このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

聖なる夜の子供達に

◇◇◇◇



 幾ら比較的穏やかな気候であるイーリスであっても、真冬の時期は雪が積もる程度の寒さには晒される。
 日暮れが早まり夜は長く。
 暖炉には絶えず火が点され、民の日々の食卓には保存の効く食材が多く並べられる。
 一年の大半が雪と氷に覆われるフェリアに比べればずっとマシではあるのだけれども。
 それでも冬は厳しい季節だ。
 そして、そんな季節であるからこそ。
 一年で最も夜が長い一週間程の期間を、『冬祭り』として人々は楽しんでいた。

 街中が色鮮やかに飾り付けられ、『冬祭り』の期間はその時期ならではの様々な料理が食卓に並ぶ。
 そんな中でも子供達の専らの関心の的は、冬至の夜に現れるとされる『サンタクロース』だ。
 赤衣を纏った彼は、子供達に贈り物をするとされている。
 そんな民間信仰とも言えるその存在は、随分と長い事……それこそ初代聖王の時代辺りから確認する事が出来るらしい。
 何にせよ、子供達にとっては『冬祭り』とは、素敵なプレゼントを貰える素敵な伝統行事なのであった。




◇◇◇◇
1/6ページ
スキ