望月に仰ぐ白虹
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二年に近い時の隔たりを感じさせない程に、皆がルフレへと向ける態度は何一つ変わりなかった。
その事に感謝しつつも、皆に揉みくちゃにされた上に幾人かにはどつかれた事については、一言二言申し上げたくはなるが。
顔付きなどに二年の時の流れを感じさせる仲間達の顔を思い起こしながら、ルフレは苦笑を浮かべる。
細やかなれど賑やかな宴が終わると、ルフレは有無を言う暇すら無く、嘗て使用していた王城の一室へと放り込まれた。
どうやら、また勝手にフラリと消えるのではないかと危惧されているらしい。
そんな事は無いのだが…………しかしそう思わせてしまう行動を自分は取ったのだから、ルフレはその扱いも甘んじて受け入れる事にする。
二年もの月日が経っていると言うのに、部屋はルフレが使っていた時の状態そのままで。
マメに掃除がなされていた事を示す様に、床や調度品は疎か、あちこちに積まれた本には一つの埃も落ちてはいなかった。
ルフレは何時か帰ってくるのだと、クロム達が強く信じ続けていたからこそ、この部屋はそのままの状態に保たれていたのだろう。
そんな気遣いに感謝の念を抱きながら、何時もの様に椅子に座って書類を確認していると。
「あの、ルフレさんはまだ起きてますか?」
扉を控え目に叩く音と、何処か遠慮する様なルキナの声が聞こえた。
ルフレが席を立って扉を開けた其処に居たのは、やはりルキナである。
「こんな時間にどうしたんだい?」
ルキナはルフレの恋人であるのだから、部屋を訪れる事に別段問題は無い。
だがこんな夜も更けゆく時間に、しかも何処か遠慮する様にしている理由は一体何なのだろうか。
ルフレはルキナを部屋へと通し、取り敢えず椅子に座るようにと勧めた。
それに素直に従ったルキナは、ルフレと向かい合う様に座る。
何時もルフレを真っ直ぐ見詰めてくる強い意志を秘めたその眼差しは、何故か今は何処か不安そうに揺れていた。
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二年に近い時の隔たりを感じさせない程に、皆がルフレへと向ける態度は何一つ変わりなかった。
その事に感謝しつつも、皆に揉みくちゃにされた上に幾人かにはどつかれた事については、一言二言申し上げたくはなるが。
顔付きなどに二年の時の流れを感じさせる仲間達の顔を思い起こしながら、ルフレは苦笑を浮かべる。
細やかなれど賑やかな宴が終わると、ルフレは有無を言う暇すら無く、嘗て使用していた王城の一室へと放り込まれた。
どうやら、また勝手にフラリと消えるのではないかと危惧されているらしい。
そんな事は無いのだが…………しかしそう思わせてしまう行動を自分は取ったのだから、ルフレはその扱いも甘んじて受け入れる事にする。
二年もの月日が経っていると言うのに、部屋はルフレが使っていた時の状態そのままで。
マメに掃除がなされていた事を示す様に、床や調度品は疎か、あちこちに積まれた本には一つの埃も落ちてはいなかった。
ルフレは何時か帰ってくるのだと、クロム達が強く信じ続けていたからこそ、この部屋はそのままの状態に保たれていたのだろう。
そんな気遣いに感謝の念を抱きながら、何時もの様に椅子に座って書類を確認していると。
「あの、ルフレさんはまだ起きてますか?」
扉を控え目に叩く音と、何処か遠慮する様なルキナの声が聞こえた。
ルフレが席を立って扉を開けた其処に居たのは、やはりルキナである。
「こんな時間にどうしたんだい?」
ルキナはルフレの恋人であるのだから、部屋を訪れる事に別段問題は無い。
だがこんな夜も更けゆく時間に、しかも何処か遠慮する様にしている理由は一体何なのだろうか。
ルフレはルキナを部屋へと通し、取り敢えず椅子に座るようにと勧めた。
それに素直に従ったルキナは、ルフレと向かい合う様に座る。
何時もルフレを真っ直ぐ見詰めてくる強い意志を秘めたその眼差しは、何故か今は何処か不安そうに揺れていた。
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