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木曜日のラーメン
「なぁ〜〜、腹減った!なんか食わしてくれ〜」
ソファーに寝転がっていた帝統が私の背中にのし掛かってくる。
「ちょっと、重い!やめて!!」
「な〜〜あ〜〜!」
「うるさいなぁ!あっちに袋のラーメンあるでしょ!それ食べてて!」
仕事が大詰めでギャンブル狂のワンコに餌を与える暇なんてない。
渋々キッチンへ向かった彼の足音を聞いて、またパソコンと睨めっこ。
冷蔵庫の開く音。
ぎこちない包丁の音。
俺は首輪ついたペットじゃない!なんて言うものの、負ける度にやって来てご飯と寝床を強請る彼の頭とお尻には犬の耳と尻尾があって、餌をあげれば尻尾を振り、冷たくすれば耳が垂れる。そんな気がする。
しばらくして彼がどんぶりを2つ持って、狭いテーブルの向かいに座る。
「え、何?2個食べるの?」
「ちげーよ、こっちはお前の!」
ほら、パソコン退かせって!データのバックアップを取る前にテーブルからパソコンが降ろされる。
「ちょっと、返してよ!私は食べないよ?」
こんな時間だし。時計を見れば日付が変わっている。
「お前、今日メシ食ってないだろ?これくらい許されるって」
お、時間だ。と嬉しそうにどんぶりの蓋がわりにのせられていた皿を外す。
美味しそうな香りと湯気。
その香りに思い出すのは昔ながらのオレンジのパッケージにヒヨコの絵。
眼鏡についた湯気を拭ってどんぶりの中を覗く。半分に切られたハムと不揃いな小口切りのネギ。そして真ん中に落とされた玉子。
「頑張ってるお前にごほーび!それ食って頑張れよ!」
ニカッと彼の笑顔を向けられて、決心が揺らぐ。伸びるぞ、箸を持たされてすぐ誘惑に負ける。
嗚呼、深夜のラーメンの罪深さよ…。
早々に食べ終えた彼が満足気に私が食べ終えるのを見ていた。
「ごちそうさまでした」
彼がどんぶりを持って流しに向かう。
大きな背中を丸めて洗い物をする姿はちょっと愛おしい。
「こんなに尽くしてくれるなんて、なんか隠し事でもあるんでしょう?」
彼の背中に声を掛ければ、ぎこちない笑顔を浮かべ両手を合わせて私の目の前に正座する。
「なぁ、〇〇…。明日…新台入れ替えなんだけどサァ、金貸してくんね?」
前言撤回。
彼の頰に全力ビンタをかます。
《材料》
・お好みの袋麺
・玉子
・冷蔵庫にあったハム
・野菜室で眠っていたネギ
《作り方》
① お湯を沸かす。
② ハムやネギを切る。
③ 袋麺をどんぶりに開け①の湯を注ぐ。
④ ②の具材を入れ、玉子を落としフタをして袋に記載の時間待つ。
⑤ 完成。
「なぁ〜〜、腹減った!なんか食わしてくれ〜」
ソファーに寝転がっていた帝統が私の背中にのし掛かってくる。
「ちょっと、重い!やめて!!」
「な〜〜あ〜〜!」
「うるさいなぁ!あっちに袋のラーメンあるでしょ!それ食べてて!」
仕事が大詰めでギャンブル狂のワンコに餌を与える暇なんてない。
渋々キッチンへ向かった彼の足音を聞いて、またパソコンと睨めっこ。
冷蔵庫の開く音。
ぎこちない包丁の音。
俺は首輪ついたペットじゃない!なんて言うものの、負ける度にやって来てご飯と寝床を強請る彼の頭とお尻には犬の耳と尻尾があって、餌をあげれば尻尾を振り、冷たくすれば耳が垂れる。そんな気がする。
しばらくして彼がどんぶりを2つ持って、狭いテーブルの向かいに座る。
「え、何?2個食べるの?」
「ちげーよ、こっちはお前の!」
ほら、パソコン退かせって!データのバックアップを取る前にテーブルからパソコンが降ろされる。
「ちょっと、返してよ!私は食べないよ?」
こんな時間だし。時計を見れば日付が変わっている。
「お前、今日メシ食ってないだろ?これくらい許されるって」
お、時間だ。と嬉しそうにどんぶりの蓋がわりにのせられていた皿を外す。
美味しそうな香りと湯気。
その香りに思い出すのは昔ながらのオレンジのパッケージにヒヨコの絵。
眼鏡についた湯気を拭ってどんぶりの中を覗く。半分に切られたハムと不揃いな小口切りのネギ。そして真ん中に落とされた玉子。
「頑張ってるお前にごほーび!それ食って頑張れよ!」
ニカッと彼の笑顔を向けられて、決心が揺らぐ。伸びるぞ、箸を持たされてすぐ誘惑に負ける。
嗚呼、深夜のラーメンの罪深さよ…。
早々に食べ終えた彼が満足気に私が食べ終えるのを見ていた。
「ごちそうさまでした」
彼がどんぶりを持って流しに向かう。
大きな背中を丸めて洗い物をする姿はちょっと愛おしい。
「こんなに尽くしてくれるなんて、なんか隠し事でもあるんでしょう?」
彼の背中に声を掛ければ、ぎこちない笑顔を浮かべ両手を合わせて私の目の前に正座する。
「なぁ、〇〇…。明日…新台入れ替えなんだけどサァ、金貸してくんね?」
前言撤回。
彼の頰に全力ビンタをかます。
《材料》
・お好みの袋麺
・玉子
・冷蔵庫にあったハム
・野菜室で眠っていたネギ
《作り方》
① お湯を沸かす。
② ハムやネギを切る。
③ 袋麺をどんぶりに開け①の湯を注ぐ。
④ ②の具材を入れ、玉子を落としフタをして袋に記載の時間待つ。
⑤ 完成。