名字固定【篠崎】
電光!カブテリモン
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「みなさーん!凄い発見がありました!」
動力室を出た後、ヤマトくんたちを追って約束通り合流することが出来た。新たな発見があったからか、光子郎の声が今まで以上に明るい。先ほどまで少し気落ちしていたし喜ばしいことだ。
「光子郎、碧。なんだよ?」
「はい。この工場ではプログラムそのものがエネルギーを作っているんです!つまり、この世界ではデータとかプログラムとか本来ではただの情報でしかないものが実体化して……」
「おーい!」
説明の途中、太一くんが慌てたようにこちらへ向かってきた。
光子郎の説明、実は凄い有益な情報の筈なのだけれど、話の内容は難しいうえに長くなる。そして今はそれをのんびり聞いている暇などないようだった。
「何か見つかったか?」
「逃げろ、アンドロモンが!」
「アンドロモン?」
ヤマトくんが聞き返した瞬間、わたしたちと太一くんたちを隔てるように目の前へサイボーグのデジモンが現れた。恐らくあれがアンドロモン。随分と殺意を剥き出しにしているが、何か怒らせるようなことでもしたのだろうか。あと急に地面から出てきて吃驚した。
「うわあ!」
「侵入者捕獲……ガトリングミサイル!」
わたしたちをその目で捉えるや、胸のハッチからミサイルらしきものを2発放つ。これはまずいとわたしたちは全力で左右に走る。
「やだあ!」
二手に分かれて避けたのだが、足がすくんで動けないタケルくんがその場に取り残された。そうだ、あの子はまだ2年生。とっさに判断して逃げるだなんて難しいはずじゃないか。
わたしが無理にでも手を引いて走れば良かったんだ。
『タケルくん!』
「タケル―!」
「俺に任せて!」
間髪入れずにガブモンが飛び出した。彼に反応するようにヤマトくんの腰についている小さな機械が煌々と輝きを放つ。この光に、わたしはどこか安心感を抱いていた。
「ガブモン進化ー!ガルルモン!」
ガブモンがガルルモンへと進化し、その前足でミサイルを弾く。1つは空中で爆発したが、もう1つは太一くんたちの方へ飛んでいってしまった。
あちらにはデジモンが進化する時間もない。息を呑んで様子を伺った。
「うわ、うわ、うわ!」
『……ハリウッドかな』
太一くんたちは後ろへ下がりながら攻撃を避けていく。それがどう見ても映画のような動きでツッコミを入れざるを得なかった。火事場の馬鹿力、こういう時の反射神経はピカイチだなぁなんて暢気に考えてしまうくらいには余裕が生まれているらしい。
そんなアンドロモンの攻撃の合間を縫ってアグモンが前へ飛び出す。そしてやはり小さな機械が淡い輝きを放った。
「アグモン進化ー!グレイモン!」
グレイモンが尻尾でミサイルを壊す。ミサイルに耐える彼らの前足と尻尾の強度は凄まじい。
そのまま戦闘に持ち込もうとグレイモンとガルルモンがアンドロモンに飛び掛かるが、簡単に払い除けられる。そのまま下へと落下した彼らを追ってアンドロモンも飛び降りた。
「スパイラルソード!」
アンドロモンの腕から放たれた攻撃がガルルモンに命中してしまうが、すぐに立て直して攻撃する体勢を取る。
「メガフレイム!」
「フォックスファイヤー!」
だが、彼らの必殺技を軽くあしらう程にアンドロモンは強かった。
「なるほど。確かに進化している!」
「パワー、スピード。……どれを取ってもあたしたちのデジモンよりレベルが上だわ!」
「どうやったら勝てるんだよ!?」
太一くんと空ちゃんの会話が聞こえたが、どうやらグレイモンやガルルモンよりも進化しているデジモンのようだ。
まだ上に進化することができるなんて。
『どうすれば…。せめてもう1体加勢できれば何とかなるかもしれないけれど』
そう考えているうちに、グレイモンがアンドロモンと攻防戦をしており、隙を狙ってガルルモンが飛び掛かる。
しかし、そのガルルモンに向かってグレイモンを投げ飛ばすことで今もアンドロモンが優位に立っていた。
「光子郎はん!」
「ん?」
「さっきのあのプログラム!」
「良いのか?」
「はいな!」
「……よし」
動力室でのことを思い出したであろうテントモンが光子郎へ促して覚悟を決めた。
光子郎もそんなテントモンに頷いてパソコンを起動する。
「行くぞ!」
先程のようにキーボードを叩いてプログラムを入力していく。
しばらく経つとその文字が意思をもったように動き出した。
「なんや、力がみなぎってくるー!」
「大丈夫か!?」
テントモンの全身が光り出した。
光子郎が心配するけれど先程とは違って熱くはないようで安心する。
「テントモン進化ー! カブテリモン!」
『今までとは違う進化の仕方だ…』
「オレたちって光子郎の手で進化できるようになる?」
『いや、あれは光子郎とテントモンだけだと思うなあ』
てんとう虫からカブト虫へ驚異の進化を果たしたが、テントモンが進化したことで歓声が上がる。
アグモン(黒)はそれよりもパソコンで進化できることに興味があるようだけれど、きっと彼ら以外のデジモンには無理だと思う。
カブテリモンへ進化するとすぐさま加勢へ向かう。空中からアンドロモンへ突進したが避けられて地面へ激突する。
しかしそれも大したダメージではないらしく、再び飛び上がってアンドロモンへ突進したが今度は投げ払われてしまった。
「ガトリングミサイル!」
空中へ避難したカブテリモンをアンドロモンの放つミサイルが追撃する。
「くそぉ、アンドロモンに弱点はないのか!?」
丈が悲嘆な声を上げる。でも確かに弱点があればこの状況を変えることが出来るかもしれない。
ジッとアンドロモンを見つめると、右足の膝部分から漏電していた。
『光子郎。アンドロモンの右足を見て』
「右足。……あそこだけ動きが悪いですね」
『弱点になると思う?』
「少なくとも動きを鈍らせることが可能かと」
わたしの問いに光子郎は頷いた。
「カブテリモン、右足だ!アンドロモンの右足を狙え!」
「……メガブラスター!」
光子郎の指示を聞いたカブテリモンが旋回をしてアンドロモンへ向けて必殺技を放つ。
避けることができなかったアンドロモンの右足へ見事命中すると、メラモンの時と同じように歯車が出てきて砕け散った。
動力室を出た後、ヤマトくんたちを追って約束通り合流することが出来た。新たな発見があったからか、光子郎の声が今まで以上に明るい。先ほどまで少し気落ちしていたし喜ばしいことだ。
「光子郎、碧。なんだよ?」
「はい。この工場ではプログラムそのものがエネルギーを作っているんです!つまり、この世界ではデータとかプログラムとか本来ではただの情報でしかないものが実体化して……」
「おーい!」
説明の途中、太一くんが慌てたようにこちらへ向かってきた。
光子郎の説明、実は凄い有益な情報の筈なのだけれど、話の内容は難しいうえに長くなる。そして今はそれをのんびり聞いている暇などないようだった。
「何か見つかったか?」
「逃げろ、アンドロモンが!」
「アンドロモン?」
ヤマトくんが聞き返した瞬間、わたしたちと太一くんたちを隔てるように目の前へサイボーグのデジモンが現れた。恐らくあれがアンドロモン。随分と殺意を剥き出しにしているが、何か怒らせるようなことでもしたのだろうか。あと急に地面から出てきて吃驚した。
「うわあ!」
「侵入者捕獲……ガトリングミサイル!」
わたしたちをその目で捉えるや、胸のハッチからミサイルらしきものを2発放つ。これはまずいとわたしたちは全力で左右に走る。
「やだあ!」
二手に分かれて避けたのだが、足がすくんで動けないタケルくんがその場に取り残された。そうだ、あの子はまだ2年生。とっさに判断して逃げるだなんて難しいはずじゃないか。
わたしが無理にでも手を引いて走れば良かったんだ。
『タケルくん!』
「タケル―!」
「俺に任せて!」
間髪入れずにガブモンが飛び出した。彼に反応するようにヤマトくんの腰についている小さな機械が煌々と輝きを放つ。この光に、わたしはどこか安心感を抱いていた。
「ガブモン進化ー!ガルルモン!」
ガブモンがガルルモンへと進化し、その前足でミサイルを弾く。1つは空中で爆発したが、もう1つは太一くんたちの方へ飛んでいってしまった。
あちらにはデジモンが進化する時間もない。息を呑んで様子を伺った。
「うわ、うわ、うわ!」
『……ハリウッドかな』
太一くんたちは後ろへ下がりながら攻撃を避けていく。それがどう見ても映画のような動きでツッコミを入れざるを得なかった。火事場の馬鹿力、こういう時の反射神経はピカイチだなぁなんて暢気に考えてしまうくらいには余裕が生まれているらしい。
そんなアンドロモンの攻撃の合間を縫ってアグモンが前へ飛び出す。そしてやはり小さな機械が淡い輝きを放った。
「アグモン進化ー!グレイモン!」
グレイモンが尻尾でミサイルを壊す。ミサイルに耐える彼らの前足と尻尾の強度は凄まじい。
そのまま戦闘に持ち込もうとグレイモンとガルルモンがアンドロモンに飛び掛かるが、簡単に払い除けられる。そのまま下へと落下した彼らを追ってアンドロモンも飛び降りた。
「スパイラルソード!」
アンドロモンの腕から放たれた攻撃がガルルモンに命中してしまうが、すぐに立て直して攻撃する体勢を取る。
「メガフレイム!」
「フォックスファイヤー!」
だが、彼らの必殺技を軽くあしらう程にアンドロモンは強かった。
「なるほど。確かに進化している!」
「パワー、スピード。……どれを取ってもあたしたちのデジモンよりレベルが上だわ!」
「どうやったら勝てるんだよ!?」
太一くんと空ちゃんの会話が聞こえたが、どうやらグレイモンやガルルモンよりも進化しているデジモンのようだ。
まだ上に進化することができるなんて。
『どうすれば…。せめてもう1体加勢できれば何とかなるかもしれないけれど』
そう考えているうちに、グレイモンがアンドロモンと攻防戦をしており、隙を狙ってガルルモンが飛び掛かる。
しかし、そのガルルモンに向かってグレイモンを投げ飛ばすことで今もアンドロモンが優位に立っていた。
「光子郎はん!」
「ん?」
「さっきのあのプログラム!」
「良いのか?」
「はいな!」
「……よし」
動力室でのことを思い出したであろうテントモンが光子郎へ促して覚悟を決めた。
光子郎もそんなテントモンに頷いてパソコンを起動する。
「行くぞ!」
先程のようにキーボードを叩いてプログラムを入力していく。
しばらく経つとその文字が意思をもったように動き出した。
「なんや、力がみなぎってくるー!」
「大丈夫か!?」
テントモンの全身が光り出した。
光子郎が心配するけれど先程とは違って熱くはないようで安心する。
「テントモン進化ー! カブテリモン!」
『今までとは違う進化の仕方だ…』
「オレたちって光子郎の手で進化できるようになる?」
『いや、あれは光子郎とテントモンだけだと思うなあ』
てんとう虫からカブト虫へ驚異の進化を果たしたが、テントモンが進化したことで歓声が上がる。
アグモン(黒)はそれよりもパソコンで進化できることに興味があるようだけれど、きっと彼ら以外のデジモンには無理だと思う。
カブテリモンへ進化するとすぐさま加勢へ向かう。空中からアンドロモンへ突進したが避けられて地面へ激突する。
しかしそれも大したダメージではないらしく、再び飛び上がってアンドロモンへ突進したが今度は投げ払われてしまった。
「ガトリングミサイル!」
空中へ避難したカブテリモンをアンドロモンの放つミサイルが追撃する。
「くそぉ、アンドロモンに弱点はないのか!?」
丈が悲嘆な声を上げる。でも確かに弱点があればこの状況を変えることが出来るかもしれない。
ジッとアンドロモンを見つめると、右足の膝部分から漏電していた。
『光子郎。アンドロモンの右足を見て』
「右足。……あそこだけ動きが悪いですね」
『弱点になると思う?』
「少なくとも動きを鈍らせることが可能かと」
わたしの問いに光子郎は頷いた。
「カブテリモン、右足だ!アンドロモンの右足を狙え!」
「……メガブラスター!」
光子郎の指示を聞いたカブテリモンが旋回をしてアンドロモンへ向けて必殺技を放つ。
避けることができなかったアンドロモンの右足へ見事命中すると、メラモンの時と同じように歯車が出てきて砕け散った。