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第1話『星を見付けた日』

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 賊の討伐は問題なく終わり、火の付いた建物の消火も街の人々の手によって滞りなく遂げられた。

 怪我人は多く出たものの、この襲撃での死者は僅かに数える程であり。
 建造物への損害も、火が放たれてしまったにしてはまだ軽く済んだ方でもあって。
 対応が後手に回ったにしては、総じて被害が少なく済んだと言える。

 怪我人の手当てなどを一通り済ませた後に、街の人々に確認してみたものの、ルフレの事を知っている人は一人も居なかった。
 ルフレは少なくともこの街やその近隣の村や街の住人ではなさそうである。
 ならば何故あんな場所に倒れていたのだろうか?
 益々その謎は深まったが、行く宛も寄る辺も無いルフレをこのまま街に置いていく訳にはいかず、そして何よりもルフレがクロムから離れたがらなかった。
 まるで拾い主から離れたがらない捨て猫の様なその様子に、クロムはルフレを自警団に迎え入れる事に決める。


「なあ、ルフレ。
 記憶が戻るまでの間でも構わない。
 俺達と一緒に来ないか?
 お前のその力、是非とも俺達に貸して欲しいんだ」

「あたしで良いの?
 クロムがそう望むなら、勿論!」


 パアッと顔を輝かせて、クロムのその申し出にルフレは喜んで頷くのであった。





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