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窓を打つ雨の音
車の排気ガス
フロアに響き渡る内線
三コール以内
積み上げられた資料の山
見えないブルーライトの影響に怯えて
強すぎる冷房に指先が冷たくなっていく。
気圧の低下で痛む頭
人工的な光、音、全てが忌々しい。
薬を飲まないと。
ランチタイムを指す時計
ランチに行く時間はなさそうだ。
行けたとしても食欲はない。
ゼリー飲料を流し込んで栄養をチャージ
空腹時より幾分かマシだろうとそのまま薬を流し込んでパソコンに向きなおる。
体調が優れなくても仕事は山積みだ。
「ハーブ大丈夫?」
「え?」
ランチタイムで人も疎らなフロア。
私に声を掛けてきたのは観音坂先輩だった。
「これ、良かったら…」
手渡されたのはカップに入ったお茶。
受け取ったカップの温かさに冷えきった指先がじんわりと温まる。
「ハーブティーなんだけど、」
「ありがとうございます」
「味が苦手なら匂い嗅ぐだけでもスッキリするから…」
「美味しいです」
「そう、良かった。」
安心したようにふにゃりと笑う先輩。
いつもは課長にドヤされていたり、ブツブツと何かを言っているイメージが強いけれど、
先輩はとても優しくて面倒見が良い。
ミスをした際に取引先や課長に一緒に謝りに行ってもらったりフォローして貰った後輩も少なくはない。
「観音坂先輩ってすごく周りを見てくれてますよね」
「え?」
「アドバイスもフォローして下さいますし、こうやって不調にまで気付いてくれます。」
「でも、自分の事は後回しにしがち。優しいですね。あんまり優しくされるとみんな勘違いしちゃいますよ」
キョトンとした先輩の目を見て冗談ぽく笑ってみせる。
一瞬目を逸らされて、瞬きをひとつ。
先輩の喉がごくりと上下して言葉を紡ぐ。
「じゃあさ、君に勘違いされたくて優しくしてたって言ったら引く?」
熱を孕んだ先輩の目に射抜かれた。
先輩は至って真面目な表情で耳まで赤くなっていた。
予想打にしない言葉に心臓が高鳴って身体が急に熱くなる。
静かなフロアに2人の心音だけがやけに大きく聴こえた気がした。
車の排気ガス
フロアに響き渡る内線
三コール以内
積み上げられた資料の山
見えないブルーライトの影響に怯えて
強すぎる冷房に指先が冷たくなっていく。
気圧の低下で痛む頭
人工的な光、音、全てが忌々しい。
薬を飲まないと。
ランチタイムを指す時計
ランチに行く時間はなさそうだ。
行けたとしても食欲はない。
ゼリー飲料を流し込んで栄養をチャージ
空腹時より幾分かマシだろうとそのまま薬を流し込んでパソコンに向きなおる。
体調が優れなくても仕事は山積みだ。
「ハーブ大丈夫?」
「え?」
ランチタイムで人も疎らなフロア。
私に声を掛けてきたのは観音坂先輩だった。
「これ、良かったら…」
手渡されたのはカップに入ったお茶。
受け取ったカップの温かさに冷えきった指先がじんわりと温まる。
「ハーブティーなんだけど、」
「ありがとうございます」
「味が苦手なら匂い嗅ぐだけでもスッキリするから…」
「美味しいです」
「そう、良かった。」
安心したようにふにゃりと笑う先輩。
いつもは課長にドヤされていたり、ブツブツと何かを言っているイメージが強いけれど、
先輩はとても優しくて面倒見が良い。
ミスをした際に取引先や課長に一緒に謝りに行ってもらったりフォローして貰った後輩も少なくはない。
「観音坂先輩ってすごく周りを見てくれてますよね」
「え?」
「アドバイスもフォローして下さいますし、こうやって不調にまで気付いてくれます。」
「でも、自分の事は後回しにしがち。優しいですね。あんまり優しくされるとみんな勘違いしちゃいますよ」
キョトンとした先輩の目を見て冗談ぽく笑ってみせる。
一瞬目を逸らされて、瞬きをひとつ。
先輩の喉がごくりと上下して言葉を紡ぐ。
「じゃあさ、君に勘違いされたくて優しくしてたって言ったら引く?」
熱を孕んだ先輩の目に射抜かれた。
先輩は至って真面目な表情で耳まで赤くなっていた。
予想打にしない言葉に心臓が高鳴って身体が急に熱くなる。
静かなフロアに2人の心音だけがやけに大きく聴こえた気がした。