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「さぁ、目を閉じて」
彼の声に私は素直に目を閉じる。
「今から小生が十数えます。十数え終えて目を開けた時、貴女は小生の事が好きで好きで堪らなくなってしまいます」
「はい、わかりました」
思わず笑いを零した私に、これは真面目な催眠術ですよと彼がぴしゃりと言ってのける。
それがまた面白くて「ごめんなさい」と言いながら笑ってしまった。
ひとつ、溜め息を吐いた彼は真面目な声で真面目な催眠術とやらの準備に取り掛かる。
「それではいきますよ、いーち、にーい、さーん…、」
心地いい彼の声に耳をすませる。
しーい、
風に揺らめく木々の音。
ごーお、
縁側では小鳥が鳴いている。
ろーく、
規則正しい時計の秒針が時間の経過を告げて、
なーな、
遠くで聞こえる子供達の笑い声。
はーち、
彼の指先が手の甲に触れて、
きゅーう、
温かな指先が私の右手を包み込む。
「じゅう」
カウントが終わり、そっと目を開ける。
「どうですか?」
そう問いかけた彼の瞳には好奇心の色が滲み出している。
「はい、好きで好きで堪りませんよ」
私の答えが可笑しくて思わず2人でその場で笑い転げた。
「もう既に好きなんですからこの催眠術は意味がないですよ」
私が言うと「永遠に好きになってしまう術をかけるべきでした」と悔しがる彼。
「もう掛かっているって言ったらどうします?」
悪戯っぽく笑ってみせれば驚いて目をまあるくした彼がすぐに優しく笑って言った。
「奇遇ですね、小生も既に掛かっているようです」
不意に触れた手がとても愛おしくて、何が可笑しいのか分からなくなるくらい、畳の上で腹を抱えて2人はただ笑った。
彼の声に私は素直に目を閉じる。
「今から小生が十数えます。十数え終えて目を開けた時、貴女は小生の事が好きで好きで堪らなくなってしまいます」
「はい、わかりました」
思わず笑いを零した私に、これは真面目な催眠術ですよと彼がぴしゃりと言ってのける。
それがまた面白くて「ごめんなさい」と言いながら笑ってしまった。
ひとつ、溜め息を吐いた彼は真面目な声で真面目な催眠術とやらの準備に取り掛かる。
「それではいきますよ、いーち、にーい、さーん…、」
心地いい彼の声に耳をすませる。
しーい、
風に揺らめく木々の音。
ごーお、
縁側では小鳥が鳴いている。
ろーく、
規則正しい時計の秒針が時間の経過を告げて、
なーな、
遠くで聞こえる子供達の笑い声。
はーち、
彼の指先が手の甲に触れて、
きゅーう、
温かな指先が私の右手を包み込む。
「じゅう」
カウントが終わり、そっと目を開ける。
「どうですか?」
そう問いかけた彼の瞳には好奇心の色が滲み出している。
「はい、好きで好きで堪りませんよ」
私の答えが可笑しくて思わず2人でその場で笑い転げた。
「もう既に好きなんですからこの催眠術は意味がないですよ」
私が言うと「永遠に好きになってしまう術をかけるべきでした」と悔しがる彼。
「もう掛かっているって言ったらどうします?」
悪戯っぽく笑ってみせれば驚いて目をまあるくした彼がすぐに優しく笑って言った。
「奇遇ですね、小生も既に掛かっているようです」
不意に触れた手がとても愛おしくて、何が可笑しいのか分からなくなるくらい、畳の上で腹を抱えて2人はただ笑った。