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何時かの未来から、明日の君へ

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 あの日以来、ルキナは『幽霊さん』の姿が見えなくなった。
 声を掛けても全く何の返事も聞こえないし。
 呼び掛けても、そこに居るのかすら分からなくて。
 だけれども、今でも月の初めや何かお祝い事がある時には。
 ルキナの部屋の窓辺の小さな花瓶には、何時の間にか差出人不明の小さな花束が欠かさず活けられているのだ。
 それを、ルキナは何時も幸せな眼差しで見詰めている。

 ルキナの誕生日から少しして、ルフレさんとルキナお姉さまとの間に小さな女の子が生まれた。
『マーク』と名付けられたその子を、ルキナは妹の様に可愛がって、色々とお世話をしていた。
 今はまだ言葉も覚束無い程に幼いマークだけれど、そう遠くない内に沢山お話出来る様になる。
 その時には、ルキナのとっておきの。
『不思議なお友だち』の話を、してあげようと思うのだ。

 その日を心待ちにしながら、ルキナは窓辺の花束に微笑みかけるのであった。




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