名字固定【篠崎】
電光!カブテリモン
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「碧は、自分が何者かって興味ある?」
アグモン(黒)がジッとわたしを見つめて尋ねてきた。
わたしが何者か、だって?興味があったなら何か変わったのだろうか。自分探しの旅、とはよく聞くがそもそも一体どうやって自分を探すのか。まだまだ人生経験の浅いわたしには深いことなど分かりはしない。よって。
『……興味ないなあ』
そう答えるとアグモン(黒)はオレも、と微笑んだ。わたしと同じ意見だったのが嬉しかったのかもしれない。やはり彼はかわいい。
そうして彼との世界に浸ってばかりではいられない。未だ考え込んでいる光子郎の頭を撫で、自分の額と彼の額をくっつける。幼いころからやってきたわたしと彼の小さな儀式。
『光子郎』
「碧、さん…」
『今すぐ答えなんて出ないんだから、気楽にね』
「……は、い」
『ゆっくり紐解いていけば良いんじゃないかな』
わたしも手伝うよ、と言うと光子郎も遂にふっと声に出して笑った。一人で溜め込んでしまう癖のある彼を放っておいたりはしないから。そんな気持ちを込めて額をぐりぐりと擦る。くすぐったそうに笑う彼に釣られてわたしも笑ってしまった。伝わっているのなら良いのだ。
「碧、それ何してるの?」
その行動が不思議に思ったであろうアグモン(黒)が袖をくいっと引っ張って尋ねてきたので、光子郎から離れてアグモン(黒)に向き合う。気になることはこうやって素直に聞いてくる彼が幼い頃の光子郎のようでついつい頬が緩んでしまう。ただただ愛おしかった。
『これはね、おまじないかな』
「おまじない?」
『そう。大切な人にするおまじない。元気を送ったり、嬉しさや悲しさを分かち合ったりすることができるんだよ』
「…じゃあオレともしよ」
そうして飛びついてきたアグモン(黒)を抱きとめる。
何この可愛い生き物。
『良いよ。…これからも、頼りにしてる』
「うん。任せてよ」
額を合わせてぐりぐりするときゃっきゃと喜んでくれた。彼はこうしたスキンシップが好きな傾向があり、まるで小動物を飼っているようでわたしも癒されていた。
「碧はんも見てくれなはれ!」
『ん、どうしたの?』
テントモンが光子郎のパソコンを指し示すので何事かと覗き込むと、光子郎が打ち込んでいたであろう文字がバラバラに動いていた。
まるで文字に意思でもあるかのようだ。
『何が起きているんだろう…』
「あ、こっちも光りだしたぞ!」
光子郎の鞄に付いていた小さな機械が淡く光りだす。どこか温かさを感じるソレに、思わず息を飲む。
何が起きているのか理解しないうちにパソコンの画面には島の構成図のようなものが表示されていた。もしかしたらこれは、いまわたしたちがいる島の……
「あてっ、あて、あちち!」
考えているとテントモンが焦っている声を出すのでそちらを見やると、光子郎の持つ小さな機械に反応するように、その体が光っていた。
当事者のテントモンは熱くて苦しそうではあるが。
「あちちっ、あちちちち!体が熱いでんがな!」
「わあ、テントモン大丈夫?」
「どうした!?」
「どうしたか、うちにもさっぱり!あち、あちー!」
光子郎が小さな機械を手に取る。その画面いっぱいにゲージが溜まっており、ちかちかと点滅している。よく分からないけれど、もしかしたらこれはデジモンと関係があるのかもしれない。けれど自分の鞄についている機械を見てみるが何の反応もしていないので確信は持てないが。
「あちゃちゃちゃ、もう堪らんわ!」
ついにテントモンの体から煙が出てくる。少しでも熱を逃がそうとしているのか、手足をばたつかせて動き回っていた。これはまずいと、光子郎を見やる。
『光子郎!』
「はい!これ以上は危険だ」
慌てて光子郎がパソコンの電源を落とすと同時に、テントモンも体の熱も収まったようだ。小さな機械のゲージも少しずつなくなっている。これはつまりパートナーのデジモンと関連しているのではなかろうか。
「テントモン、平気?」
『今は大丈夫そう?』
「はいな…」
光子郎はその手にある小さな機械をジッと見つめていた。
アグモン(黒)がジッとわたしを見つめて尋ねてきた。
わたしが何者か、だって?興味があったなら何か変わったのだろうか。自分探しの旅、とはよく聞くがそもそも一体どうやって自分を探すのか。まだまだ人生経験の浅いわたしには深いことなど分かりはしない。よって。
『……興味ないなあ』
そう答えるとアグモン(黒)はオレも、と微笑んだ。わたしと同じ意見だったのが嬉しかったのかもしれない。やはり彼はかわいい。
そうして彼との世界に浸ってばかりではいられない。未だ考え込んでいる光子郎の頭を撫で、自分の額と彼の額をくっつける。幼いころからやってきたわたしと彼の小さな儀式。
『光子郎』
「碧、さん…」
『今すぐ答えなんて出ないんだから、気楽にね』
「……は、い」
『ゆっくり紐解いていけば良いんじゃないかな』
わたしも手伝うよ、と言うと光子郎も遂にふっと声に出して笑った。一人で溜め込んでしまう癖のある彼を放っておいたりはしないから。そんな気持ちを込めて額をぐりぐりと擦る。くすぐったそうに笑う彼に釣られてわたしも笑ってしまった。伝わっているのなら良いのだ。
「碧、それ何してるの?」
その行動が不思議に思ったであろうアグモン(黒)が袖をくいっと引っ張って尋ねてきたので、光子郎から離れてアグモン(黒)に向き合う。気になることはこうやって素直に聞いてくる彼が幼い頃の光子郎のようでついつい頬が緩んでしまう。ただただ愛おしかった。
『これはね、おまじないかな』
「おまじない?」
『そう。大切な人にするおまじない。元気を送ったり、嬉しさや悲しさを分かち合ったりすることができるんだよ』
「…じゃあオレともしよ」
そうして飛びついてきたアグモン(黒)を抱きとめる。
何この可愛い生き物。
『良いよ。…これからも、頼りにしてる』
「うん。任せてよ」
額を合わせてぐりぐりするときゃっきゃと喜んでくれた。彼はこうしたスキンシップが好きな傾向があり、まるで小動物を飼っているようでわたしも癒されていた。
「碧はんも見てくれなはれ!」
『ん、どうしたの?』
テントモンが光子郎のパソコンを指し示すので何事かと覗き込むと、光子郎が打ち込んでいたであろう文字がバラバラに動いていた。
まるで文字に意思でもあるかのようだ。
『何が起きているんだろう…』
「あ、こっちも光りだしたぞ!」
光子郎の鞄に付いていた小さな機械が淡く光りだす。どこか温かさを感じるソレに、思わず息を飲む。
何が起きているのか理解しないうちにパソコンの画面には島の構成図のようなものが表示されていた。もしかしたらこれは、いまわたしたちがいる島の……
「あてっ、あて、あちち!」
考えているとテントモンが焦っている声を出すのでそちらを見やると、光子郎の持つ小さな機械に反応するように、その体が光っていた。
当事者のテントモンは熱くて苦しそうではあるが。
「あちちっ、あちちちち!体が熱いでんがな!」
「わあ、テントモン大丈夫?」
「どうした!?」
「どうしたか、うちにもさっぱり!あち、あちー!」
光子郎が小さな機械を手に取る。その画面いっぱいにゲージが溜まっており、ちかちかと点滅している。よく分からないけれど、もしかしたらこれはデジモンと関係があるのかもしれない。けれど自分の鞄についている機械を見てみるが何の反応もしていないので確信は持てないが。
「あちゃちゃちゃ、もう堪らんわ!」
ついにテントモンの体から煙が出てくる。少しでも熱を逃がそうとしているのか、手足をばたつかせて動き回っていた。これはまずいと、光子郎を見やる。
『光子郎!』
「はい!これ以上は危険だ」
慌てて光子郎がパソコンの電源を落とすと同時に、テントモンも体の熱も収まったようだ。小さな機械のゲージも少しずつなくなっている。これはつまりパートナーのデジモンと関連しているのではなかろうか。
「テントモン、平気?」
『今は大丈夫そう?』
「はいな…」
光子郎はその手にある小さな機械をジッと見つめていた。