もう壁はない、お前の心に何が見える
露伴は今までないくらいとても気持ちよく、いった。
そして、承太郎さんを見れず、荒い息をつき、その場に崩れそうになるが、抱きとめられる。
そして風呂場に行くぞと言う承太郎さんに、肩を担がれ風呂場に着く。
「俺はダイニングにいる。しばらくしたら様子を見にいくぞ。」
「は、い。」
承太郎さんは扉を開けながら振り向きざま言った。
「露伴、…原稿読んだぞ。話しも良い。それにお前自身楽しんでるのが伝わる。」
「っ、それは、光栄です。貴方に読んでもらいたかったから。」
「そうか。」
そして、承太郎さんは脱衣場の戸を閉めた。
露伴は、服を、全て脱ぐ。
今日起きた事、自分は得るものが多すぎて頭がくらくらした。
それに、昨夜は一睡もしていない。
「承太郎さんを待たせる訳には…いきませんね。」
露伴はお風呂ですぐ身体をあらった。
風呂から出ると少しの時間、居間で、2人でコーヒーを飲み、漫画についてや、承太郎さんのスタンドについて聞き、たわいない話しをした。
そして、玄関ホールで、承太郎さんを見送る。
「露伴。しっかり休め。何かあれば迷わず、連絡してくれ。」
「!、ええ、はい。今日はありがとう御座いました。たいしたおもてなしもできませんでしたが…。」
「…」
露伴は言い淀む。今日の事はどう受け止めたら良いのかわからないでいた。
承太郎さんは、露伴の頭を少しなで、「充分だ。」と返すと玄関を出ていった。
露伴は、承太郎さんの出て行った後も、しばらく玄関ホールにいた。壁によりかかり、落ち着かない心臓をどうにか落ち着かせようとしていた。
コーヒーを飲んでる間も高鳴り、寝不足のためか頭も痛い。胸の動悸の理由は承太郎さんに間違いはないが、露伴は、一度その場を離れて部屋で漫画を描き、その後ゆっくり休むことにした。時計は、明け方の4時を指している。
「承太郎さん…」
会いたい。
これは、恋、なのか、露伴は分からず、微睡みのなか承太郎さんを求める。
だが露伴はこの先の展開をも考える。分かっているのは今度会う時は確実に承太郎さんを意識してしまうということだ。