流れ行く日々
◆◆◆◆◆
【2011/05/01】
マリーに頼まれ、ジュネスまでやって来た。
電化製品に馴染みが無いからか、家電売場の品々を大層興味深そうに見ている。
中でも、特にテレビに興味を示したらしい。
ジーっとテレビを眺めるマリーに欲しいのか訊いてみたくなった時、今日は非番だったらしい花村と偶々遊びに来ていたという里中さんが声を掛けてきた。
「あっれ、鳴上とマリーちゃんじゃん。
何々、テレビでも見に来たのか?」
「まあね。マリーが見たいらしいし」
「あー、あたしも買い替えまだだから欲しいんだよねー」
ウンウンと頷く里中さんにマリーは少し頬を赤くしてそっぽを向く。
「べっ、別に欲しくないよ!
欲しくないけど……。
……『野次馬ゲーノー速報』も見れるの?」
……それは要は欲しいって事なんじゃないだろうか。
と言うか、何だその番組。
「見れるとは思うけど……。
……そもそもあの部屋でテレビって使えるのか?」
そもそも、コンセントとかあるんだろうか?
ベルベットルームとは言っているが、あそこ車の中だし。
いっそテレビを付けるよりは、番組も見れるタイプのカーナビを買った方が早いんじゃないだろうか……。
「えっ、見れないの? 何で?
み……見たいなんて言ってないけど!
……どうやったら見れる?」
そもそもテレビの使い方を分かってないだろうマリーに、一から説明した。
するとそれを横で聞いていた花村と里中さんが驚いた様にマリーを見る。
「えっ、マリーちゃん家ってテレビ見ないの?」
驚いた様にそう訊ねる花村にマリーは頷く。
「見ないよ、部屋に無いもん」
「うっわ、テレビもダメだし、買い食いとかもダメって、マリーちゃん家相当キビシイ感じだね……。
うう……あたしなら耐えられない。
カンフー映画の無い生活なんて……!」
カンフー映画限定なのか……。
マリーはカンフー映画とやらが何なのか分からず少し首を傾げたが、ふと気が付いた様にこちらを見る。
「あ……、でもあの部屋“こんせんと”ないなー。
鼻に言わないと、“こんせんと”付けろって。
ヒマ過ぎだし、あの部屋……」
やはりコンセントは無いのか、あの部屋……。
いや、コンセントだけを付けても、電気が通ってないのならあまり意味は無いと思うのだけれど。
暇だ、と言うマリーの主張は分からないでも無いのだが……。
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【2011/05/01】
マリーに頼まれ、ジュネスまでやって来た。
電化製品に馴染みが無いからか、家電売場の品々を大層興味深そうに見ている。
中でも、特にテレビに興味を示したらしい。
ジーっとテレビを眺めるマリーに欲しいのか訊いてみたくなった時、今日は非番だったらしい花村と偶々遊びに来ていたという里中さんが声を掛けてきた。
「あっれ、鳴上とマリーちゃんじゃん。
何々、テレビでも見に来たのか?」
「まあね。マリーが見たいらしいし」
「あー、あたしも買い替えまだだから欲しいんだよねー」
ウンウンと頷く里中さんにマリーは少し頬を赤くしてそっぽを向く。
「べっ、別に欲しくないよ!
欲しくないけど……。
……『野次馬ゲーノー速報』も見れるの?」
……それは要は欲しいって事なんじゃないだろうか。
と言うか、何だその番組。
「見れるとは思うけど……。
……そもそもあの部屋でテレビって使えるのか?」
そもそも、コンセントとかあるんだろうか?
ベルベットルームとは言っているが、あそこ車の中だし。
いっそテレビを付けるよりは、番組も見れるタイプのカーナビを買った方が早いんじゃないだろうか……。
「えっ、見れないの? 何で?
み……見たいなんて言ってないけど!
……どうやったら見れる?」
そもそもテレビの使い方を分かってないだろうマリーに、一から説明した。
するとそれを横で聞いていた花村と里中さんが驚いた様にマリーを見る。
「えっ、マリーちゃん家ってテレビ見ないの?」
驚いた様にそう訊ねる花村にマリーは頷く。
「見ないよ、部屋に無いもん」
「うっわ、テレビもダメだし、買い食いとかもダメって、マリーちゃん家相当キビシイ感じだね……。
うう……あたしなら耐えられない。
カンフー映画の無い生活なんて……!」
カンフー映画限定なのか……。
マリーはカンフー映画とやらが何なのか分からず少し首を傾げたが、ふと気が付いた様にこちらを見る。
「あ……、でもあの部屋“こんせんと”ないなー。
鼻に言わないと、“こんせんと”付けろって。
ヒマ過ぎだし、あの部屋……」
やはりコンセントは無いのか、あの部屋……。
いや、コンセントだけを付けても、電気が通ってないのならあまり意味は無いと思うのだけれど。
暇だ、と言うマリーの主張は分からないでも無いのだが……。
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