🎲
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
最寄り駅改札を抜ければ居酒屋やホストクラブのキャッチだらけだ。
上手いことキャッチの嵐をすり抜けて自宅を目指す。
「おねーさん、今暇?」
「暇じゃないです」
「えー、」
「着いてこないでよ」
煙草の匂いを纏った野良猫はへらりと笑って私の睨みなんて怖くもない、そういう素振りを見せる。
「帝統、付いてこないでってば!」
「なんか予定でもあんのかよ、あ!男か!?」
早足で歩く私の横をぴたりと付いて離れない有栖川帝統はギャンブラーらしくいつも勘が鋭い。
「てか今日スゲーお洒落してんじゃん、やっぱ彼氏か!」
「彼氏じゃないけど!…デート、ドタキャンされた」
「マジ…!?」
渋々口を開けば勘が当たったのが嬉しいのか、彼の眼はギラギラと輝いている。
その眼にドキリとした自分と慰めもしない変人ギャンブラーに腹が立って革製のバッグで彼を思いっきり叩く。
「マ!!ジ!!嗚呼!もー虚しくなってきた!!帝統やっぱご飯行くよ!」
「よっしゃ!そう来ねぇと!」
嬉しそうに私の横を歩く大きな野良猫を連れて、選んだのは近所のラーメン屋。
「折角めかし込んでんのにラーメン屋でいいのかよ」
「だってその格好じゃドレスコード引っかかるでしょ」
美味しそうにラーメンを啜る彼の頭の先から爪先までをジーっと見詰める。
初めて会った時から彼は薄汚れた野良猫みたいな姿をしていた。
『一晩でいいから泊めてくれ』
数ヶ月前の雨の日にそう言って私の目の前に現れた野良猫は懐いてしまったのか、それから時々ふらりと私の目の前に姿を現わすのだ。
一体どうやって生きているのだろうか。
きっと私みたいに寝床や食事を与える一晩の恋人が沢山いるのだろう。
人懐こい癖にキチンと一線を引いて踏み込んでこない彼はやはり猫みたいなヤツだ。
「俺、意外とマナーいい方だぜ?」
こっちの気なんて知りもせず目の前の野良猫は綺麗な箸づかいで最後の一つの餃子をぽいっと口に放り込んだ。
「今度大勝ちしたらいい店連れて行ってやるよ!」
いつも泊めてくれるお礼にな!なんて無邪気に笑う歳下のギャンブラーが憎たらしくてその鼻をぎゅっと摘んでやった。
「あんま期待しないで待ってるわ」
上手いことキャッチの嵐をすり抜けて自宅を目指す。
「おねーさん、今暇?」
「暇じゃないです」
「えー、」
「着いてこないでよ」
煙草の匂いを纏った野良猫はへらりと笑って私の睨みなんて怖くもない、そういう素振りを見せる。
「帝統、付いてこないでってば!」
「なんか予定でもあんのかよ、あ!男か!?」
早足で歩く私の横をぴたりと付いて離れない有栖川帝統はギャンブラーらしくいつも勘が鋭い。
「てか今日スゲーお洒落してんじゃん、やっぱ彼氏か!」
「彼氏じゃないけど!…デート、ドタキャンされた」
「マジ…!?」
渋々口を開けば勘が当たったのが嬉しいのか、彼の眼はギラギラと輝いている。
その眼にドキリとした自分と慰めもしない変人ギャンブラーに腹が立って革製のバッグで彼を思いっきり叩く。
「マ!!ジ!!嗚呼!もー虚しくなってきた!!帝統やっぱご飯行くよ!」
「よっしゃ!そう来ねぇと!」
嬉しそうに私の横を歩く大きな野良猫を連れて、選んだのは近所のラーメン屋。
「折角めかし込んでんのにラーメン屋でいいのかよ」
「だってその格好じゃドレスコード引っかかるでしょ」
美味しそうにラーメンを啜る彼の頭の先から爪先までをジーっと見詰める。
初めて会った時から彼は薄汚れた野良猫みたいな姿をしていた。
『一晩でいいから泊めてくれ』
数ヶ月前の雨の日にそう言って私の目の前に現れた野良猫は懐いてしまったのか、それから時々ふらりと私の目の前に姿を現わすのだ。
一体どうやって生きているのだろうか。
きっと私みたいに寝床や食事を与える一晩の恋人が沢山いるのだろう。
人懐こい癖にキチンと一線を引いて踏み込んでこない彼はやはり猫みたいなヤツだ。
「俺、意外とマナーいい方だぜ?」
こっちの気なんて知りもせず目の前の野良猫は綺麗な箸づかいで最後の一つの餃子をぽいっと口に放り込んだ。
「今度大勝ちしたらいい店連れて行ってやるよ!」
いつも泊めてくれるお礼にな!なんて無邪気に笑う歳下のギャンブラーが憎たらしくてその鼻をぎゅっと摘んでやった。
「あんま期待しないで待ってるわ」