千夜一夜のアルファルド
◇◇◇◇◇
ギムレーから謎の花束を渡されてから、ギムレーがルキナの元に訪れる際に何かを手渡してくる事がある様になった。
それは毎回ではないのだけれども、それでも決してただの気紛れとは言えない回数で。
所謂、“贈り物”に該当するのだろう。
が、その意図が分からないルキナには困惑する事しか出来ない。
ギムレーの感性が、ルキナや普通の人間の感性とは異なるモノである事は理解していた。
ルキナ達が心地よく感じるモノは、ギムレーにとっては何の代わり映えもしないものである事が殆どで。
それらを不快にこそ感じずとも、ギムレーはまるで独りだけ色の無い世界に生きているかの様ですらあって。
恐らくは、ルキナに贈ってきた数々のモノは、ギムレー自身には何の価値もないものなのだろう。
とは言っても、貰ったモノを捨てるなんて事も出来なくて、何だかんだと手元に置いているのだけれども。
だからこそ、何故そんなモノを態々贈ってくるのかが分からない。
ギムレーが持ってくるものは、何れもルキナが自分の過去を話した時に出てきたものであったり、或いはルキナが“面白い”と答えた“物語”に因んだものであった。
そして、何かを渡す度にルキナの反応を観察する様にじっと見詰めては、ギムレーは何も言わずに去っていくのだ。
それに何の意味があるのか、何を意図しているのか、ルキナにはさっぱり分からないが……。
“対話”を通して多少なりともギムレーを理解出来つつある様にルキナは思っていたのだが、こう言った行動の理由が全く理解出来ない事からその自信も揺らぎつつあった。
しかし、理解は出来ないながらも、決してその行為に嫌悪を抱いている訳ではない。
ただただ“何故?”と感じ、同時にその心を知りたいとも思う。
ギムレーがその様な変化を見せている事が、果たして“良い先触れ”であるのかはルキナには分からないが……。
それが、良き変化である事を願うばかりだ。
そして今夜もまた、二人の“賭け”は続くのであった。
◆◆◆◆◆◆
ギムレーから謎の花束を渡されてから、ギムレーがルキナの元に訪れる際に何かを手渡してくる事がある様になった。
それは毎回ではないのだけれども、それでも決してただの気紛れとは言えない回数で。
所謂、“贈り物”に該当するのだろう。
が、その意図が分からないルキナには困惑する事しか出来ない。
ギムレーの感性が、ルキナや普通の人間の感性とは異なるモノである事は理解していた。
ルキナ達が心地よく感じるモノは、ギムレーにとっては何の代わり映えもしないものである事が殆どで。
それらを不快にこそ感じずとも、ギムレーはまるで独りだけ色の無い世界に生きているかの様ですらあって。
恐らくは、ルキナに贈ってきた数々のモノは、ギムレー自身には何の価値もないものなのだろう。
とは言っても、貰ったモノを捨てるなんて事も出来なくて、何だかんだと手元に置いているのだけれども。
だからこそ、何故そんなモノを態々贈ってくるのかが分からない。
ギムレーが持ってくるものは、何れもルキナが自分の過去を話した時に出てきたものであったり、或いはルキナが“面白い”と答えた“物語”に因んだものであった。
そして、何かを渡す度にルキナの反応を観察する様にじっと見詰めては、ギムレーは何も言わずに去っていくのだ。
それに何の意味があるのか、何を意図しているのか、ルキナにはさっぱり分からないが……。
“対話”を通して多少なりともギムレーを理解出来つつある様にルキナは思っていたのだが、こう言った行動の理由が全く理解出来ない事からその自信も揺らぎつつあった。
しかし、理解は出来ないながらも、決してその行為に嫌悪を抱いている訳ではない。
ただただ“何故?”と感じ、同時にその心を知りたいとも思う。
ギムレーがその様な変化を見せている事が、果たして“良い先触れ”であるのかはルキナには分からないが……。
それが、良き変化である事を願うばかりだ。
そして今夜もまた、二人の“賭け”は続くのであった。
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