🐰
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赤い糸がみえる。
スピリチュアル的なニュアンスではなく、今の俺には本当に《視えて》いるのだ。
始まりは数日前の違法マイクの取り締まりだった。不覚にも相手の攻撃を受けてしまった。速効性の無い攻撃では無かったようでそのまま現場の後処理の指示を出していた。
ふと、目に入ったのは部下の男の指に結ばれた赤く細い糸。
その糸の先には先週彼が気になっていると相談して来た部下の女性の指に結ばれていた。
(なんだこれは…何かのドッキリか?)
「…貴方達、付き合いだしたんですか?」
「「へ⁉︎」」
「嗚呼!そうなんです!入間さんのお陰です。ありがとうございます!…でも何でわかったんですか?」
「なんとなくですよ」
あの違法マイクの効果は《運命の糸》が視えるというお節介な効果だった。
それからというもの目に入るのは
糸、糸、糸、
街中糸だらけなのだ。
この数日でわかった事は糸の色と太さが結ばれた人間の関係性を表しているという事。
太さは蜘蛛の糸程の細さから毛糸程の太さがあるようで太い方が関係が深いという事だ。
色は6種。薄桃色は片想い、紫色は同性愛、白は男女を超えた潔白の関係、金色は金で結ばれた関係、黒色は嫌悪関係。
(ちなみに左馬刻の指には黒の太い糸が結ばれていた。糸の先はきっと山田一郎辺りだろう。)
そして、赤い糸。
これは言わずもがな誰もが知っている運命を司る色の糸だ。
その糸が俺の指から伸びている。しかも毛糸程の太いものだ。
しかし、今は恋人と呼べる関係の相手は居ないし、気になる相手なども居ない。何かの間違いではないかとも思うがいくら引いても糸は解けない。
まだ知らぬ相手とはいえ運命の相手となる人物だ。これを切ってしまうのも躊躇われる。
そのまま放置している。
溜まったデスクワークの途中。
息抜きにと自販機でコーヒーを買う。
署内にも糸が至る所から伸びていて知りたくも無い相手の運命の相手が分かってしまう。毎日、糸、糸、糸。正直言ってうんざりだ。
「あ、入間」
声を掛けてきたのは同期の〇〇だった。
「なんだよ」
自販機横のベンチに座ると、コーヒーを買った彼女が1人分のスペースを空けて隣に座る。
「イラついてるな〜、そういえば違法マイクの攻撃を食らったんだって?どんな効果のマイクだったんだ?」
幼児化…ではなさそうだな…催淫か?ニヤニヤと愉しげに言う彼女の頰を片手で掴んで黙らせる。
「んな訳あるか」
「は・な・しぇ!(離せ!)」
俺の腕に摑みかかる彼女の小さな手に赤い糸。
男っ気の全く無い仕事馬鹿なこいつにも男が居るとは…。彼女の指から伸びる糸の先が床に弛んで溜まっている。
(相手が近くに居るって事か?)
ふと、自分に結ばれた赤い糸も床に弛んで溜まっている事に気付いて、恐る恐る自分の糸を手繰り寄せる。
「何それ、パントマイム?」
「うるせぇ、黙ってろ」
糸を俺の元に手繰り寄せる度、少しずつ彼女の足元に弛んだ糸が少なくなっていく。
「マジかよ…」
「入間?」
最終確認の為にと殆ど弛みが無くなった糸を思いっきり引くと彼女が俺の腕の中に飛び込んで来た。
「へ⁉︎」
「なッ⁉︎」
混乱して居るのか俺にすがりついたままの彼女。普段の男勝りな性格からは想像出来ない位その顔からは不安と混乱の色が滲みなんとも幼く見える。
(性格を抜きにすれば良い女なんだよなぁ…)
混乱の中に残ったプライドなのか潤んだ瞳でこちらをキッと睨む姿がなんともいじらしい。
「〇〇、お前…可愛いな…」
顔を真っ赤にし、彼女が赤い糸の結ばれた手を思いっきり振り被って、わなわなと震える唇が叫ぶ。
「何言ってんだこの馬鹿ッ‼︎」
頰がジンジンと熱を持つ。
こいつ、思いっきり引っ叩きやがった!
「ハッ!いいザマだな銃兎!」
「こンの、クソアマァ‼︎」
こいつが運命の相手なんて絶対信じねぇ!
スピリチュアル的なニュアンスではなく、今の俺には本当に《視えて》いるのだ。
始まりは数日前の違法マイクの取り締まりだった。不覚にも相手の攻撃を受けてしまった。速効性の無い攻撃では無かったようでそのまま現場の後処理の指示を出していた。
ふと、目に入ったのは部下の男の指に結ばれた赤く細い糸。
その糸の先には先週彼が気になっていると相談して来た部下の女性の指に結ばれていた。
(なんだこれは…何かのドッキリか?)
「…貴方達、付き合いだしたんですか?」
「「へ⁉︎」」
「嗚呼!そうなんです!入間さんのお陰です。ありがとうございます!…でも何でわかったんですか?」
「なんとなくですよ」
あの違法マイクの効果は《運命の糸》が視えるというお節介な効果だった。
それからというもの目に入るのは
糸、糸、糸、
街中糸だらけなのだ。
この数日でわかった事は糸の色と太さが結ばれた人間の関係性を表しているという事。
太さは蜘蛛の糸程の細さから毛糸程の太さがあるようで太い方が関係が深いという事だ。
色は6種。薄桃色は片想い、紫色は同性愛、白は男女を超えた潔白の関係、金色は金で結ばれた関係、黒色は嫌悪関係。
(ちなみに左馬刻の指には黒の太い糸が結ばれていた。糸の先はきっと山田一郎辺りだろう。)
そして、赤い糸。
これは言わずもがな誰もが知っている運命を司る色の糸だ。
その糸が俺の指から伸びている。しかも毛糸程の太いものだ。
しかし、今は恋人と呼べる関係の相手は居ないし、気になる相手なども居ない。何かの間違いではないかとも思うがいくら引いても糸は解けない。
まだ知らぬ相手とはいえ運命の相手となる人物だ。これを切ってしまうのも躊躇われる。
そのまま放置している。
溜まったデスクワークの途中。
息抜きにと自販機でコーヒーを買う。
署内にも糸が至る所から伸びていて知りたくも無い相手の運命の相手が分かってしまう。毎日、糸、糸、糸。正直言ってうんざりだ。
「あ、入間」
声を掛けてきたのは同期の〇〇だった。
「なんだよ」
自販機横のベンチに座ると、コーヒーを買った彼女が1人分のスペースを空けて隣に座る。
「イラついてるな〜、そういえば違法マイクの攻撃を食らったんだって?どんな効果のマイクだったんだ?」
幼児化…ではなさそうだな…催淫か?ニヤニヤと愉しげに言う彼女の頰を片手で掴んで黙らせる。
「んな訳あるか」
「は・な・しぇ!(離せ!)」
俺の腕に摑みかかる彼女の小さな手に赤い糸。
男っ気の全く無い仕事馬鹿なこいつにも男が居るとは…。彼女の指から伸びる糸の先が床に弛んで溜まっている。
(相手が近くに居るって事か?)
ふと、自分に結ばれた赤い糸も床に弛んで溜まっている事に気付いて、恐る恐る自分の糸を手繰り寄せる。
「何それ、パントマイム?」
「うるせぇ、黙ってろ」
糸を俺の元に手繰り寄せる度、少しずつ彼女の足元に弛んだ糸が少なくなっていく。
「マジかよ…」
「入間?」
最終確認の為にと殆ど弛みが無くなった糸を思いっきり引くと彼女が俺の腕の中に飛び込んで来た。
「へ⁉︎」
「なッ⁉︎」
混乱して居るのか俺にすがりついたままの彼女。普段の男勝りな性格からは想像出来ない位その顔からは不安と混乱の色が滲みなんとも幼く見える。
(性格を抜きにすれば良い女なんだよなぁ…)
混乱の中に残ったプライドなのか潤んだ瞳でこちらをキッと睨む姿がなんともいじらしい。
「〇〇、お前…可愛いな…」
顔を真っ赤にし、彼女が赤い糸の結ばれた手を思いっきり振り被って、わなわなと震える唇が叫ぶ。
「何言ってんだこの馬鹿ッ‼︎」
頰がジンジンと熱を持つ。
こいつ、思いっきり引っ叩きやがった!
「ハッ!いいザマだな銃兎!」
「こンの、クソアマァ‼︎」
こいつが運命の相手なんて絶対信じねぇ!