もう壁はない、お前の心に何が見える

電気もつけず、寝室のベットに座る露伴。
「う、く、」
露伴はベットの上で泣いていた。

こんこん、寝室のドアがノックされる。
「露伴今、行く。」
「…っ…、…、」
そして、承太郎さんは部屋に入ってくるなり、ベットの上で泣いてる露伴を掻き抱く。

「っう、あ、承、太郎、さん、」
震えながら露伴は承太郎さんに伝える。
「ぼくを、見て、ぼくだけ見て。」  
承太郎さんの服に触れてきた露伴の手に、承太郎さんは自分の手を添えて重ね、握る。
「…俺の全てを、お前に預ける…。露伴
。」
承太郎さんは、そう言ってその露伴の手のひらを自分に向け舐めたり、吸ったりする。
「っじょ、あ、ああっ、承太郎さんっ,」
露伴は手を舐められただけで、身体がのけぞる。承太郎さんの息が熱いのも身体にかんじる。その存在を、何よりも今、露伴は感じていた。

「誰に、どうされたい、露伴…。」

承太郎さんの瞳には鋭い眼光。
逃さない、露伴を絶対離さないという意思が垣間見える。
「っ、」
思考が少し止まる露伴。
承太郎さんは強く露伴を抱き締めながらゆっくり露伴の唇に唇を重ね、歯の歯列の隙間から舌を差し入れる。
露伴の舌を舌で、絡ませ、労わるように何度も優しく、舐め上げる。
「、ん、む、」
露伴は、最初の頃より更に快感を感じていた。
少しどころの変化ではなく、全身全霊で、感じていた。
露伴の中のもう一人の感情がそうさせるのか、自分自身の感情なのか分からないまま、受け止める。
すぐに露伴のものが兆し始める。
次に首筋にキスされ、肩がはねる。
露伴は、脳に今まで以上の刺激がくる。
「っ!ああっ!あああ!」 
「逃さない」
承太郎さんは露伴に宣言し、肩にもキスをする。
「あっ、ああっ、ああっは、んんんっ。」
露伴は身体のどこも感じてしまう。
「ひあっんっんん」
承太郎さんはゆっくり腹から胸に手を滑らせる。
「露伴…愛してる。」
承太郎さんは露伴の乳首をトンっとかるく触れる。

「んあっ、ん、は、」
「露伴、俺の一番近くで感じろ。
俺の目と、鼻の先で、
感じるお前を見せて欲しい。」
「んっんん、」 
承太郎さんは露伴を見ながら乳首を舐め、露伴は、激しく頭をふる。
(こんなの…相手が承太郎さんだからだっ、おかしくなる…ぼくは、あなたを求めてる…)
露伴は狂いそうになる直前、自分の心を承太郎さんに開くように、激しく承太郎さんに縋る。
露伴の震えが、涙が、自分に向けられたその手の力を感じた承太郎さんは、突き上げられた露伴の手首を掴み手首を舐め、吸い付き、噛んだ。
それを優しく、繰り返す。
そうする意味を露伴に掴んで欲しい。
永遠とはなにか、露伴を逃さないとはどういう事か、優しさとはなにか。
「露伴…、来い。心を、見せろ。お前に教えられるもの、全て、刻む。」

「っ…」
露伴は承太郎さんを、見ていた。感情に震えながら、承太郎さんを、承太郎さんだけを。
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