プロローグ
今横から話しかけてきたのが、那須賀である。
スーツは着崩しており、刑事でありながらどこかチャラついた印象を受ける。
「そうか、お前は参加するか」
那須賀を横目で見ながら上村がそう言うと、那須賀は「当たり前っス!」と妙に張り切っているような声で言った。
「だってあの『都市伝説都市』に行けるんっスよ? ミステリーオタクなこの俺が、行かないわけないっしょ!」
「……あー、そうだったわ」
那須賀の言葉に、上村は少々呆れつつそう返した。
―どうやら那須賀はかなりのミステリー好きであるようだ。
未確認飛行物体や未確認生命体等、様々なものに興味を持つ彼。おそらく『都市伝説都市』なんてのにも興味津々になるだろう。
そんな彼が、今回のこの『ツアー』に参加しないわけがない。
妙に張り切る理由も頷ける。
そんな那須賀の姿を後藤が横目で見ていると、那須賀は後藤に話しかけてきた。
「ね! ね! 先輩も行きましょうよー!」
那須賀の言葉に、後藤はまた1つ溜息を吐いて、言った。
「……あんたがいないなら行くんだけど」
「グハァ! 先輩冷たい! 冷たすぎるっスよぉ! 嫌いじゃないけど!」
―ものすごいオーバーリアクションで、那須賀はそう言った。
そんな大袈裟すぎるリアクションも、後藤が彼を苦手とする要素の1つなのだろう。
後藤はそんな那須賀のリアクションを無視しつつ続けてこう口を開いた。
「……しかし、実際に箕神市に向かうことで、例の事件について何かわかるかもしれないというのもまた事実。―わかりました。私も参加します」
すると、那須賀がパッと明るい顔に変わった。
「やったー! 先輩ならそう言うと思ったっスよ!」
「……これで、3人全員の参加が確定したな」
そう言いながら上村が参加申込書を後藤と那須賀に渡すと、2人ともそれに必要事項を記入し、自分の印鑑を押して上村に再び渡した。
上村は再びそれを受け取ると、「うっし」と口を開いた。
「言っておくがあくまで『捜査の一環として』参加するんだからな? 遊びに行くんじゃねえぞ?」
「承知しております。……彼方はどうかわかりませんが。」
「先輩ひどっ!? 俺だってちゃんと分かってるっスよー!」
後藤の言葉に那須賀がそう返すと、上村が少し呆れた表情で「どうだかな」と返した。
―恐らくこの時、上村も、後藤も、那須賀も。
否、恐らくその『ツアー』の参加者全員が想像もしていなかっただろう。
―この『ツアー』が、後に起こる大きな『惨劇』の始まりだということに。
スーツは着崩しており、刑事でありながらどこかチャラついた印象を受ける。
「そうか、お前は参加するか」
那須賀を横目で見ながら上村がそう言うと、那須賀は「当たり前っス!」と妙に張り切っているような声で言った。
「だってあの『都市伝説都市』に行けるんっスよ? ミステリーオタクなこの俺が、行かないわけないっしょ!」
「……あー、そうだったわ」
那須賀の言葉に、上村は少々呆れつつそう返した。
―どうやら那須賀はかなりのミステリー好きであるようだ。
未確認飛行物体や未確認生命体等、様々なものに興味を持つ彼。おそらく『都市伝説都市』なんてのにも興味津々になるだろう。
そんな彼が、今回のこの『ツアー』に参加しないわけがない。
妙に張り切る理由も頷ける。
そんな那須賀の姿を後藤が横目で見ていると、那須賀は後藤に話しかけてきた。
「ね! ね! 先輩も行きましょうよー!」
那須賀の言葉に、後藤はまた1つ溜息を吐いて、言った。
「……あんたがいないなら行くんだけど」
「グハァ! 先輩冷たい! 冷たすぎるっスよぉ! 嫌いじゃないけど!」
―ものすごいオーバーリアクションで、那須賀はそう言った。
そんな大袈裟すぎるリアクションも、後藤が彼を苦手とする要素の1つなのだろう。
後藤はそんな那須賀のリアクションを無視しつつ続けてこう口を開いた。
「……しかし、実際に箕神市に向かうことで、例の事件について何かわかるかもしれないというのもまた事実。―わかりました。私も参加します」
すると、那須賀がパッと明るい顔に変わった。
「やったー! 先輩ならそう言うと思ったっスよ!」
「……これで、3人全員の参加が確定したな」
そう言いながら上村が参加申込書を後藤と那須賀に渡すと、2人ともそれに必要事項を記入し、自分の印鑑を押して上村に再び渡した。
上村は再びそれを受け取ると、「うっし」と口を開いた。
「言っておくがあくまで『捜査の一環として』参加するんだからな? 遊びに行くんじゃねえぞ?」
「承知しております。……彼方はどうかわかりませんが。」
「先輩ひどっ!? 俺だってちゃんと分かってるっスよー!」
後藤の言葉に那須賀がそう返すと、上村が少し呆れた表情で「どうだかな」と返した。
―恐らくこの時、上村も、後藤も、那須賀も。
否、恐らくその『ツアー』の参加者全員が想像もしていなかっただろう。
―この『ツアー』が、後に起こる大きな『惨劇』の始まりだということに。
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