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最近、仕事を終え帰宅すると彼女が寝落ちしている事が多い。
真っ暗なリビングに彼女の姿は無く、今日はちゃんと寝たか…と安堵したのも束の間。
部屋着に着替えようと向かった寝室のベッドの上に朝出掛けた時の格好のままで布団も掛けずスヤスヤと寝息を立てている彼女を見つけた。
「はぁ…」
この時期は環境の変化に対応するべく精神的に張り詰めているのだろう。
家に帰ると糸が切れた様に眠りにつく彼女。
ベッドに辿り着いている今日はまだいい方でソファーやラグマットの上で発見するのが通常。一番酷い時は玄関で座ったまま眠っていた事もある。
「おい、〇〇起きろ」
「んぅ…、じゅーと…?」
「そーだよ、俺以外に誰が居んだよ」
寝惚けた声を出す彼女の身体を抱き起こして、脱ぎかけのジャケットを脱がしてハンガーに掛ける。
自分のジャケットを脱いだ所でボスッ、と背後で何かが倒れ込む音がした。
振り返ると案の定。
彼女がまた寝落ちしていた。
「おい‼︎寝んな‼︎…ッたく、さっさと風呂行け」
「ん〜〜、でも…眠い……」
「眠いじゃねぇ、風呂入らねぇと疲れも取れねぇだろ」
彼女を無理矢理立たせて風呂場へと連れて行く。
湯舟は帰宅後すぐに準備していたので丁度良い温度の湯で満たされている。
俺の存在すら気にせず、もたもたと寝惚けたまま衣服を脱ぎ捨てる彼女の腹は少し前よりも薄くなった気がする。
「…飯、作ってやるから風呂で寝るなよ?1時間しても戻って来なかったら突入するからな」
分かったか、と念を押す俺にはぁい、と間延びした返事が返って来る。
本当に分かってんのかコイツ…。
* * *
キッチンに立ち、さぁ何を作ろうかと頭を悩ませる。
互いに忙しく、共に食事をするのは朝の短い時間とたまに帰宅時間が被った時のみ。という生活を送る冷蔵庫の中には朝食用のヨーグルトやトーストに乗せるジャムやチーズと酒のツマミになりそうな物くらいしか入っていない。
「…なんもねぇじゃねえか」
独り言ちりながら野菜室を開けると、入れた覚えの無いスーパーの袋。
中には丸々と太ったキャベツがひと玉。
今日の日付けのレシートが入っている辺り、彼女が仕事帰りに買って来たのだろう。
「キャベツ仕舞う余裕があるなら風呂入ってさっさと寝ろ、あの馬鹿…!」
謎の怒りを覚えながら巨大なキャベツの葉をむしり水洗いを済ませざく切りにし、更にトースト用に買ってあったベーコンを短冊切りにしてキャベツとカップ一杯の水を一緒に鍋へブチ込んだ。
塩胡椒をして火にかけて弱火で一煮立ち。
その間に今度こそ着替えを済ませ、ニュースをチェックしていると風呂を済ませた彼女がリビングへとやって来る。
「お風呂、ありがとうございました」
「髪…、乾かしてこいっていつも言ってんだろ」
「ぁ、あとで……!」
「あとで、とか言っていつもいつもそのまま寝て、寝癖がぁ〜〜って泣き見てんのは何処のどいつだ?」
「うぅ…っ、私です…」
「ならさっさと乾かして来い。今日は乾かしてやらねぇぞ」
「…はぁい」
不服そうに風呂場へと戻って行く彼女。
ドライヤーの音が聞こえてきたのでもう大丈夫だろう。
鍋の中でくたくたに煮えたキャベツ。
深夜と言っていい時間に差し掛かった夕食だ。彼女が気にするので一応カロリーなんかも考えながら疲れ切った胃にも優しいスープにした。
今の時期のキャベツは甘くて栄養価も高い。
器に盛り付け、レモン汁と一緒に食卓に並べた。
「うわぁ、美味しそう‼︎」
ドライヤーを済ませた彼女が瞳を輝かせる。
「なぁにコレ?」
「春キャベツのレモンスープ。これだけだが無いよりマシだろ」
「えー!美味しそう‼︎ありがと、銃兎」
いただきます、と手を合わせ食べ始める彼女。ひとくち食べて更に瞳を輝かせて俺を見る。
「おいひい…‼︎」
「理鶯の所で食べたのをアレンジしてみたんだ」
キラキラと輝く笑顔で食べ進める彼女を見て、自分もひとくち。
うん、キャベツの優しい甘さにレモン汁の酸味が良く合っている。
理鶯の所で食べたのは謎の草と猪肉だったがキャベツとベーコンでも十分美味く出来た。ベーコンを豚肉にしても疲労回復に効果があるし、食べ応えが出てきっと美味いだろう。
「これ、当たりだね!優しくてさっぱりしてて美味しいよ」
「そりゃよかった。これパンか春雨追加しても良さそうだな」
「あ〜〜、最高。春雨は無いけどパンはあるからすぐ焼くね」
嬉しそうにパンをトースターにセットする彼女の頰に赤みが戻ってきた。
最近、睡眠も食事もままならない青白い顔をしてばっかりだったからなぁ。
食事をする時は幸福でなければならない。
「理鶯の言う通りだな…」
* * *
「はぁ、今日は幸せだなぁ」
隣で横になって布団に包まった彼女が呟く。
「銃兎のご飯が食べれたし、今日はちゃんとお布団で寝れる」
「そりゃよかったな。毎日ちゃんと飯食って、布団で寝てくれれば俺の苦労が減るんだがな」
「それはごめんなさい…本当にいつもありがとう」
へらりと笑う彼女の瞼には薄っすらと隈が出来ていた。
「…あんまり無理するなよ」
「銃兎もね」
もう半分寝かけているのかふにゃふにゃと喋る彼女を抱き締めて背中をさすれば小さな寝息を立てて深い眠りへと落ちて行く。
「おやすみ」
彼女の柔らかな髪にキスを落とす。
無防備な寝顔が愛おしい。
その寝顔を眺めていると心が休まる。
段々と瞼が重くなってきて、そのまま二人で眠りに就いた。
《春キャベツのレモンスープ》
《材料(2人分)》
キャベツ…1/2玉
ベーコン又は豚肉…100〜300g
水…1カップ(200ml)
塩胡椒…少々
レモン汁…適量
①キャベツをざく切りにして鍋に入れる。
②ベーコン又は豚肉をその上に乗せる。
③水と塩胡椒を入れ、蓋をして弱火で10〜15分。
④器に盛り付け、お好みでレモン汁をかけて食べる。(かけ過ぎ注意)
《ポイント》
・忙しい日の夜ごはんにオススメです。
・豚肉でもモリモリ食べれて美味しいので是非…
・他のお肉鶏肉とかも美味しいけど火通りの速さ重視なので鶏肉の場合は削ぎ切りがオススメ
・レモン汁入れるとさっぱりで美味しいです。(疲労回復にも効果的)
・春雨を追加する場合はお水1.5カップと中華ダシ又はコンソメキューブ追加して下さい。
・キャベツから出る水分量が少ない場合は水1カップを追加して下さい!
真っ暗なリビングに彼女の姿は無く、今日はちゃんと寝たか…と安堵したのも束の間。
部屋着に着替えようと向かった寝室のベッドの上に朝出掛けた時の格好のままで布団も掛けずスヤスヤと寝息を立てている彼女を見つけた。
「はぁ…」
この時期は環境の変化に対応するべく精神的に張り詰めているのだろう。
家に帰ると糸が切れた様に眠りにつく彼女。
ベッドに辿り着いている今日はまだいい方でソファーやラグマットの上で発見するのが通常。一番酷い時は玄関で座ったまま眠っていた事もある。
「おい、〇〇起きろ」
「んぅ…、じゅーと…?」
「そーだよ、俺以外に誰が居んだよ」
寝惚けた声を出す彼女の身体を抱き起こして、脱ぎかけのジャケットを脱がしてハンガーに掛ける。
自分のジャケットを脱いだ所でボスッ、と背後で何かが倒れ込む音がした。
振り返ると案の定。
彼女がまた寝落ちしていた。
「おい‼︎寝んな‼︎…ッたく、さっさと風呂行け」
「ん〜〜、でも…眠い……」
「眠いじゃねぇ、風呂入らねぇと疲れも取れねぇだろ」
彼女を無理矢理立たせて風呂場へと連れて行く。
湯舟は帰宅後すぐに準備していたので丁度良い温度の湯で満たされている。
俺の存在すら気にせず、もたもたと寝惚けたまま衣服を脱ぎ捨てる彼女の腹は少し前よりも薄くなった気がする。
「…飯、作ってやるから風呂で寝るなよ?1時間しても戻って来なかったら突入するからな」
分かったか、と念を押す俺にはぁい、と間延びした返事が返って来る。
本当に分かってんのかコイツ…。
* * *
キッチンに立ち、さぁ何を作ろうかと頭を悩ませる。
互いに忙しく、共に食事をするのは朝の短い時間とたまに帰宅時間が被った時のみ。という生活を送る冷蔵庫の中には朝食用のヨーグルトやトーストに乗せるジャムやチーズと酒のツマミになりそうな物くらいしか入っていない。
「…なんもねぇじゃねえか」
独り言ちりながら野菜室を開けると、入れた覚えの無いスーパーの袋。
中には丸々と太ったキャベツがひと玉。
今日の日付けのレシートが入っている辺り、彼女が仕事帰りに買って来たのだろう。
「キャベツ仕舞う余裕があるなら風呂入ってさっさと寝ろ、あの馬鹿…!」
謎の怒りを覚えながら巨大なキャベツの葉をむしり水洗いを済ませざく切りにし、更にトースト用に買ってあったベーコンを短冊切りにしてキャベツとカップ一杯の水を一緒に鍋へブチ込んだ。
塩胡椒をして火にかけて弱火で一煮立ち。
その間に今度こそ着替えを済ませ、ニュースをチェックしていると風呂を済ませた彼女がリビングへとやって来る。
「お風呂、ありがとうございました」
「髪…、乾かしてこいっていつも言ってんだろ」
「ぁ、あとで……!」
「あとで、とか言っていつもいつもそのまま寝て、寝癖がぁ〜〜って泣き見てんのは何処のどいつだ?」
「うぅ…っ、私です…」
「ならさっさと乾かして来い。今日は乾かしてやらねぇぞ」
「…はぁい」
不服そうに風呂場へと戻って行く彼女。
ドライヤーの音が聞こえてきたのでもう大丈夫だろう。
鍋の中でくたくたに煮えたキャベツ。
深夜と言っていい時間に差し掛かった夕食だ。彼女が気にするので一応カロリーなんかも考えながら疲れ切った胃にも優しいスープにした。
今の時期のキャベツは甘くて栄養価も高い。
器に盛り付け、レモン汁と一緒に食卓に並べた。
「うわぁ、美味しそう‼︎」
ドライヤーを済ませた彼女が瞳を輝かせる。
「なぁにコレ?」
「春キャベツのレモンスープ。これだけだが無いよりマシだろ」
「えー!美味しそう‼︎ありがと、銃兎」
いただきます、と手を合わせ食べ始める彼女。ひとくち食べて更に瞳を輝かせて俺を見る。
「おいひい…‼︎」
「理鶯の所で食べたのをアレンジしてみたんだ」
キラキラと輝く笑顔で食べ進める彼女を見て、自分もひとくち。
うん、キャベツの優しい甘さにレモン汁の酸味が良く合っている。
理鶯の所で食べたのは謎の草と猪肉だったがキャベツとベーコンでも十分美味く出来た。ベーコンを豚肉にしても疲労回復に効果があるし、食べ応えが出てきっと美味いだろう。
「これ、当たりだね!優しくてさっぱりしてて美味しいよ」
「そりゃよかった。これパンか春雨追加しても良さそうだな」
「あ〜〜、最高。春雨は無いけどパンはあるからすぐ焼くね」
嬉しそうにパンをトースターにセットする彼女の頰に赤みが戻ってきた。
最近、睡眠も食事もままならない青白い顔をしてばっかりだったからなぁ。
食事をする時は幸福でなければならない。
「理鶯の言う通りだな…」
* * *
「はぁ、今日は幸せだなぁ」
隣で横になって布団に包まった彼女が呟く。
「銃兎のご飯が食べれたし、今日はちゃんとお布団で寝れる」
「そりゃよかったな。毎日ちゃんと飯食って、布団で寝てくれれば俺の苦労が減るんだがな」
「それはごめんなさい…本当にいつもありがとう」
へらりと笑う彼女の瞼には薄っすらと隈が出来ていた。
「…あんまり無理するなよ」
「銃兎もね」
もう半分寝かけているのかふにゃふにゃと喋る彼女を抱き締めて背中をさすれば小さな寝息を立てて深い眠りへと落ちて行く。
「おやすみ」
彼女の柔らかな髪にキスを落とす。
無防備な寝顔が愛おしい。
その寝顔を眺めていると心が休まる。
段々と瞼が重くなってきて、そのまま二人で眠りに就いた。
《春キャベツのレモンスープ》
《材料(2人分)》
キャベツ…1/2玉
ベーコン又は豚肉…100〜300g
水…1カップ(200ml)
塩胡椒…少々
レモン汁…適量
①キャベツをざく切りにして鍋に入れる。
②ベーコン又は豚肉をその上に乗せる。
③水と塩胡椒を入れ、蓋をして弱火で10〜15分。
④器に盛り付け、お好みでレモン汁をかけて食べる。(かけ過ぎ注意)
《ポイント》
・忙しい日の夜ごはんにオススメです。
・豚肉でもモリモリ食べれて美味しいので是非…
・他のお肉鶏肉とかも美味しいけど火通りの速さ重視なので鶏肉の場合は削ぎ切りがオススメ
・レモン汁入れるとさっぱりで美味しいです。(疲労回復にも効果的)
・春雨を追加する場合はお水1.5カップと中華ダシ又はコンソメキューブ追加して下さい。
・キャベツから出る水分量が少ない場合は水1カップを追加して下さい!