第3話『星の川を渡りて』
◇◇◇◇
無事、統一フェリア王となったフラヴィアにより、イーリスとフェリアの同盟は結ばれた。
フェリアの方でも屍兵はかなりの問題になっているそうで、軍による対処は出来ているもののあまり無視は出来ない損害が出ているのだそうだ。
何故屍兵が現れる様になったのか、フェリアでもその原因を探っているらしいが、今のところ何の手懸かりも無いらしく。
ペレジアによる呪術なのではとも囁かれているらしいが、そのペレジアでもかなり屍兵の被害が出ているそうなので少なくともペレジアと言う国自体が原因と言う訳でも無さそうだ、ともフラヴィアは述べた。
原因が掴めない以上屍兵の出現を止める事は今のところは出来ないのであろうが、現れた屍兵が民に被害を与える前に討伐する事ならば出来る。
屍兵は基本的にある程度以上の集団を形成して現れるが、別段彼等の間に何かしらの連携がある訳でもなく、群れと言うよりはただ単に同じ場所に居るだけの様で。
そして、知能らしいものも窺えず、手にした武器を扱う事は出来るもののそれ以上は無く、命ある者に襲い掛かりはするもののそれは本能的なものの様だ。
何にせよ、フェリア軍の兵を借り受ける事が出来たので、これでイーリス国内の屍兵の被害も抑えられるだろう。
更には、最近キナ臭くなってきているペレジアの事に関しても協力すると確約して貰えた。
これに関しては、西の王バジーリオからも諸手を挙げての賛同を得ており、その要因として闘技大会でクロム達が見事な武勇を示したからだと言うのだから、“戦士の国”の名はやはり伊達ではない。
首尾は上々であり、クロムは与えられた役目を無事に果たす事が出来たのである。
だが結局、マルスの正体は分からずじまいであった。
闘技大会を終えた直後には、西の王であるバジーリオに負けた事を詫びて去ってしまったのだとか。
元々、流れの剣士としてフェリアにやって来ていたマルスが、本来西側の代表者予定だった剣士をあっさり倒してしまったので、その腕を見込んで代表者としてバジーリオ直々にスカウトしたらしい。
しかし、バジーリオにもその素性は分からなかったそうだ。
マルスには訊ねたい事が色々とあったものの、もう何処に居るのかも分からない相手を探して回る余裕は無く。
それに、また何時か何処かで会える様な気もするのだ。
だから、クロムは次に出会った時には今度こそちゃんと訊ねようと心に決めた。
同盟に関する諸々の調整が終わり、大会後も一週間程滞在する事になった東のフェリア城へと別れを告げて。
西の王であるバジーリオの命令で自警団と行動を共にする事になった剣士ロンクーを新たに加えて、クロム達はイーリスへと帰還したのであった。
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無事、統一フェリア王となったフラヴィアにより、イーリスとフェリアの同盟は結ばれた。
フェリアの方でも屍兵はかなりの問題になっているそうで、軍による対処は出来ているもののあまり無視は出来ない損害が出ているのだそうだ。
何故屍兵が現れる様になったのか、フェリアでもその原因を探っているらしいが、今のところ何の手懸かりも無いらしく。
ペレジアによる呪術なのではとも囁かれているらしいが、そのペレジアでもかなり屍兵の被害が出ているそうなので少なくともペレジアと言う国自体が原因と言う訳でも無さそうだ、ともフラヴィアは述べた。
原因が掴めない以上屍兵の出現を止める事は今のところは出来ないのであろうが、現れた屍兵が民に被害を与える前に討伐する事ならば出来る。
屍兵は基本的にある程度以上の集団を形成して現れるが、別段彼等の間に何かしらの連携がある訳でもなく、群れと言うよりはただ単に同じ場所に居るだけの様で。
そして、知能らしいものも窺えず、手にした武器を扱う事は出来るもののそれ以上は無く、命ある者に襲い掛かりはするもののそれは本能的なものの様だ。
何にせよ、フェリア軍の兵を借り受ける事が出来たので、これでイーリス国内の屍兵の被害も抑えられるだろう。
更には、最近キナ臭くなってきているペレジアの事に関しても協力すると確約して貰えた。
これに関しては、西の王バジーリオからも諸手を挙げての賛同を得ており、その要因として闘技大会でクロム達が見事な武勇を示したからだと言うのだから、“戦士の国”の名はやはり伊達ではない。
首尾は上々であり、クロムは与えられた役目を無事に果たす事が出来たのである。
だが結局、マルスの正体は分からずじまいであった。
闘技大会を終えた直後には、西の王であるバジーリオに負けた事を詫びて去ってしまったのだとか。
元々、流れの剣士としてフェリアにやって来ていたマルスが、本来西側の代表者予定だった剣士をあっさり倒してしまったので、その腕を見込んで代表者としてバジーリオ直々にスカウトしたらしい。
しかし、バジーリオにもその素性は分からなかったそうだ。
マルスには訊ねたい事が色々とあったものの、もう何処に居るのかも分からない相手を探して回る余裕は無く。
それに、また何時か何処かで会える様な気もするのだ。
だから、クロムは次に出会った時には今度こそちゃんと訊ねようと心に決めた。
同盟に関する諸々の調整が終わり、大会後も一週間程滞在する事になった東のフェリア城へと別れを告げて。
西の王であるバジーリオの命令で自警団と行動を共にする事になった剣士ロンクーを新たに加えて、クロム達はイーリスへと帰還したのであった。
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