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彼女はホラー映画や夏の怪談特集を好む。
好む、というのは語弊があるかもしれない。
何故なら彼女は極度の怖がりだからだ。
普段上げないような声を上げながら薄目で画面を見詰める彼女にそんに嫌なら見るな、と言っても「実際に遭遇した時のシュミレーションをしておかないと…」なんて意味の分からない返事が返ってくる。
怖い思いをしてまで居ないものと会った時のシュミレーションをするなんて随分変わった物好きな奴だ。
ホラー映画を一本観終えた彼女が俺の腕をやんわりと掴む。
「ねぇ…左馬刻さん、お風呂一緒に入ろう?」
「だから先に入っておけって言っただろ!?」
つーか、俺もう風呂入ったし。そうボヤけばしゅんとこうべを垂れる彼女。
「わーったよ、入りゃいいんだろ?」
「ありがと!大好き!」
先程と打って変わってぱぁっと笑顔になって、投げやりな愛の言葉を投げてくる彼女を許してしまう俺も大概だとは思う。
「ねぇ…左馬刻さんいる?」
「……」
「え!?ねぇ‼︎返事してよ!」
「……」
「えっ!?え⁉︎いないの⁉︎」
目を瞑って髪を洗う彼女を湯船に浸かりながら眺める。
目を瞑っている間が不安で仕方がないらしく、引っ切り無しに俺の名を呼んでくる。
それが面白くて返事をしないでいると慌ててシャワーで泡を流しだす彼女。
「ねぇ〜〜!返事してよぉ〜!」
髪を洗いながら泣き出しそうな彼女。
悪戯心に火がついて、髪を洗い流す彼女の頭にシャンプーを追加する。
シャワーの水圧によって泡が増していく。
いくら洗っても当然泡は消えない。
「え?え?え⁉︎」
俺からの返事も無く泡切れの悪い、むしろ増える泡に混乱する彼女を見て思わず噛み殺した笑いが溢れる。
「あ!居た!ちょっと!左馬刻‼︎」
「ちゃんと返事してよ‼︎溺れて死んじゃったかと思ったじゃん!」
ぽろぽろと泣き出す彼女にギョッとして思わずツッコミを入れる。
「いや、俺は赤ん坊かよ」
「だって、左馬刻さんいっぱい人に怨まれてるだろうから私が居ない間にお化けに攫われちゃうかもしれないじゃん!」
「はぁ?ンな訳あるかよ!つーか、風呂が怖いんじゃないのかよ」
「別にお風呂は怖くない…左馬刻さんが居なくなるのが怖いの」
毎回ホラー鑑賞の後、俺から離れなくなるのはそう言う事だったのか。
いつもは生意気な彼女のしおらしい姿に思わず胸が締め付けられるような気がした。
「珍しく可愛い事言うじゃねぇか…」
「へ?」
「俺が死んだくらいで居なくなると思うなよ?簡単には死なねぇし、死んだとしてもお前に取り憑いてやんよ」
「いや、それは怖いから成仏して下さい」
頭を撫でてやれば真面目な顔で拒否する彼女。
さっきの可愛らしさは何処へやら…無性に腹が立ったので軽く頭を小突いてやった。
好む、というのは語弊があるかもしれない。
何故なら彼女は極度の怖がりだからだ。
普段上げないような声を上げながら薄目で画面を見詰める彼女にそんに嫌なら見るな、と言っても「実際に遭遇した時のシュミレーションをしておかないと…」なんて意味の分からない返事が返ってくる。
怖い思いをしてまで居ないものと会った時のシュミレーションをするなんて随分変わった物好きな奴だ。
ホラー映画を一本観終えた彼女が俺の腕をやんわりと掴む。
「ねぇ…左馬刻さん、お風呂一緒に入ろう?」
「だから先に入っておけって言っただろ!?」
つーか、俺もう風呂入ったし。そうボヤけばしゅんとこうべを垂れる彼女。
「わーったよ、入りゃいいんだろ?」
「ありがと!大好き!」
先程と打って変わってぱぁっと笑顔になって、投げやりな愛の言葉を投げてくる彼女を許してしまう俺も大概だとは思う。
「ねぇ…左馬刻さんいる?」
「……」
「え!?ねぇ‼︎返事してよ!」
「……」
「えっ!?え⁉︎いないの⁉︎」
目を瞑って髪を洗う彼女を湯船に浸かりながら眺める。
目を瞑っている間が不安で仕方がないらしく、引っ切り無しに俺の名を呼んでくる。
それが面白くて返事をしないでいると慌ててシャワーで泡を流しだす彼女。
「ねぇ〜〜!返事してよぉ〜!」
髪を洗いながら泣き出しそうな彼女。
悪戯心に火がついて、髪を洗い流す彼女の頭にシャンプーを追加する。
シャワーの水圧によって泡が増していく。
いくら洗っても当然泡は消えない。
「え?え?え⁉︎」
俺からの返事も無く泡切れの悪い、むしろ増える泡に混乱する彼女を見て思わず噛み殺した笑いが溢れる。
「あ!居た!ちょっと!左馬刻‼︎」
「ちゃんと返事してよ‼︎溺れて死んじゃったかと思ったじゃん!」
ぽろぽろと泣き出す彼女にギョッとして思わずツッコミを入れる。
「いや、俺は赤ん坊かよ」
「だって、左馬刻さんいっぱい人に怨まれてるだろうから私が居ない間にお化けに攫われちゃうかもしれないじゃん!」
「はぁ?ンな訳あるかよ!つーか、風呂が怖いんじゃないのかよ」
「別にお風呂は怖くない…左馬刻さんが居なくなるのが怖いの」
毎回ホラー鑑賞の後、俺から離れなくなるのはそう言う事だったのか。
いつもは生意気な彼女のしおらしい姿に思わず胸が締め付けられるような気がした。
「珍しく可愛い事言うじゃねぇか…」
「へ?」
「俺が死んだくらいで居なくなると思うなよ?簡単には死なねぇし、死んだとしてもお前に取り憑いてやんよ」
「いや、それは怖いから成仏して下さい」
頭を撫でてやれば真面目な顔で拒否する彼女。
さっきの可愛らしさは何処へやら…無性に腹が立ったので軽く頭を小突いてやった。