閑話

露伴は次の日の朝、精神科の医師に見てもらった。
結果は、今の医学上どこも異常はみられず、目眩だけということもあって、心を落ち着かせる薬を処方してもらった。
露伴は、遅めの朝食を終え薬を飲む。
コップの水が少なく、水を入れようとした所で、水が、コップに注がれた。
「…承太郎さん、ありがとうございます。」
「ああ。」
承太郎さんは露伴の食べ終わった食器を片付け、流しに入れる。
露伴は残りの薬を水で飲みこむ。
承太郎さんがこちらに来る間、露伴は、持ってきていた、漫画の原稿用紙に向き合う。
露伴は、目だけで承太郎さんを見る。
承太郎さんは綺麗に皿を、ならべ乾かしている。
そして露伴は一瞬で絵を描く。
昨夜の承太郎さんの目に浮かぶ光のような、強い眼光を描く。露伴は考える。
この先、承太郎さんはどういう時に幸せを感じるのだろう。
いつかは、愛するものと僕、と選択する時がくるだろう。
(僕は、あなたを知れただけで
満足なんです。)
ただ、承太郎さんがここにいる間は、承太郎さんの為に生きたい。
この、心に宿る僕の、全て、で。

ゆっくりと時間がながれていく。
「露伴、家にいるばかりでは退屈だろう。ここに、いかないか。」
「大型ショッピングモールですか。」
「ああ。あんたの服や消耗品を買っておきたい。」
確かに、スタンド能力が戻るまでは、承太郎さんの所にお世話になるしかないのだが、服もあまり持ってきていない。
露伴は頷いた。
「わかりました。いきましょう。」
「ああ。昼もそこで食べようと思う何か食べたいものがあるか」

「特に、ないのですが、ハンバーガーがいいです。」
「わかった。」

露伴は取材に燃える心が、とても久しぶりに思えた。承太郎さんの事もっと知っていきたい。ハンバーガー、承太郎さんは好きかどうか、露伴は推察する。

そして、何かを得る、楽しいものであるのなら、漫画の参考に考えようと思っていた。

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