名字固定【篠崎】
爆裂進化!グレイモン!
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「それより、これからどうする」
ヤマトくんが目的を決めるために皆へ問いかける。その問いに真っ先に反応したのは丈だ。
「元の場所へ戻ろう。大人たちが助けに来るのを待つんだ」
「戻るって言ってもなあ」
『丈。崖から落ちて川に流されたのに戻るの?』
「うっ」
それならわたしは断固として反対する。わたしたちは登山家じゃない。子どもの力では戻るのに何日掛かることやら。
「じゃあどうしたら良いんだ?どこか道を探して」
「大体ここはどこなんだ。どう考えても、キャンプ場の近くじゃないぜ」
丈のは言葉を遮ってヤマトくんが皆の疑問を口に出した。
「そうですね。植物がまるで亜熱帯みたいだ」
「ホンマや!」
「えっ、分かるの?」
「いんや」
光子郎は肩を落とすけれど、突然のコントにわたしは思わず小さく笑ってしまう。
『ははっ。やるねえ、テントモン』
「おおきに」
今更だけどデジモンも関西弁って話すんだ。
「降りて来たんだから、戻る道もあるはずだ」
「そうね。戻ってみたら、どうしてここへ来たのか何か手掛かりがあるかも」
暢気に笑っているわたしを余所に他の子は未だ話し合いをしていた。丈の意見に賛同したのは空ちゃん。
「ええっ!でもさっきみたいなのが他にもいるんじゃない?」
「いるわよ」
「ほらぁ!」
ミミちゃんにとってクワガーモンがトラウマらしく、無常に告げるパルモンに泣きそうである。そりゃああんなのに一人で追いかけられてたから仕方ないね。
「危険は冒したくないな」
ヤマトくんの意見は尤もだ。デジモンたちが進化したからと言って、先程のように勝てるとも限らない。わたしたちは今サバイバルをしているのだから一番危険の少ないルートを慎重に選ばなくてはならないのである。
「他の人間は?」
「人間?太一みたいな?」
「うん」
「見たことないよ。ここはデジモンしかいないんだ」
ですって丈さんや。まあアグモンの言っていることは本当なのだろう。わたしたち人間は先程のクワガーモンのような凶悪な生物がいる環境で生きていけるわけがない。サバンナだってもう少し生きやすいだろうに。
「デジモンしかいないって言っても、お前ら結構いろんな格好してるよなー」
太一くんがデジモン達を見渡してそう言った。
「確か、ファイル島って言ってたわよね」
「本当に島なのか?」
「聞いたことない名前ですよね」
「日本じゃないのか…」
感想はそれぞれだ。急にこんなところに飛ばされて、クワガーモンのような敵にあったというのに冷静である。でも冷静というだけで不安は残るようだ。それもそうか、いきなり日本じゃないところに来たのだから元気に頑張ろうという方が土台無理な話である。
「とにかく行こうぜ!ここでジッとしていてもしょうがないよ!」
「おい、どこに行く気だ!」
でもそんな不安を吹き飛ばすかのように歩き出したのは太一くんだ。そんな彼をヤマトくんが止めるが、太一くんは気にせず明るく笑って見せた。目が覚めたら知らない土地、知らない生き物、巨大なデジモンに襲われ崖から落ち川を流れ、こんな酷い状況にも関わらず彼はそれでも前に進もうとするのか。
「さっき海が見えたんだよ!」
「うみ?」
「そう。だから行ってみようぜ!」
ドクンと心臓が脈を打つ。川なんかと比べ物にならないくらいにわたしの鼓動は早まっていた。海、海、海。ああ、嫌だなあ。
「行ってみるか?」
「ええ」
ヤマトくんも空ちゃんも賛同している。恐らくみんな行くのだろう。丈はブツブツと何やら独り言を言っているが、今ならわたしもその仲間になれるかもしれない。
『この世界に嫌われてるのかねぇ』
「オレは大好きだよ、碧のこと」
『……アグモン』
真っ直ぐに見つめてくる翠色の瞳が、まるで宝石のようにきらきらと輝いていて。その言葉が嘘偽りないことなのだと思い知らされた。
アグモン(黒)の心は、どこまでも綺麗なのだ。
ヤマトくんが目的を決めるために皆へ問いかける。その問いに真っ先に反応したのは丈だ。
「元の場所へ戻ろう。大人たちが助けに来るのを待つんだ」
「戻るって言ってもなあ」
『丈。崖から落ちて川に流されたのに戻るの?』
「うっ」
それならわたしは断固として反対する。わたしたちは登山家じゃない。子どもの力では戻るのに何日掛かることやら。
「じゃあどうしたら良いんだ?どこか道を探して」
「大体ここはどこなんだ。どう考えても、キャンプ場の近くじゃないぜ」
丈のは言葉を遮ってヤマトくんが皆の疑問を口に出した。
「そうですね。植物がまるで亜熱帯みたいだ」
「ホンマや!」
「えっ、分かるの?」
「いんや」
光子郎は肩を落とすけれど、突然のコントにわたしは思わず小さく笑ってしまう。
『ははっ。やるねえ、テントモン』
「おおきに」
今更だけどデジモンも関西弁って話すんだ。
「降りて来たんだから、戻る道もあるはずだ」
「そうね。戻ってみたら、どうしてここへ来たのか何か手掛かりがあるかも」
暢気に笑っているわたしを余所に他の子は未だ話し合いをしていた。丈の意見に賛同したのは空ちゃん。
「ええっ!でもさっきみたいなのが他にもいるんじゃない?」
「いるわよ」
「ほらぁ!」
ミミちゃんにとってクワガーモンがトラウマらしく、無常に告げるパルモンに泣きそうである。そりゃああんなのに一人で追いかけられてたから仕方ないね。
「危険は冒したくないな」
ヤマトくんの意見は尤もだ。デジモンたちが進化したからと言って、先程のように勝てるとも限らない。わたしたちは今サバイバルをしているのだから一番危険の少ないルートを慎重に選ばなくてはならないのである。
「他の人間は?」
「人間?太一みたいな?」
「うん」
「見たことないよ。ここはデジモンしかいないんだ」
ですって丈さんや。まあアグモンの言っていることは本当なのだろう。わたしたち人間は先程のクワガーモンのような凶悪な生物がいる環境で生きていけるわけがない。サバンナだってもう少し生きやすいだろうに。
「デジモンしかいないって言っても、お前ら結構いろんな格好してるよなー」
太一くんがデジモン達を見渡してそう言った。
「確か、ファイル島って言ってたわよね」
「本当に島なのか?」
「聞いたことない名前ですよね」
「日本じゃないのか…」
感想はそれぞれだ。急にこんなところに飛ばされて、クワガーモンのような敵にあったというのに冷静である。でも冷静というだけで不安は残るようだ。それもそうか、いきなり日本じゃないところに来たのだから元気に頑張ろうという方が土台無理な話である。
「とにかく行こうぜ!ここでジッとしていてもしょうがないよ!」
「おい、どこに行く気だ!」
でもそんな不安を吹き飛ばすかのように歩き出したのは太一くんだ。そんな彼をヤマトくんが止めるが、太一くんは気にせず明るく笑って見せた。目が覚めたら知らない土地、知らない生き物、巨大なデジモンに襲われ崖から落ち川を流れ、こんな酷い状況にも関わらず彼はそれでも前に進もうとするのか。
「さっき海が見えたんだよ!」
「うみ?」
「そう。だから行ってみようぜ!」
ドクンと心臓が脈を打つ。川なんかと比べ物にならないくらいにわたしの鼓動は早まっていた。海、海、海。ああ、嫌だなあ。
「行ってみるか?」
「ええ」
ヤマトくんも空ちゃんも賛同している。恐らくみんな行くのだろう。丈はブツブツと何やら独り言を言っているが、今ならわたしもその仲間になれるかもしれない。
『この世界に嫌われてるのかねぇ』
「オレは大好きだよ、碧のこと」
『……アグモン』
真っ直ぐに見つめてくる翠色の瞳が、まるで宝石のようにきらきらと輝いていて。その言葉が嘘偽りないことなのだと思い知らされた。
アグモン(黒)の心は、どこまでも綺麗なのだ。