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終電を逃した。
休日を前に片付けなければならない仕事が山積みで自宅に向かう終電と引き換えに月曜の自分がこなせるだろう量までなんとか減らした。
ここからタクシーで帰るか、漫喫の古びたソファーの上で一晩過ごすか…
「あたたかい布団で寝たい…」
ダメ元で彼女にLINEを送る。
自宅より比較的近い所にある彼女の家までなら歩いていける。
なによりも癒されたい。
ポコン、と軽快な音で彼女から返信が返ってくる。
『お疲れ様、起きてるよ。お家来て下さい』
『ご飯はいりますか?』
「ありがとう、お願いします」
了解!と敬礼するペンギンのスタンプ。
嗚呼、これだけで癒される。
合鍵を使って彼女の自宅へと入れば嬉しそうに出迎えてくれる可愛い彼女。
「独歩くんおかえりなさい!」
「た、ただいま…」
抱きついてきた彼女からは甘いシャンプーの香りがして、どきりとする。
「どーぞ、いらっしゃい」
腕を引かれてリビングへと通される。
女の子の部屋らしい香りにそわつきながらソファーに座る。
「あ、これお土産。お前が好きなプリン」
どこにでも売っているなめらかなタイプのプリンが彼女は好きだ。
それが入ったコンビニ袋を差し出せば、大きな瞳をキラキラと輝かせる彼女。
「いいの?」
「嗚呼、」
やったぁと小さく呟く彼女はまるで子供みたいで思わず吹き出してしまった。
「あ、笑った〜!そういう人にはプリンあげません」
「いいよ、全部お前にやる」
お前の欲しがるものは全部与えてやる。
「なぁに?真剣な顔して〜」
そう言ってはにかむお前が望む事はなんだって叶えてやりたいと思う位にはお前の事が好きで好きで堪らないのだ。
それを表現する方法を知っていてもなんだか小っ恥ずかしくて出来ない俺は、いつもみたく下手くそな笑顔を作って誤魔化すしかないのだ。
「別に、なんでもない」