夢は永遠に
衛はネヘレニアの呪いにより、体に異変をきたしていた。
「うさ、すまない。 こんな時に……。今の俺は足手まといでしかないな」
「そんなことないよ。まもちゃん、あたしが必ずあなたを直してみせる。だからそばにいさせてね」
「うさ」
「あたしの夢はね、みんなが幸せに暮らせるようにこの星を守っていくことなの。まもちゃんと2人で」
「俺の夢も、この星を守っていくことだよ。うさと一緒に」
「うれしい!」
「いつだって俺たちの夢はひとつだ」
その時、ちびうさがうさぎと衛のところにやってきた。
「うさぎ!」
「ちびうさ」
「どうしたの?」
「突然、ブラックホールが出現して。町が大変なことになってる!」
「なんですって?」
「これもネヘレニアのしわざか」
「ちびうさ、行こう」
「うん」
「まもちゃん、行ってくるね」
「ああ。気をつけろよ」
「うん」
うさぎとちびうさは戦いへと赴いた。
突然発生したブラックホールを止めるため、変身したうさぎたちはセーラーテレポートで その源へと向かった。
ブラックホールを作り出していたのはエリオスだったのだ。
「やめて!エリオス。お願い!!」
ちびうさの叫びも届かず、攻撃をするエリオス。
「きゃあ!」
「ちびムーン!」
うさぎが駆け寄った。
「ついにここまできたか」
「ネヘレニア、エリオスにいったい何をしたの?」と、うさぎ。
「何もしてはいない」
「エリオスはこんなことしない。あんたが何かしたに決まってるでしょ!」
ちびうさが叫ぶ。
「エリオスは人々の夢を美しい夢に変えてきた。悪夢もすべてな。その悪夢が蓄積された結果がこれだ」
「そんな……」
容赦なく攻撃を続けるエリオスに、対抗するはるかとみちる。
「ワールド・シェイキング!!」
「ディープ・サブマージ!!」
はるかとみちるの技もきかず、逆にエリオスにはねかえされてしまう。
「歯が立たないか」
「やめろ! エリオス」
そこへ、タキシード仮面となった衛がやってきた。
「プリンス!」
「まもちゃん!」
「胸騒ぎを感じたので、来てみたんだ」
エリオスを救うため、衛は彼の前に立ちはだかる。
「まもちゃん、やめて!!」
うさぎが止めるのも聞かず、衛はエリオスの攻撃を受け続けた。
エリオスの何度目かの攻撃に衛がよろめく。
「まもちゃん!!」
「エリオス、頼む。元に戻ってくれ」
衛は変わり果てたエリオスを抱きしめた。 彼の攻撃をすべて受け止めるために。
「…プリンス……」
エリオスが正気を取り戻し、衛に声をかけた。
「バカな」
ネヘレニアが驚きの声をあげた。
「エリオス……! 無事でよかった……」
衛はそう言うと、その場に倒れた。
「プリンス!」
「まもちゃん、まもちゃん!」
うさぎが衛を抱き起こす。
「うさ……」
衛は弱々しく微笑む。
「死なないで! 死んじゃいやだよ。まもちゃん!!」
「大丈夫。たとえ俺がいなくなっても、エリオスさえ元に戻れば この星は守っていける」
「まもちゃんがいなくちゃ、意味ないよ。2人で一緒にこの星を守っていこうって約束したじゃない」
「うさ、いつだって俺たちの夢はひとつだ」
そう言い残して、衛は息をひきとった。
「まもちゃん……。いやあーーっ!!」
うさぎの叫びがこだました。
「プリンス、申し訳ありません! 私なんかのために」
エリオスが悔しそうに唇をかみしめた。
衛が息をひきとった後、彼の中にひめられていたゴールデンクリスタルが発動した。
「この光はまさか、ゴールデンクリスタル!」
エリオスが叫ぶ。
「まもちゃんの中にずっと眠っていたっていうの? あたしに力をそそいでくれていたのは、きっとこの光だったんだね」
うさぎがゴールデンクリスタルを手にしようとしたその時、いち早くネヘレニアがそれを奪った。
「ついに手に入れたぞ!」
勝ち誇ったようにネヘレニアが言う。
「返して!」
うさぎは戦闘態勢に入った。
レムレスが周りに集まってくる。
「ムーン・ゴージャス・メディテーション!!」
うさぎの技がレムレスを蹴散らした。
さらにジルコニアが攻撃を仕掛けてくる。
「セーラームーン、ここは私たちにまかせて。早くゴールデンクリスタルを」
「わかったわ。お願いね」
うさぎは単身 ネヘレニアのもとに向かった。
亜美たちはそれぞれの技でジルコニアを撃退する。
「セーラームーンのところへ急ぎましょう」
ネヘレニアは幻覚攻撃でうさぎを苦しめる。
亜美たちが倒れた幻覚を見せられ、うさぎは戦意を喪失してしまう。
「みんながいたから、これまで戦ってこられたのに」
うさぎの隙をつき、ネヘレニアが攻撃を繰り出した。
攻撃を受け、倒れてしまううさぎ。
「もう戦えない。まもちゃんやみんながいない世界に、あたしだけ生きていても意味ないよ」
うさぎは悲しみの中で目を閉じた。
「ネヘレニア!!」
はるかが叫ぶ。
亜美たちがようやく追いつき、うさぎとネヘレニアの元へたどり着いた。
「セーラームーン!!」
「しっかりして」
亜美が声をかけるが、うさぎは苦悶の表情を浮かべたままだった。
「ネヘレニア、彼女に何をした?」
「ちょっと幻覚を見せただけで、このザマだ。」
「卑怯な手を使うな」と、まこと。
「みんな、セーラームーンに力を。私たちの力なら目覚めさせることができるかもしれない」
「セーラークリスタルパワー!!」
亜美たちはうさぎにすべての力を送った。
「う……」
「セーラームーン!」
「大丈夫か?」
うさぎがゆっくり目を開けると、見慣れた亜美たちの顔があった。
「みんなどうして? ネヘレニアに倒されたはずじゃ」
「幻覚を見せられていたんだ」とはるか。
「あたし達はなんともないわ。安心して」
「みんな、よかった」
ホッとしたうさぎの目から涙がこぼれた。
「あとは衛さんのゴールデンクリスタルだけだ」
「ええ」
うさぎは立ち上がり、銀水晶を掲げた。
「銀水晶お願い! ゴールデンクリスタルを解放して。どうかまもちゃんを目覚めさせて。お願い!!」
うさぎの祈りの力に銀水晶の力が合わさり、ゴールデンクリスタルが輝きを増す。
「バカな! こんなことが!!」
ネヘレニアの手元からゴールデンクリスタルが離れ、さらにまばゆい光を放った。
ゴールデンクリスタルが光を放ったその時、衛が目覚めた。クリスタルのおかげで復活できたのである。
「あたたかい光。まさか、うさなのか?」
衛は起き上がり、つぶやいた。
「プリンス!」
「エリオス、行ってくる」
エリオスはうなずいて衛を見送った。
衛は光に導かれるように、うさぎの元へテレポートした。
衛がたどり着いた先に、うさぎの姿があった。
「うさ!」
「まもちゃん!!」
うさぎが衛の元へ駆け寄ろうとしたその時、渾身の力をこめたネヘレニアの一撃がうさぎを襲った。
「わあーっ!!」
その攻撃により、うさぎは銀水晶を奪われてしまう。
「うさ!!」
衛が攻撃を受けたうさぎを抱きとめる。
「……まも…ちゃ……」
衛のほうへと伸ばされた手は、衛がつかむ前にストンと落ちた。
「うさ…! うさーっ!!」
「そんな…うさぎ! いやだよ。ねえ、目を開けて!!」
ちびうさが涙を流しながら叫んだ。
「銀水晶は私の手の中だ。さあどうする?」
「ネヘレニア!!」
「許さない!!」
亜美たちが次々にネヘレニアに技を繰り出す。 しかし、銀水晶を手にしたネヘレニアに対抗するすべはなかった。
「うさ、ちょっと待っていてくれ」
衛はうさぎをそっと寝かせると、ゴールデンクリスタルを取り出した。
「どうするつもりだ?」
「我がゴールデンクリスタルよ、その力を解放し、銀水晶をセーラームーンの元へ」
衛のもつゴールデンクリスタルが輝き、ネヘレニアのもつ銀水晶へ向けられた。
銀水晶がゴールデンクリスタルに呼応するように輝きを放つ。
「なに!?」
ネヘレニアは銀水晶をつかもうとするが さらにまばゆい光に抗えず、目を閉じた。
その隙に衛は銀水晶をうさぎのもとへ戻した。
うさぎを抱き起こすが、うさぎの目は閉じられたままだった。
「頼む。戻ってきてくれ。うさ!」
うさぎは暗闇の中をさまよっていた。
「みんな、まもちゃん、どこなの?」
そこに一筋の光が差し込んだ。
「あたたかい光」
うさぎは思わず手を伸ばした。
衛の腕の中のうさぎがわずかに身じろいだ。
「うさ!?」
ゆっくり目を開けるうさぎ。
「まもちゃん……」
「うさ!!」
衛はうさぎを力強く抱きしめた。
亜美たちもホッとした表情で、うさぎを見つめた。
「あたし、確かネヘレニアに攻撃されて。まもちゃんが助けてくれたのね。ありがとう」
「俺のほうこそ。うさが導いてくれたから、ここに来られたんだ」
衛は彼女にゴールデンクリスタルの力を注いだ。ネヘレニアと戦えるようにするためであった。
「あたたかい。力がわいてくる」
「これで大丈夫だろう」
「ありがとう」
「おまえたち、よくも!」
「ネヘレニア、これが最後の戦いよ! ムーン・エターナル・メイクアップ!!」
うさぎはエターナルセーラームーンへと姿を変えた。
「我がゴールデンクリスタルよ、エターナルセーラームーンに力を!」
衛のゴールデンクリスタルがうさぎのエターナルティアルに力を与えた。
亜美たちも次々に、エターナルティアルに力を与えていく。
「スターライト・ハネムーン・セラピーキッス!!」
「ぎゃあああーっ!!」
うさぎの技により、ネヘレニアは消滅した。
戦いを終えたうさぎたちの元へエリオスがやってきた。
「プリンセスのおかげで、ゴールデンクリスタルが解放されたのですね」
「ありがとう。エリオス」と、お礼を言う衛。
「エリオス、また会えるよね?」
「もちろんだよ」
エリオスはちびうさにそう答えると、立ち去っていった。
「さよなら。エリオス」
見送るちびうさの頬を涙が伝い落ちた。
「ちびうさ」
衛がちびうさの肩に手を置いた。
「きっとまた会えるわ」
「うん」
「うさ、すまない。 こんな時に……。今の俺は足手まといでしかないな」
「そんなことないよ。まもちゃん、あたしが必ずあなたを直してみせる。だからそばにいさせてね」
「うさ」
「あたしの夢はね、みんなが幸せに暮らせるようにこの星を守っていくことなの。まもちゃんと2人で」
「俺の夢も、この星を守っていくことだよ。うさと一緒に」
「うれしい!」
「いつだって俺たちの夢はひとつだ」
その時、ちびうさがうさぎと衛のところにやってきた。
「うさぎ!」
「ちびうさ」
「どうしたの?」
「突然、ブラックホールが出現して。町が大変なことになってる!」
「なんですって?」
「これもネヘレニアのしわざか」
「ちびうさ、行こう」
「うん」
「まもちゃん、行ってくるね」
「ああ。気をつけろよ」
「うん」
うさぎとちびうさは戦いへと赴いた。
突然発生したブラックホールを止めるため、変身したうさぎたちはセーラーテレポートで その源へと向かった。
ブラックホールを作り出していたのはエリオスだったのだ。
「やめて!エリオス。お願い!!」
ちびうさの叫びも届かず、攻撃をするエリオス。
「きゃあ!」
「ちびムーン!」
うさぎが駆け寄った。
「ついにここまできたか」
「ネヘレニア、エリオスにいったい何をしたの?」と、うさぎ。
「何もしてはいない」
「エリオスはこんなことしない。あんたが何かしたに決まってるでしょ!」
ちびうさが叫ぶ。
「エリオスは人々の夢を美しい夢に変えてきた。悪夢もすべてな。その悪夢が蓄積された結果がこれだ」
「そんな……」
容赦なく攻撃を続けるエリオスに、対抗するはるかとみちる。
「ワールド・シェイキング!!」
「ディープ・サブマージ!!」
はるかとみちるの技もきかず、逆にエリオスにはねかえされてしまう。
「歯が立たないか」
「やめろ! エリオス」
そこへ、タキシード仮面となった衛がやってきた。
「プリンス!」
「まもちゃん!」
「胸騒ぎを感じたので、来てみたんだ」
エリオスを救うため、衛は彼の前に立ちはだかる。
「まもちゃん、やめて!!」
うさぎが止めるのも聞かず、衛はエリオスの攻撃を受け続けた。
エリオスの何度目かの攻撃に衛がよろめく。
「まもちゃん!!」
「エリオス、頼む。元に戻ってくれ」
衛は変わり果てたエリオスを抱きしめた。 彼の攻撃をすべて受け止めるために。
「…プリンス……」
エリオスが正気を取り戻し、衛に声をかけた。
「バカな」
ネヘレニアが驚きの声をあげた。
「エリオス……! 無事でよかった……」
衛はそう言うと、その場に倒れた。
「プリンス!」
「まもちゃん、まもちゃん!」
うさぎが衛を抱き起こす。
「うさ……」
衛は弱々しく微笑む。
「死なないで! 死んじゃいやだよ。まもちゃん!!」
「大丈夫。たとえ俺がいなくなっても、エリオスさえ元に戻れば この星は守っていける」
「まもちゃんがいなくちゃ、意味ないよ。2人で一緒にこの星を守っていこうって約束したじゃない」
「うさ、いつだって俺たちの夢はひとつだ」
そう言い残して、衛は息をひきとった。
「まもちゃん……。いやあーーっ!!」
うさぎの叫びがこだました。
「プリンス、申し訳ありません! 私なんかのために」
エリオスが悔しそうに唇をかみしめた。
衛が息をひきとった後、彼の中にひめられていたゴールデンクリスタルが発動した。
「この光はまさか、ゴールデンクリスタル!」
エリオスが叫ぶ。
「まもちゃんの中にずっと眠っていたっていうの? あたしに力をそそいでくれていたのは、きっとこの光だったんだね」
うさぎがゴールデンクリスタルを手にしようとしたその時、いち早くネヘレニアがそれを奪った。
「ついに手に入れたぞ!」
勝ち誇ったようにネヘレニアが言う。
「返して!」
うさぎは戦闘態勢に入った。
レムレスが周りに集まってくる。
「ムーン・ゴージャス・メディテーション!!」
うさぎの技がレムレスを蹴散らした。
さらにジルコニアが攻撃を仕掛けてくる。
「セーラームーン、ここは私たちにまかせて。早くゴールデンクリスタルを」
「わかったわ。お願いね」
うさぎは単身 ネヘレニアのもとに向かった。
亜美たちはそれぞれの技でジルコニアを撃退する。
「セーラームーンのところへ急ぎましょう」
ネヘレニアは幻覚攻撃でうさぎを苦しめる。
亜美たちが倒れた幻覚を見せられ、うさぎは戦意を喪失してしまう。
「みんながいたから、これまで戦ってこられたのに」
うさぎの隙をつき、ネヘレニアが攻撃を繰り出した。
攻撃を受け、倒れてしまううさぎ。
「もう戦えない。まもちゃんやみんながいない世界に、あたしだけ生きていても意味ないよ」
うさぎは悲しみの中で目を閉じた。
「ネヘレニア!!」
はるかが叫ぶ。
亜美たちがようやく追いつき、うさぎとネヘレニアの元へたどり着いた。
「セーラームーン!!」
「しっかりして」
亜美が声をかけるが、うさぎは苦悶の表情を浮かべたままだった。
「ネヘレニア、彼女に何をした?」
「ちょっと幻覚を見せただけで、このザマだ。」
「卑怯な手を使うな」と、まこと。
「みんな、セーラームーンに力を。私たちの力なら目覚めさせることができるかもしれない」
「セーラークリスタルパワー!!」
亜美たちはうさぎにすべての力を送った。
「う……」
「セーラームーン!」
「大丈夫か?」
うさぎがゆっくり目を開けると、見慣れた亜美たちの顔があった。
「みんなどうして? ネヘレニアに倒されたはずじゃ」
「幻覚を見せられていたんだ」とはるか。
「あたし達はなんともないわ。安心して」
「みんな、よかった」
ホッとしたうさぎの目から涙がこぼれた。
「あとは衛さんのゴールデンクリスタルだけだ」
「ええ」
うさぎは立ち上がり、銀水晶を掲げた。
「銀水晶お願い! ゴールデンクリスタルを解放して。どうかまもちゃんを目覚めさせて。お願い!!」
うさぎの祈りの力に銀水晶の力が合わさり、ゴールデンクリスタルが輝きを増す。
「バカな! こんなことが!!」
ネヘレニアの手元からゴールデンクリスタルが離れ、さらにまばゆい光を放った。
ゴールデンクリスタルが光を放ったその時、衛が目覚めた。クリスタルのおかげで復活できたのである。
「あたたかい光。まさか、うさなのか?」
衛は起き上がり、つぶやいた。
「プリンス!」
「エリオス、行ってくる」
エリオスはうなずいて衛を見送った。
衛は光に導かれるように、うさぎの元へテレポートした。
衛がたどり着いた先に、うさぎの姿があった。
「うさ!」
「まもちゃん!!」
うさぎが衛の元へ駆け寄ろうとしたその時、渾身の力をこめたネヘレニアの一撃がうさぎを襲った。
「わあーっ!!」
その攻撃により、うさぎは銀水晶を奪われてしまう。
「うさ!!」
衛が攻撃を受けたうさぎを抱きとめる。
「……まも…ちゃ……」
衛のほうへと伸ばされた手は、衛がつかむ前にストンと落ちた。
「うさ…! うさーっ!!」
「そんな…うさぎ! いやだよ。ねえ、目を開けて!!」
ちびうさが涙を流しながら叫んだ。
「銀水晶は私の手の中だ。さあどうする?」
「ネヘレニア!!」
「許さない!!」
亜美たちが次々にネヘレニアに技を繰り出す。 しかし、銀水晶を手にしたネヘレニアに対抗するすべはなかった。
「うさ、ちょっと待っていてくれ」
衛はうさぎをそっと寝かせると、ゴールデンクリスタルを取り出した。
「どうするつもりだ?」
「我がゴールデンクリスタルよ、その力を解放し、銀水晶をセーラームーンの元へ」
衛のもつゴールデンクリスタルが輝き、ネヘレニアのもつ銀水晶へ向けられた。
銀水晶がゴールデンクリスタルに呼応するように輝きを放つ。
「なに!?」
ネヘレニアは銀水晶をつかもうとするが さらにまばゆい光に抗えず、目を閉じた。
その隙に衛は銀水晶をうさぎのもとへ戻した。
うさぎを抱き起こすが、うさぎの目は閉じられたままだった。
「頼む。戻ってきてくれ。うさ!」
うさぎは暗闇の中をさまよっていた。
「みんな、まもちゃん、どこなの?」
そこに一筋の光が差し込んだ。
「あたたかい光」
うさぎは思わず手を伸ばした。
衛の腕の中のうさぎがわずかに身じろいだ。
「うさ!?」
ゆっくり目を開けるうさぎ。
「まもちゃん……」
「うさ!!」
衛はうさぎを力強く抱きしめた。
亜美たちもホッとした表情で、うさぎを見つめた。
「あたし、確かネヘレニアに攻撃されて。まもちゃんが助けてくれたのね。ありがとう」
「俺のほうこそ。うさが導いてくれたから、ここに来られたんだ」
衛は彼女にゴールデンクリスタルの力を注いだ。ネヘレニアと戦えるようにするためであった。
「あたたかい。力がわいてくる」
「これで大丈夫だろう」
「ありがとう」
「おまえたち、よくも!」
「ネヘレニア、これが最後の戦いよ! ムーン・エターナル・メイクアップ!!」
うさぎはエターナルセーラームーンへと姿を変えた。
「我がゴールデンクリスタルよ、エターナルセーラームーンに力を!」
衛のゴールデンクリスタルがうさぎのエターナルティアルに力を与えた。
亜美たちも次々に、エターナルティアルに力を与えていく。
「スターライト・ハネムーン・セラピーキッス!!」
「ぎゃあああーっ!!」
うさぎの技により、ネヘレニアは消滅した。
戦いを終えたうさぎたちの元へエリオスがやってきた。
「プリンセスのおかげで、ゴールデンクリスタルが解放されたのですね」
「ありがとう。エリオス」と、お礼を言う衛。
「エリオス、また会えるよね?」
「もちろんだよ」
エリオスはちびうさにそう答えると、立ち去っていった。
「さよなら。エリオス」
見送るちびうさの頬を涙が伝い落ちた。
「ちびうさ」
衛がちびうさの肩に手を置いた。
「きっとまた会えるわ」
「うん」
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