閑話

ショッピングモールで露伴はまず、新しい靴を買った。その間に承太郎さんは好みのブランドを露伴に聞き、下着や靴下の候補を持ってくる。
「ありがとうございます」
露伴は緑と青と灰色のコントラストの下着を選ぶ。靴下は黒と白を選び、紫のはほしいがすこし、迷っていた。
「紫色も似合うと思うぜ。」
「っ!、ええ、きぐうですね、僕も良いと思います。」
そう言ってレジに向かおうとしたが承太郎さんが支払うと言い、露伴は買ってもらった。
ハンバーガー屋まで並んで横を歩く。
特に話す事はなかったが、露伴は横目で承太郎さんを見る。
(承太郎さんの服どんなのが好みか知っておきたい。後で聞いてみよう。ん、服、服の好み…)
露伴は少し思い出して、はっとした。

「手紙…。」
「…。」
承太郎さんは露伴の言葉を聞きながら、歩く。
「あの、後で話したい事があります。」
「ああ。」
ハンバーガー屋まで来て、注文する。
露伴は、オマール海老とカボチャのコロッケ入りハンバーガーを選び、承太郎さんはベーコンとチーズを乗せた本場のハンバーガーにした。
「たまにはハンバーガーも良いですね。承太郎さん、そちらポテトに振る味付けの粉ですね。」
「これは頼んだ覚えがない。店員が間違えたようだな。やれやれだぜ」
粉の袋にはチョコバナナ味と書かれている。
露伴はその味付けを食べてみたくなった。
だが少し子供ぽいかもしれないと思い、なかなか、言えない。
「承太郎さ…ん。」
「どうした」
露伴はテーブルにあった紙コップに触れ、手を滑らせる。
水が、こぼれ、テーブルを濡らす。
「これは、すみません。レジ横に自由に使っていい布巾があったと思います。取ってきてくれませんか」
露伴は承太郎さんが、席を離れた間の時間で、少しポテトをふって、食べようと思いついたのだ。
しかし承太郎さんは露伴にも水がかかってるのを見ていた。
シャツの胸のあたりと太ももの辺り。
「露伴、服にかかっている。ふくぜ」
承太郎さんはハンカチの上から露伴の胸に触れた。
「…ん、そ、そうですか…」
見れば丸い大きなシミが見えた。
「…。」
承太郎さんは太ももにもハンカチの上から触れる。
「っ…あ、ありがとうございます。」
露伴は恥ずかしさで少し声が掠れてしまった。
吹き終わった承太郎さんは、布巾取ってくると言い、レジ横に移動する。
露伴はドキドキと心臓がたかなり、チョコバナナ味どころではなくなった。
こんな、店の中で、触れられるなんて思わなかった。
「…承太郎、さん。」
自分にしか聞こえない小さな声で露伴は言った。
そして、承太郎さんが戻ってきた。
机を拭くと、新しい水も注ぐ。
そして、露伴を見て、承太郎さんは少し考えた後、ポテトを半分、紙ナプキンの上にあけると、チョコバナナ味を袋のポテトに開けた。
「露伴、半分食べてくれ。」
「え、」
「どうせだし、味をみて帰るのも良いと思ってな。そう、何回も来れないだろうからな。」
良ければ振ってくれ、と渡されたポテトの袋。
露伴はドキドキしながら、受け取った。
「分かりました。良いですよ。」
顔には出さず、露伴は喜ぶ。
振り終わり、袋から取ってポテトを食べてみる。
「なっ、…これは…」
露伴は思わず、美味しいと伝えた。
「ふ、そんなに良いのか。また、買ってくるのも良いかもしれないな。」

「え、ええ。この風味も良いですね。」
食べ終わった二人はお店を出た。
次は服を見ようと、露伴は自分の好きな服のブランドの店へと承太郎さんを案内する。
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