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現の狭間、悪夢の終わり

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 ルキナの姿が光の中へと消えると共に、彼女を捕らえていたこの闇がひび割れ、急速に消滅していく。
 それを見届けた僕は、安堵から溜め息を溢した。

 程無くして、僕もこの闇と共に消えるのだろう。

 避け得ぬ絶対の自身の消滅を前にして……。
 僕はこの上無く満ち足りていた。

 瞼を閉じれば、大きく成長したルキナの姿が彩鮮やかに目に浮かぶ。
 力強く未来へと駆け出していったその姿が、焼き付いている。

 僕は、あの子の未来を、守れたのだ。

 それ以上に価値がある事など、あるだろうか。

 何もかもを喪い壊してしまった僕でも、ルキナの未来を守り繋ぐ事が出来たのだ。
 これ以上に嬉しい事はなく、そこに後悔も未練も一片足りとも存在しない。


 願わくは、彼女が目指すその未来に、希望の光が輝き続けるよう。

 薄れ行く闇の中、僕は祈った。





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