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パチン、
軽快な音と共に彼女が「あ、」と小さく零す。
「切れた…」
彼女の指先からじんわりと滲む血。
どうやら糸切りばさみで指を切ったらしい。
「ちょっと、大丈夫?」
「大丈夫です、ちょっと集中し過ぎちゃって」
「ごめんなさい」と謝る彼女の小さな手を取って止血をしてやる。
自分の集中力に手が追い付かずによく怪我をする彼女の手は既に絆創膏がいくつか貼られている。
「絆創膏だらけじゃん。気を付けなよ?」
今回の傷は案外浅いようだ。
「乱数さんの手、大きいですね…」
絆創膏を貼り終えた僕に彼女はにかみながら言った。
お姉さん達の横に並んでも小柄な僕を大きいだなんて言う彼女に思わず目をまあるくして驚く。
「そぉ?あんまり言われた事ないからびっくりしちゃった」
「ごめんなさい、私と比べたら大きいです。この手からあのドレスもワンピースも生まれてくるんですね」
素敵です、掌を重ねて嬉しそうに比べてみせる彼女の手を握って、するりと撫でてみる。
「本当だ小さいね」
彼女の顔が赤くなって行くのが分かる。
パクパクと開閉を繰り返す桃色の唇がお魚みたいで思わず笑ってしまった。
(あーあ、職場に恋愛は持ち込まないって決めてたのになぁ〜〜)
僕のちょっとした決まり事は彼女によっていとも簡単に崩されてしまった。
「その顔、すっごくかわいい」
困り顔で大きな目に涙を溜めた頑張り屋さんの絆創膏だらけの指先にキスを落とした。