短編
しっかりと完結されておらず中途半端な感じ。
パラレル。詳細は解説にて
第一章 導かれる偶然
少女は目を伏せながら“それ”に従って歩いた。
ザックスはソルジャーである。俺の目の前にはむさい男がたくさんいる。汗臭い臭いに金属が重なりいやな音をたてている。
ため息をしながらダウンタウンにいる柔らかくて甘い匂いのする女の子を頭上で浮かべる。もちろんそんなのんびりできるわけがない。
「ザーックス!!何度言えばわかるんだ!!」
ソルジャー1stレオナルド、レオは俺に苦手な向きで剣を振るった。
レオはかなりの美形だがそれは男としての美形である。つまりは男がそれをみても何も反応しないのだ。悲しいことにこの男だらけの訓練所には癒しがいなかった。
「わかってるよ!わかってるつもり!ついってやつ?」
「お前がソルジャー1stなんて、まだ早いんじゃないか?ほら、またここが弱いぞ」
「わかった!けどなーモンスターはそんなに頭よくねぇからいいんだよ!」
「馬鹿。人間って時もあるだろうが」
このお人好しはそんな話をすると俺以上に甘くなる。そこをうまく剣を振り上げ一気に力をこめる。レオは眉に皺をつくり、俺を呆れた目で見る。
「俺もまだまだってか……、ザックス。何がいい」
まってました。いつものである。
「俺は今日餃子定食だ。レオくん、胃薬貰えるぞ」
「いらんわ。そうか、あそこか。まぁまぁだが値段はあまり食わないか…」
いつもの事がおわり、この臭いところから鉄くさい場所へ向かった。
「相変わらずお前って酒弱いよな。なんで飲むんだよ」
「うるさい、今度は飲めると思っただけだ」
といってこのくだりは数えきれないほどしている。ひっ、とレオは悲鳴をあげながら飲んでいく。
「嘘つけ、お前そう言いながら酒好きなくせに。あああ、言わんこっちゃないし」
トイレにレオを投げ飛ばし店から出ていった。もちろん金をレオにつけるためである。
癒しを求めスラム街を歩いているといつの間にか街から離れていた。自分も酔っていたか、とレオの方へ戻ろうとするとき、ふわ、と不思議な香りがした。
振り替えると小さい何かが見えた。
俺の目は癒された。
ガチガチなむさいゴリラではなく、金のさらさらとしたウサギを見たようだった。
(めちゃくちゃ美人じゃんか……。)
華奢な体に少し癖のある金髪。天然の蒼の瞳。いままでこんな少女を見たことがあるだろうか。
少女はそのきれいな瞳を閉じ、そのまま去っていった。
そのとき、俺以外にも数人のソルジャーがいた。
あれから俺は彼女を見ただけなのにペラペラとその瞬間を話した。
するとどうだろうか、他のソルジャーも彼女を見たと話していた。一般兵はそれにとても深く頷き、目を輝かせていた。
金髪の美少女は一般兵は見れていないようだった。俺たちソルジャーはあれから実は数回か見たことがあるのだ。偶然だろうと思っていた、しかしそれは導かれる偶然であった。
第二章 C細胞
めんどくさいことにこのクソジジイはスラム街を探索したいようだった。時々ペッと何かを吐き出す。余計腹が立った。
護衛を俺に任せ、他のソルジャーを追い出した。彼が言うには俺だけで十分ということらしいが大人数でいくのがめんどうなだけにみえる。ぶった切ってやりたいところだ。
「セフィロスは例の子を知っているかね」
眼鏡の位置を整え眉の皺を器用に動かす。目を剃らしながら否定をした。
「しらんのか。まぁいい。他のソルジャー達はよくみるようだ。金髪女らしいが」
宝条の考えはよくわからなかった。俺は今とても帰りたい。英雄だとしても、スラムでは憎しみの目で見てくる輩は多い。自分はソルジャーだとしても“人間”でありあまり好みはしない。金髪女だがなんだか知らないがこいつの護衛をさっさと終わらせたい一心である。
「スラムにはソルジャーがたびたび女や裏商売の武器めあてにこっちにくるようだ。そこで女をよく見かけるらしい」
「その女に何かあるとは思えんが」
「科学者の勘だ」
よろしくない勘である。科学者というより悪魔だ。
宝条の目がひかり、ぶつぶつと何かをいい始める。
「ソルジャーだけが見かける…もしかすると魔晄に影響があるのか…もしくは……」
ちら、と俺を見た宝条は首を横に振った。そこで宝条は正面ではなく斜めで止めた。視線をたどった時、ふわふわとした金が人混みから見えた。
まだ様子見だと宝条は俺を見ながら言った。どうやら気がつきたくなかったが何かを企んでいるようだった。
あれから俺は金色の髪の毛を忘れることは出来なかった。なにかに呼ばれるような感覚が続き、引き寄せられるような気持ちになるのだ。
何度か気がつくとスラムへ行っていた。そしてまた、ここに来ていたのだ。
どうやら自分は偶然見かけるというよりもソルジャーの持っている性質がそれに反応していると考えている。
宝条の企みはこのことかとあいつの気持ちが悪い顔が浮かぶ。
通りすがりにソルジャーの頬が赤いのが見えた。耳のいいのをいいことに会話を聞くと、
「さっき金髪の美少女に会っちまったよ…」
「へぇ、めずらしい。お前って可愛い子みつけるとすぐ襲うくせに」
「そうなんだよな…よくわからないけど、手を出せないんだ」
「すげーなその子」
それを聞いた俺の体は早かった。ソルジャーが目を見開いてこちらを見ているがそんなもの無視してさきほど歩いていたソルジャーの道を辿る。
そこで引き寄せられる感覚がだんだんと強くなるのを感じた。ようやく、と不思議な鼓動をならし、どんどん彼女に近づいていく。
彼女は小柄だった。ずっと服を握りしめていたのだろう白のワンピースに皺がついていた。少しその白い額には汗が垂れている。
「………、」
少女は首を振り、苦しそうに俺を見た。それはどこか怯えているような目だった。
「お前は誰だ」
「………クラウド」
クラウドはふらふらとしながら俺を睨み付ける。顔は真っ青になり、唇は紫にまで変色している。
「あんた……なんなんだ……あんたに…何がいる?」
その言葉の意味を問う前に彼女は倒れた。
パラレル。詳細は解説にて
第一章 導かれる偶然
少女は目を伏せながら“それ”に従って歩いた。
ザックスはソルジャーである。俺の目の前にはむさい男がたくさんいる。汗臭い臭いに金属が重なりいやな音をたてている。
ため息をしながらダウンタウンにいる柔らかくて甘い匂いのする女の子を頭上で浮かべる。もちろんそんなのんびりできるわけがない。
「ザーックス!!何度言えばわかるんだ!!」
ソルジャー1stレオナルド、レオは俺に苦手な向きで剣を振るった。
レオはかなりの美形だがそれは男としての美形である。つまりは男がそれをみても何も反応しないのだ。悲しいことにこの男だらけの訓練所には癒しがいなかった。
「わかってるよ!わかってるつもり!ついってやつ?」
「お前がソルジャー1stなんて、まだ早いんじゃないか?ほら、またここが弱いぞ」
「わかった!けどなーモンスターはそんなに頭よくねぇからいいんだよ!」
「馬鹿。人間って時もあるだろうが」
このお人好しはそんな話をすると俺以上に甘くなる。そこをうまく剣を振り上げ一気に力をこめる。レオは眉に皺をつくり、俺を呆れた目で見る。
「俺もまだまだってか……、ザックス。何がいい」
まってました。いつものである。
「俺は今日餃子定食だ。レオくん、胃薬貰えるぞ」
「いらんわ。そうか、あそこか。まぁまぁだが値段はあまり食わないか…」
いつもの事がおわり、この臭いところから鉄くさい場所へ向かった。
「相変わらずお前って酒弱いよな。なんで飲むんだよ」
「うるさい、今度は飲めると思っただけだ」
といってこのくだりは数えきれないほどしている。ひっ、とレオは悲鳴をあげながら飲んでいく。
「嘘つけ、お前そう言いながら酒好きなくせに。あああ、言わんこっちゃないし」
トイレにレオを投げ飛ばし店から出ていった。もちろん金をレオにつけるためである。
癒しを求めスラム街を歩いているといつの間にか街から離れていた。自分も酔っていたか、とレオの方へ戻ろうとするとき、ふわ、と不思議な香りがした。
振り替えると小さい何かが見えた。
俺の目は癒された。
ガチガチなむさいゴリラではなく、金のさらさらとしたウサギを見たようだった。
(めちゃくちゃ美人じゃんか……。)
華奢な体に少し癖のある金髪。天然の蒼の瞳。いままでこんな少女を見たことがあるだろうか。
少女はそのきれいな瞳を閉じ、そのまま去っていった。
そのとき、俺以外にも数人のソルジャーがいた。
あれから俺は彼女を見ただけなのにペラペラとその瞬間を話した。
するとどうだろうか、他のソルジャーも彼女を見たと話していた。一般兵はそれにとても深く頷き、目を輝かせていた。
金髪の美少女は一般兵は見れていないようだった。俺たちソルジャーはあれから実は数回か見たことがあるのだ。偶然だろうと思っていた、しかしそれは導かれる偶然であった。
第二章 C細胞
めんどくさいことにこのクソジジイはスラム街を探索したいようだった。時々ペッと何かを吐き出す。余計腹が立った。
護衛を俺に任せ、他のソルジャーを追い出した。彼が言うには俺だけで十分ということらしいが大人数でいくのがめんどうなだけにみえる。ぶった切ってやりたいところだ。
「セフィロスは例の子を知っているかね」
眼鏡の位置を整え眉の皺を器用に動かす。目を剃らしながら否定をした。
「しらんのか。まぁいい。他のソルジャー達はよくみるようだ。金髪女らしいが」
宝条の考えはよくわからなかった。俺は今とても帰りたい。英雄だとしても、スラムでは憎しみの目で見てくる輩は多い。自分はソルジャーだとしても“人間”でありあまり好みはしない。金髪女だがなんだか知らないがこいつの護衛をさっさと終わらせたい一心である。
「スラムにはソルジャーがたびたび女や裏商売の武器めあてにこっちにくるようだ。そこで女をよく見かけるらしい」
「その女に何かあるとは思えんが」
「科学者の勘だ」
よろしくない勘である。科学者というより悪魔だ。
宝条の目がひかり、ぶつぶつと何かをいい始める。
「ソルジャーだけが見かける…もしかすると魔晄に影響があるのか…もしくは……」
ちら、と俺を見た宝条は首を横に振った。そこで宝条は正面ではなく斜めで止めた。視線をたどった時、ふわふわとした金が人混みから見えた。
まだ様子見だと宝条は俺を見ながら言った。どうやら気がつきたくなかったが何かを企んでいるようだった。
あれから俺は金色の髪の毛を忘れることは出来なかった。なにかに呼ばれるような感覚が続き、引き寄せられるような気持ちになるのだ。
何度か気がつくとスラムへ行っていた。そしてまた、ここに来ていたのだ。
どうやら自分は偶然見かけるというよりもソルジャーの持っている性質がそれに反応していると考えている。
宝条の企みはこのことかとあいつの気持ちが悪い顔が浮かぶ。
通りすがりにソルジャーの頬が赤いのが見えた。耳のいいのをいいことに会話を聞くと、
「さっき金髪の美少女に会っちまったよ…」
「へぇ、めずらしい。お前って可愛い子みつけるとすぐ襲うくせに」
「そうなんだよな…よくわからないけど、手を出せないんだ」
「すげーなその子」
それを聞いた俺の体は早かった。ソルジャーが目を見開いてこちらを見ているがそんなもの無視してさきほど歩いていたソルジャーの道を辿る。
そこで引き寄せられる感覚がだんだんと強くなるのを感じた。ようやく、と不思議な鼓動をならし、どんどん彼女に近づいていく。
彼女は小柄だった。ずっと服を握りしめていたのだろう白のワンピースに皺がついていた。少しその白い額には汗が垂れている。
「………、」
少女は首を振り、苦しそうに俺を見た。それはどこか怯えているような目だった。
「お前は誰だ」
「………クラウド」
クラウドはふらふらとしながら俺を睨み付ける。顔は真っ青になり、唇は紫にまで変色している。
「あんた……なんなんだ……あんたに…何がいる?」
その言葉の意味を問う前に彼女は倒れた。
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