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流れ行く日々

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【2011/04/26】


 一応諸岡先生に確認を取った所、バスケ部と演劇部の掛け持ちは可能だそうだ。
 部活動の日も、被ってない日もある事は確認済みだ。
 元々役者としての入部を希望してはいないので、そう熱心に活動に参加しなくともあまり目くじらを立てられはしないだろう。

 そんな気持ちで叩いた演劇部の扉だが、何故か今発声練習の真っ最中だ。
 窓の外は少しずつ暗くなってきている。
 ……困ったな。
 そう思いながらも、一対一で一生懸命指導してくれている先輩部員である同級生の小沢さんには文句は言い辛い。

 第一印象は、アットホームな部、だった。
 活動に関して言えば、相当緩い方だろう。
 小道具係りを希望すると、少し意外そうに見られてはいた。
 それでも良いとなった、なった……筈だったのだけれど……。
 その後、部長と副部長の二人が二人だけの世界(別名:リア充空間)へ行ってしまった為、同じ学年の小沢さんが部について説明してくれる事になった。
 小沢さんはどうやら部の中でも群を抜いて演技が上手い様だ。
 それは良い。
 それは良いのだが、何故「小道具係りでも多少の演技力は必要」という持論を展開され、否と言う前に発声練習をやらされているのだろう……。
 部長達は一瞬こちらに憐れむ様な視線を向けて先に帰ってしまった。
 ……見捨てられたのだろうか。
 いや、そんな風に考える様なものでもない、か……。
 少なくとも小沢さんは悪気は無い(寧ろ善意を込めている)のだろうし。

 その後、日が暮れ始めた処で漸く小沢さんの発声練習指導から解放された……。




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