魂の慟哭
◆◆◆◆
意識はゆっくりと浮上するが、完全に覚醒に至る前に何かの力で留め置かれたかの様に、その意識はぼんやりとしたままで、自分の身体である筈のそれは上手く動かせないまま。
そんな中で、邪竜の声だけが響く。
「少し、面白い趣向を思い付いてね。
あぁ……安心すると良い、僕は君の姿形を変えただけだ。
君の思考、君の『心』、君の『魂』……君の『根源』たるそれらは紛れもなく君自身のものさ。
それだけは、誓って真実であるとも。
さて……君の主義主張に則るのであれば、その『心』と『魂』は紛れもなく君自身のものである今の君は、『ヒト』に他ならない……と言う事になるけれども……。
果たして今の君が本当に正しく『ヒト』であるのと言えるのか……確かめて来ると良い」
そこで言葉を切った邪竜は、嗜虐的な昏い光にその瞳を紅く輝かせ、まるで三日月の様にその口元を歪に歪めた。
そして、再び身動き出来ぬままのルキナへとその手を翳す。
途端にルキナの身を包んだ余りに眩しい光に、未だ覚醒途中のルキナは思わずその目を閉ざす。
邪竜の嘲笑は次第に遠くなっていき、そして──
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意識はゆっくりと浮上するが、完全に覚醒に至る前に何かの力で留め置かれたかの様に、その意識はぼんやりとしたままで、自分の身体である筈のそれは上手く動かせないまま。
そんな中で、邪竜の声だけが響く。
「少し、面白い趣向を思い付いてね。
あぁ……安心すると良い、僕は君の姿形を変えただけだ。
君の思考、君の『心』、君の『魂』……君の『根源』たるそれらは紛れもなく君自身のものさ。
それだけは、誓って真実であるとも。
さて……君の主義主張に則るのであれば、その『心』と『魂』は紛れもなく君自身のものである今の君は、『ヒト』に他ならない……と言う事になるけれども……。
果たして今の君が本当に正しく『ヒト』であるのと言えるのか……確かめて来ると良い」
そこで言葉を切った邪竜は、嗜虐的な昏い光にその瞳を紅く輝かせ、まるで三日月の様にその口元を歪に歪めた。
そして、再び身動き出来ぬままのルキナへとその手を翳す。
途端にルキナの身を包んだ余りに眩しい光に、未だ覚醒途中のルキナは思わずその目を閉ざす。
邪竜の嘲笑は次第に遠くなっていき、そして──
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