜びの声を上げる。鞄からパソコンを取り出した光子郎が歩きながらプログラムを打ち込んでいく。あのプログラムを全部覚えているのって人間技じゃないような気がする。
「あれ?」
しばらくプログラムを打ち込んでいたが、突然パソコンの画面が暗くなる。電源が切れてしまったようだ。
電源ボタンを押してもキーボードを叩いても一切の反応をしなくなっている。
『あの工場内でしか起動しなかったのかもね』
「そうかもしれません」
せっかく稼働していたパソコンが事切れて少し残念そうだ。
「そういう時は、叩くに限る!」
「そうさ!」
話を聞きつけた太一くんと彼のアグモンが光子郎のパソコンへ向かって拳を振り上げる。
隣にいたわたしにも被害が及ぶわけで、光子郎が横へ、わたしはしゃがみ込んで彼らの攻撃を避けた。
「痛ぇ!」
彼らの拳はお互いの頬と頭に直撃して、大きく見事なたんこぶを作って見せた。
ギャグか。
「あんたたちの能天気は叩いたって直らないって!」
『ふふ。空ちゃんへ座布団一枚』
その場にドッと笑いが起こった。
「機械に紛れ込んだ黒い歯車を取ろうとして、あんなことになってしまった」
「…黒い歯車」
「また…?」
メラモンの時もだが、黒い歯車はデジモンたちを凶暴化させるものなのだろうか。
であればこれからも十分警戒しなければいけない。
「助けてもらったのに、本当に申し訳ないことをした」
「気にすんなって、故障なんだから」
ヤマトくんが励ますが、あれは故障で一括りにして良いんだ。
「君たちの疑問に答えてあげたいが、私も答えを知らない。その代わり、ここから出る方法をアドバイスできる。……地下水道を行くといい」
そう言うと、アンドロモンは後ろにあった横穴を差した。
「君たちの幸運を祈る。無事、元の世界に帰れるように」
『ありがとう。縁があればまた会おうね』
「ああ」
礼を言って皆でその横穴を潜っていく。
全員が無事に地下水道へ抜けると、道なりに沿って歩き出した。
「碧さんは、自分が何者かとか考えたことありますか?」
唐突に光子郎がそんな質問を投げ掛けてきた。アグモン(黒)にも言われたけれど、興味はない。彼の意図は読めないが、あの時のテントモンの言葉がずっと胸の中に残っているのかもしれない。
『……まだ考えていたの?』
「いえ。純粋に思っただけですよ」
『そっか。わたしは、別にそんなこと考えないかな。わたしはわたし、だからね』
「……そうですよね」
横目に光子郎を見ると、本当に深い意味はなさそうだった。それでも、その頭を撫でてあげたいと思い、自身の手を彼の頭の上へ乗せる。
相も変わらず嫌がらない。どうやら満更でもなさそうだ。
『大丈夫。君はわたしの幼馴染の泉光子郎。それが誰の子どもであっても、ね』
「わいは光子郎はんのパートナーでっせ」
「オレは碧のパートナーだよ」
わたしたちの会話を聞いていたのか、テントモンとアグモン(黒)が割り込んできた。
微笑ましい光景に小さく笑うと、彼らに向かってそうだねと光子郎も笑った。
「ねえ、光子郎さん。さっきパソコンでテントモンを進化させたんでしょ?」
「そうだよ」
カブテリモンの進化方法が気になったであろうタケルくんが光子郎の顔を覗き込んで尋ねてきた。
「僕のパタモンも進化させられるの?」
「できるかもしれないな!」
「ほんと!?」
タケルくんが喜びの声を上げる。鞄からパソコンを取り出した光子郎が歩きながらプログラムを打ち込んでいく。あのプログラムを全部覚えているのって人間技じゃないような気がする。
「あれ?」
しばらくプログラムを打ち込んでいたが、突然パソコンの画面が暗くなる。電源が切れてしまったようだ。
電源ボタンを押してもキーボードを叩いても一切の反応をしなくなっている。
『あの工場内でしか起動しなかったのかもね』
「そうかもしれません」
せっかく稼働していたパソコンが事切れて少し残念そうだ。
「そういう時は、叩くに限る!」
「そうさ!」
話を聞きつけた太一くんと彼のアグモンが光子郎のパソコンへ向かって拳を振り上げる。
隣にいたわたしにも被害が及ぶわけで、光子郎が横へ、わたしはしゃがみ込んで彼らの攻撃を避けた。
「痛ぇ!」
彼らの拳はお互いの頬と頭に直撃して、大きく見事なたんこぶを作って見せた。
ギャグか。
「あんたたちの能天気は叩いたって直らないって!」
『ふふ。空ちゃんへ座布団一枚』
その場にドッと笑いが起こった。