何時かきっと、星空の下で
◇◇◇◇◇
父が戦いに赴いた先で何者かに殺され、そしてそれと前後する様に……伝承の中の存在であった筈の、千年前に初代聖王によって討たれた筈の『邪竜ギムレー』がこの世に再び姿を現して、世界は急速に崩壊を始めていた。
空は何時も分厚い雲に覆われて不気味な茜色に染まり、地は蠢く屍達によって蹂躙され汚されていく……。
邪竜ギムレーが蘇ってから、人々は「死」と言う安息すら容易には得る事が叶わず、荼毘に付されなければ、魂を邪竜に縛られ屍兵として永遠に彷徨う事になる。
草木は次々と枯れ落ち、僅かに光が射し込む場所で細々とその枝葉を広げるがその僅かな実りは飢えた人々によって食い荒らされ新たな実りには結び付かない。
故に食料は枯渇し、誰もが餓えて野鼠や虫に至るまで口にしようとするが、そうして喰われる側の生き物たちも食料が無い為その数を減らす一方で、負の連鎖が続く。
場合によっては飢え死んだ同胞を喰って凌ごうとする者も居る程だが、痩せ衰えた人肉などその栄養は乏しい。
無数に現れ地を穢す屍兵達に襲われ、飢えと渇きの中で斃れ、或いは人間同士での醜い争いの中で命を落とす。
「死」がまた新たな「死」を呼び、誰もその連鎖を止める事は出来ず、「死」だけが際限なく膨れ上がっていく。
芽吹いた命は無惨にも踏み荒らされ貪り食われ、後に残るのはただただ悲嘆と絶望と諦念のみ。
今日を凌ぐ為の糧にすら困窮し、食い扶持を減らす為の子減らし姥捨ても珍しくは無く、明日への「希望」など何処にも無い日々。怨嗟と慟哭ばかりが響く世で人々の祈りが神に届く事は無く、世の終焉だけが其処に在る。
それは「生き地獄」と呼ぶにも生温い、絶望の奈落の底の世界であった。死して尚も逃れ得ぬ無明の末世の果てだ。
……そんな世界の中で、この世に唯一残された「希望」。
それは、この世で唯一『邪竜ギムレー』を討ち得る神竜の牙。数千年の歴史の中でも幾多の竜殺しの伝説を残してきた唯一無二の神器──神剣ファルシオン。
そして……それを手にする資格ある者として「神剣に選ばれた」先代聖王クロムの遺児……ルキナ王女。
父亡き今となっては、ファルシオンを振るう事が出来る存在はルキナしか居なかった。
その『使命』は誰にも代替する事が出来ず、……ルキナが命を落とした時点で全ての『可能性』が潰えるのだ。
「代わり」が存在しないと言う事は、酷く恐ろしい。
食料事情も劣悪で、医療も崩壊している為疫病が猛威を奮い、そして屍兵ばかりがこの世に増え満ちて行く。
こんな世界では、『ギムレー』に対峙するしない以前に何を切っ掛けに命を落としても可笑しくないのに。
しかし、ルキナにその様な『死』は赦されていない。
『ギムレー』との戦いの……その中で訪れる『死』だけが、私にとって辛うじて赦された『死』だった。
『死』だけが無限に連鎖するこの世界で、『死』すら赦されない……少なくともそれを受け入れる事を自分が背負う「全て」が赦さない事は、想像以上の重圧をルキナへと与え、その心を擦り減らしていた。
生き残る為に、自分以外の全てを犠牲にしなければならない。
つい先程まで共に戦い同じ釜の飯を食べた戦友に、『死』が不可避である撤退戦の殿を命じなくてはならないし。
餓え渇き餓死する寸前の民の姿を目にしながらも、白湯と見紛う程に薄い粥を啜らなくてはならない。
ルキナは、自分以外の人々の手で「生かされて」いるのだ。
他の多くを犠牲にして。そして、だからこそ。
その『対価』を、誰もが無意識に、或いはハッキリと言葉にして要求してくるのであった。
『世界を救ってくれ』
『邪竜ギムレーを討ち滅ぼしてくれ』
『私たちを救ってくれ』
……誰も彼もがルキナを『最後の希望』だと言う。
そこに「期待」し、それを当然の「対価」とする。
無数の「祈り」が、「願い」が、ただ一人に向けられる。
……神竜ナーガは、人々の祈りに応えない。
『神竜の巫女』や、或いは『竜』の血を継ぐ者達を介して言葉を届ける事はあっても。現実的に何かしらの直接的な干渉をする訳ではない。……正確には、出来ない。
彼の神竜が人の世に大きく干渉出来るのは、『覚醒の儀』を通してのみで……証を示さなければそれすら叶わない。
僅かなその存在の残り香とも言える気配で、辛うじてその加護が厚い土地への邪竜の侵攻を抑えてはいるが、それとて……もうそう長くは持たないのだろう。
人々が生きていける場所は、日々狭まってゆく一方で。
神竜の領域とも言える筈の『虹の降る山』にすら、屍兵は姿を現しそこを少しずつ穢してゆくのだ……。
一年後、二年後……果たしてこの世に、人々は生き残っているのだろうか。命はまだ残されているのだろうか?
明日の事など考えている余裕も何も無い状況でも、ルキナはふとそんな事を考えてしまう。そして……。
一か月後ですら、人々が存在するこの世が続いている想像が全く付かない事に愕然とするのだ。
一か月処か……もし邪竜が何かの気紛れを起こして直接襲撃して来たならば、どんなに防備を固めた城塞都市であろうと一瞬で灰すら残らぬ焦土に変わる。
既に幾つもの都市がそうやって邪竜の炎の中で溶け去ったのだ。「次」が何時来ても、そしてそれが何処であっても何も可笑しくはない。もし万が一にもイーリス王都が邪竜の襲撃に遭えば……その時点で全てが終わる。
滅び行きつつあるこの世界で、人々にとっての最後の拠り処であり人々が「文明的」な生活を営む為の拠点である王都が陥落……或いは消滅すれば。「最後の希望」の象徴の消滅以上に人々に与える影響は大き過ぎる。
もし万が一にもそんな事になれば、人類は生存者の半数以上を一度に喪うばかりか、備蓄食料などの様々な物資の大半を喪う事になる。
既に様々な物資が慢性的に枯渇している状況でそうなればどうなってしまうのかなど火を見るよりも明らかで。
しかし、邪竜の襲撃は最も警戒し避けねばならぬ事ではあるが、邪竜が「その気」になった時点でそれを防ぐ術などない。
ただただ、邪竜がその様な「気紛れ」を起こさない様にと、神竜に……或いは邪竜に、祈る事しか出来ない。
……「気紛れ」。そう、結局、この世界の全てが邪竜の「気紛れ」によるものでしかないのだ。
人々が絶望と飢餓に苦しみながらもまだ辛うじて生きていけるのは、邪竜がまだ「本気」で人類を根絶させようとはしていないからでしかない。全てが邪竜のその掌の上にある。
……唯一邪竜に対抗出来る「筈」である神竜は人の世への直接的な干渉は出来ず、代わりに人の身で神竜の力を揮う事が出来る筈の……神剣に選ばれた者であるルキナはと言うと、その力を得る為に必要な『覚醒の儀』を執り行う事すら出来ていない。
『儀式』に挑む為の「証」たる『炎の紋章』が、この手に存在しないからだ。
かつての動乱の中で失われた『炎の台座』と五つの『宝玉』の行方は未だ誰も掴めず。それを探している間にも、刻一刻とこの世の終焉は近付いてゆく。
この世に滅びを蔓延らせたその根源たる邪竜は、遥かなる高みから人々が絶望しながらも必死に足掻き生きるその姿を嘲笑いながら見下しているのだろうか……?
自分がその気になれば一瞬で掻き消える「最後の希望」に縋り続け絶望の中に死ぬ人々の姿は、邪竜にとっては最上の娯楽なのだろうか……?
……どうであるにせよ、ルキナがやらねばならぬ事は変わらなかった。邪竜を討つ、世界を救う。
それが、己の成すべき全てなのだから。……だけれども。
多大な犠牲を払いながらも、何とか『炎の台座』と四つの『宝玉』を取り戻す事が出来た。
しかし、最後の一つの『宝玉』……最も早い段階でほぼ全ての文献からその行方の手掛かりが喪われてしまった『黒炎』だけは、取り戻す事が叶わなかった。
そもそも『黒炎』の行方が途絶えたのは数百年も前の事で……例え『宝玉』が神竜より与えられた神宝であるのだとしても、本当にこの世にまだ現存しているのかすら定かではないのである。だが、宝玉の揃わぬ『炎の紋章』では『覚醒の儀』を行う事は叶わず、このままではファルシオンに力を取り戻す事も出来ない。何処に存在するかも分からぬ『黒炎』を求めて、また宛も無い『宝玉』探索の為に人員を割くべきなのか、そもそも現時点で自分たちにその様な余力は残っているのか……その難しい判断を迫られる事になった。
不完全な『炎の紋章』でも何らかの力を神竜から借り受けられるのではないかと言う意見や、完全な『炎の紋章』でなくては無意味だとする意見が真っ向からぶつかり合って、その収拾は中々付きそうにも無い。
もう既に「人類」の側は限界が近いのだ。このままでは全員が何も出来ないまま総倒れになってしまう。
しかしだからと言って闇雲に不完全な『覚醒の儀』を敢行しても、事態が好転するのかは分からない。
……だが、ルキナが決断に迷っていたその間に。
恐れていた決定的な「破滅」が、襲来したのだ。
◇◇◇◇◇
父が戦いに赴いた先で何者かに殺され、そしてそれと前後する様に……伝承の中の存在であった筈の、千年前に初代聖王によって討たれた筈の『邪竜ギムレー』がこの世に再び姿を現して、世界は急速に崩壊を始めていた。
空は何時も分厚い雲に覆われて不気味な茜色に染まり、地は蠢く屍達によって蹂躙され汚されていく……。
邪竜ギムレーが蘇ってから、人々は「死」と言う安息すら容易には得る事が叶わず、荼毘に付されなければ、魂を邪竜に縛られ屍兵として永遠に彷徨う事になる。
草木は次々と枯れ落ち、僅かに光が射し込む場所で細々とその枝葉を広げるがその僅かな実りは飢えた人々によって食い荒らされ新たな実りには結び付かない。
故に食料は枯渇し、誰もが餓えて野鼠や虫に至るまで口にしようとするが、そうして喰われる側の生き物たちも食料が無い為その数を減らす一方で、負の連鎖が続く。
場合によっては飢え死んだ同胞を喰って凌ごうとする者も居る程だが、痩せ衰えた人肉などその栄養は乏しい。
無数に現れ地を穢す屍兵達に襲われ、飢えと渇きの中で斃れ、或いは人間同士での醜い争いの中で命を落とす。
「死」がまた新たな「死」を呼び、誰もその連鎖を止める事は出来ず、「死」だけが際限なく膨れ上がっていく。
芽吹いた命は無惨にも踏み荒らされ貪り食われ、後に残るのはただただ悲嘆と絶望と諦念のみ。
今日を凌ぐ為の糧にすら困窮し、食い扶持を減らす為の子減らし姥捨ても珍しくは無く、明日への「希望」など何処にも無い日々。怨嗟と慟哭ばかりが響く世で人々の祈りが神に届く事は無く、世の終焉だけが其処に在る。
それは「生き地獄」と呼ぶにも生温い、絶望の奈落の底の世界であった。死して尚も逃れ得ぬ無明の末世の果てだ。
……そんな世界の中で、この世に唯一残された「希望」。
それは、この世で唯一『邪竜ギムレー』を討ち得る神竜の牙。数千年の歴史の中でも幾多の竜殺しの伝説を残してきた唯一無二の神器──神剣ファルシオン。
そして……それを手にする資格ある者として「神剣に選ばれた」先代聖王クロムの遺児……ルキナ王女。
父亡き今となっては、ファルシオンを振るう事が出来る存在はルキナしか居なかった。
その『使命』は誰にも代替する事が出来ず、……ルキナが命を落とした時点で全ての『可能性』が潰えるのだ。
「代わり」が存在しないと言う事は、酷く恐ろしい。
食料事情も劣悪で、医療も崩壊している為疫病が猛威を奮い、そして屍兵ばかりがこの世に増え満ちて行く。
こんな世界では、『ギムレー』に対峙するしない以前に何を切っ掛けに命を落としても可笑しくないのに。
しかし、ルキナにその様な『死』は赦されていない。
『ギムレー』との戦いの……その中で訪れる『死』だけが、私にとって辛うじて赦された『死』だった。
『死』だけが無限に連鎖するこの世界で、『死』すら赦されない……少なくともそれを受け入れる事を自分が背負う「全て」が赦さない事は、想像以上の重圧をルキナへと与え、その心を擦り減らしていた。
生き残る為に、自分以外の全てを犠牲にしなければならない。
つい先程まで共に戦い同じ釜の飯を食べた戦友に、『死』が不可避である撤退戦の殿を命じなくてはならないし。
餓え渇き餓死する寸前の民の姿を目にしながらも、白湯と見紛う程に薄い粥を啜らなくてはならない。
ルキナは、自分以外の人々の手で「生かされて」いるのだ。
他の多くを犠牲にして。そして、だからこそ。
その『対価』を、誰もが無意識に、或いはハッキリと言葉にして要求してくるのであった。
『世界を救ってくれ』
『邪竜ギムレーを討ち滅ぼしてくれ』
『私たちを救ってくれ』
……誰も彼もがルキナを『最後の希望』だと言う。
そこに「期待」し、それを当然の「対価」とする。
無数の「祈り」が、「願い」が、ただ一人に向けられる。
……神竜ナーガは、人々の祈りに応えない。
『神竜の巫女』や、或いは『竜』の血を継ぐ者達を介して言葉を届ける事はあっても。現実的に何かしらの直接的な干渉をする訳ではない。……正確には、出来ない。
彼の神竜が人の世に大きく干渉出来るのは、『覚醒の儀』を通してのみで……証を示さなければそれすら叶わない。
僅かなその存在の残り香とも言える気配で、辛うじてその加護が厚い土地への邪竜の侵攻を抑えてはいるが、それとて……もうそう長くは持たないのだろう。
人々が生きていける場所は、日々狭まってゆく一方で。
神竜の領域とも言える筈の『虹の降る山』にすら、屍兵は姿を現しそこを少しずつ穢してゆくのだ……。
一年後、二年後……果たしてこの世に、人々は生き残っているのだろうか。命はまだ残されているのだろうか?
明日の事など考えている余裕も何も無い状況でも、ルキナはふとそんな事を考えてしまう。そして……。
一か月後ですら、人々が存在するこの世が続いている想像が全く付かない事に愕然とするのだ。
一か月処か……もし邪竜が何かの気紛れを起こして直接襲撃して来たならば、どんなに防備を固めた城塞都市であろうと一瞬で灰すら残らぬ焦土に変わる。
既に幾つもの都市がそうやって邪竜の炎の中で溶け去ったのだ。「次」が何時来ても、そしてそれが何処であっても何も可笑しくはない。もし万が一にもイーリス王都が邪竜の襲撃に遭えば……その時点で全てが終わる。
滅び行きつつあるこの世界で、人々にとっての最後の拠り処であり人々が「文明的」な生活を営む為の拠点である王都が陥落……或いは消滅すれば。「最後の希望」の象徴の消滅以上に人々に与える影響は大き過ぎる。
もし万が一にもそんな事になれば、人類は生存者の半数以上を一度に喪うばかりか、備蓄食料などの様々な物資の大半を喪う事になる。
既に様々な物資が慢性的に枯渇している状況でそうなればどうなってしまうのかなど火を見るよりも明らかで。
しかし、邪竜の襲撃は最も警戒し避けねばならぬ事ではあるが、邪竜が「その気」になった時点でそれを防ぐ術などない。
ただただ、邪竜がその様な「気紛れ」を起こさない様にと、神竜に……或いは邪竜に、祈る事しか出来ない。
……「気紛れ」。そう、結局、この世界の全てが邪竜の「気紛れ」によるものでしかないのだ。
人々が絶望と飢餓に苦しみながらもまだ辛うじて生きていけるのは、邪竜がまだ「本気」で人類を根絶させようとはしていないからでしかない。全てが邪竜のその掌の上にある。
……唯一邪竜に対抗出来る「筈」である神竜は人の世への直接的な干渉は出来ず、代わりに人の身で神竜の力を揮う事が出来る筈の……神剣に選ばれた者であるルキナはと言うと、その力を得る為に必要な『覚醒の儀』を執り行う事すら出来ていない。
『儀式』に挑む為の「証」たる『炎の紋章』が、この手に存在しないからだ。
かつての動乱の中で失われた『炎の台座』と五つの『宝玉』の行方は未だ誰も掴めず。それを探している間にも、刻一刻とこの世の終焉は近付いてゆく。
この世に滅びを蔓延らせたその根源たる邪竜は、遥かなる高みから人々が絶望しながらも必死に足掻き生きるその姿を嘲笑いながら見下しているのだろうか……?
自分がその気になれば一瞬で掻き消える「最後の希望」に縋り続け絶望の中に死ぬ人々の姿は、邪竜にとっては最上の娯楽なのだろうか……?
……どうであるにせよ、ルキナがやらねばならぬ事は変わらなかった。邪竜を討つ、世界を救う。
それが、己の成すべき全てなのだから。……だけれども。
多大な犠牲を払いながらも、何とか『炎の台座』と四つの『宝玉』を取り戻す事が出来た。
しかし、最後の一つの『宝玉』……最も早い段階でほぼ全ての文献からその行方の手掛かりが喪われてしまった『黒炎』だけは、取り戻す事が叶わなかった。
そもそも『黒炎』の行方が途絶えたのは数百年も前の事で……例え『宝玉』が神竜より与えられた神宝であるのだとしても、本当にこの世にまだ現存しているのかすら定かではないのである。だが、宝玉の揃わぬ『炎の紋章』では『覚醒の儀』を行う事は叶わず、このままではファルシオンに力を取り戻す事も出来ない。何処に存在するかも分からぬ『黒炎』を求めて、また宛も無い『宝玉』探索の為に人員を割くべきなのか、そもそも現時点で自分たちにその様な余力は残っているのか……その難しい判断を迫られる事になった。
不完全な『炎の紋章』でも何らかの力を神竜から借り受けられるのではないかと言う意見や、完全な『炎の紋章』でなくては無意味だとする意見が真っ向からぶつかり合って、その収拾は中々付きそうにも無い。
もう既に「人類」の側は限界が近いのだ。このままでは全員が何も出来ないまま総倒れになってしまう。
しかしだからと言って闇雲に不完全な『覚醒の儀』を敢行しても、事態が好転するのかは分からない。
……だが、ルキナが決断に迷っていたその間に。
恐れていた決定的な「破滅」が、襲来したのだ。
◇◇◇◇◇