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薄いレースのペーパーを敷いたタッパーに今朝焼いたクッキーを詰める。
三つのタッパーを紙袋に入れて家を出る。
乱数ちゃんの事務所に差し入れて、その道中帝統くんのいそうな場所を訪れてみたけれど彼の姿は無く、先に幻太郎さんのお家を訪ねることにした。
彼の家のインターホンを鳴らしても彼は姿を一向に現さない。
「セーンセ!いるんでしょう?」
ガラリと戸口が開いて怪訝な目をした彼が顔を出す。
「なんです、そんな楽しそうにして」
「ごめんなさい。幻さんがあまりにも嫌そうな顔をしてるからつい」
ふふふと笑みが溢れる。
呆れた顔で溜め息を一つ吐いた彼が玄関へと招き入れてくれた。
「で、なんのご用ですか?」
〆切り前で忙しいんですが、ぼやく彼の瞼にはうっすらと隈が出来ていて少しやつれて見える。
「ごめんなさい。クッキーを沢山焼いたので幻さんにもお裾分けをと思ったのですが…お邪魔だったみたいなのでお暇致しますね。」
これは帝統くんに全部あげることにしましょう。眉を八の字にしてわざとらしく悲しげな表情を作って玄関の引き戸に手を掛ける。
「ちょっとお待ちなさい」
背後から手が伸びて来て彼に腕を引かれ引き止められる。
「嘘ですよ」
彼の常套句を言ってニコリと笑ってみせると彼が少しだけ悔しそうな顔をした。
嘘吐きの彼からこの表情を引き出せただけで今日は十分だ。
部屋に上げてもらい、彼と私の分のコーヒーを淹れてカップに注ぐ。
「はい、どうぞ。センセ」
クッキーをつまみ食いする彼の前にコーヒーを置いて隣に座る。
「貴女も食べるといい」
ほら、と彼の手から差し出されたクッキーを食べようとした瞬間。
不意に唇を奪われる。
「な、」
「なんてね、嘘ですよ。貴女がセンセイなんて呼ぶからです。反省なさい」
差し出されたクッキーは彼の胃の中へ消えて行く。
「もう!」
ポカポカと彼の胸板を叩いてみせるといとも簡単に手首を掴まれ抵抗出来なくなる。
「ず、ずるいです…!」
彼の顔が思ったよりも近くにあって驚いた。なんだか恥ずかしくて動けないまま顔が熱くなっていくのがよく分かる。
彼もまたこの状況に気付いたのだろう。
耳を赤くして固まっていた。
お互いにどうすればいいのか分からなくて暫くの間見詰め合っていた気がする。
「おーい!幻太郎ォ‼︎」
鍵を閉め忘れたのだろうか。
玄関から変人ギャンブラーの声がして肩がびくりと上がる。
二人とも鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をしていたのがなんだかとても面白くて、廊下を歩いてくる喧しい足音なんて御構い無しにもう一度キスをした。
アイスボックスクッキーのレシピ
《材料》
・バター…100g
・グラニュー糖…100g
・玉子…一個
・薄力粉…200g
・塩…ひとつまみ
・バニラエッセンス…五滴
☆グラニュー糖…適量
《作り方》
① バターを常温に戻し白っぽくなるまで練る。
② グラニュー糖を3回に分けて入れてすり混ぜる。
③ 塩・バニラエッセンスを加え混ぜる。
④ 玉子を3回に分けて加え混ぜる。
⑤ 薄力粉をふるってから加え、切る様に混ぜる。
⑥ ひとまとまりになったら生地をラップに包んで4cm位の円の棒状に伸ばす。
⑦ 冷凍庫で1時間程冷やす。
⑧ 冷凍庫から出した生地に☆のグラニュー糖をまぶして5㎜厚に切り、天板に間隔を空けて均等に並べる。
⑨ 170度のオーブンできつね色になるまで10〜15分焼く。
⑩ 粗熱が取れたら網などに移して冷ます。
・☆のグラニュー糖は無くても良い。
・切る際に固い場合は少し溶かしてから切るとやりやすいです。
(溶かし過ぎると切りにくいので注意)
・オーブンの火力によって焼き時間は異なります。
・生地を半量ずつにして半量にココアを混ぜて市松模様にしても可愛いです。
・生地は冷凍保存が効くので〆切前の煮詰まった頃にさっと焼いてコーヒーと一緒に出して上げましょう。
三つのタッパーを紙袋に入れて家を出る。
乱数ちゃんの事務所に差し入れて、その道中帝統くんのいそうな場所を訪れてみたけれど彼の姿は無く、先に幻太郎さんのお家を訪ねることにした。
彼の家のインターホンを鳴らしても彼は姿を一向に現さない。
「セーンセ!いるんでしょう?」
ガラリと戸口が開いて怪訝な目をした彼が顔を出す。
「なんです、そんな楽しそうにして」
「ごめんなさい。幻さんがあまりにも嫌そうな顔をしてるからつい」
ふふふと笑みが溢れる。
呆れた顔で溜め息を一つ吐いた彼が玄関へと招き入れてくれた。
「で、なんのご用ですか?」
〆切り前で忙しいんですが、ぼやく彼の瞼にはうっすらと隈が出来ていて少しやつれて見える。
「ごめんなさい。クッキーを沢山焼いたので幻さんにもお裾分けをと思ったのですが…お邪魔だったみたいなのでお暇致しますね。」
これは帝統くんに全部あげることにしましょう。眉を八の字にしてわざとらしく悲しげな表情を作って玄関の引き戸に手を掛ける。
「ちょっとお待ちなさい」
背後から手が伸びて来て彼に腕を引かれ引き止められる。
「嘘ですよ」
彼の常套句を言ってニコリと笑ってみせると彼が少しだけ悔しそうな顔をした。
嘘吐きの彼からこの表情を引き出せただけで今日は十分だ。
部屋に上げてもらい、彼と私の分のコーヒーを淹れてカップに注ぐ。
「はい、どうぞ。センセ」
クッキーをつまみ食いする彼の前にコーヒーを置いて隣に座る。
「貴女も食べるといい」
ほら、と彼の手から差し出されたクッキーを食べようとした瞬間。
不意に唇を奪われる。
「な、」
「なんてね、嘘ですよ。貴女がセンセイなんて呼ぶからです。反省なさい」
差し出されたクッキーは彼の胃の中へ消えて行く。
「もう!」
ポカポカと彼の胸板を叩いてみせるといとも簡単に手首を掴まれ抵抗出来なくなる。
「ず、ずるいです…!」
彼の顔が思ったよりも近くにあって驚いた。なんだか恥ずかしくて動けないまま顔が熱くなっていくのがよく分かる。
彼もまたこの状況に気付いたのだろう。
耳を赤くして固まっていた。
お互いにどうすればいいのか分からなくて暫くの間見詰め合っていた気がする。
「おーい!幻太郎ォ‼︎」
鍵を閉め忘れたのだろうか。
玄関から変人ギャンブラーの声がして肩がびくりと上がる。
二人とも鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔をしていたのがなんだかとても面白くて、廊下を歩いてくる喧しい足音なんて御構い無しにもう一度キスをした。
アイスボックスクッキーのレシピ
《材料》
・バター…100g
・グラニュー糖…100g
・玉子…一個
・薄力粉…200g
・塩…ひとつまみ
・バニラエッセンス…五滴
☆グラニュー糖…適量
《作り方》
① バターを常温に戻し白っぽくなるまで練る。
② グラニュー糖を3回に分けて入れてすり混ぜる。
③ 塩・バニラエッセンスを加え混ぜる。
④ 玉子を3回に分けて加え混ぜる。
⑤ 薄力粉をふるってから加え、切る様に混ぜる。
⑥ ひとまとまりになったら生地をラップに包んで4cm位の円の棒状に伸ばす。
⑦ 冷凍庫で1時間程冷やす。
⑧ 冷凍庫から出した生地に☆のグラニュー糖をまぶして5㎜厚に切り、天板に間隔を空けて均等に並べる。
⑨ 170度のオーブンできつね色になるまで10〜15分焼く。
⑩ 粗熱が取れたら網などに移して冷ます。
・☆のグラニュー糖は無くても良い。
・切る際に固い場合は少し溶かしてから切るとやりやすいです。
(溶かし過ぎると切りにくいので注意)
・オーブンの火力によって焼き時間は異なります。
・生地を半量ずつにして半量にココアを混ぜて市松模様にしても可愛いです。
・生地は冷凍保存が効くので〆切前の煮詰まった頃にさっと焼いてコーヒーと一緒に出して上げましょう。