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夢小説設定
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頭が痛い。
寝不足、自律神経の乱れや気圧、眼球疲労…理由は様々だ。
普段なら薬を飲めば何とかなるのだが、時々身動きが取れなくなる程酷い痛みが来る時がある。
それが今日来てしまった。
窓から入る光も、外から聞こえる車の走行音、小鳥のさえずり。
全てが煩わしく頭痛を酷くする。
体調は絶不調。薬のストックは切れていてどうしようもなく一日中ベッドに突っ伏していた。
そこに彼からの着信。
「さまとき、」
『おぉ、今何してる』
「助けて」
『どうした』
彼の声が少しだけ低くなる。
「頭、痛くて」
しにそう。そう言えば電話越しに聞こえる大きな溜め息。
『ンだよ、心配させやがって』
「ごめん」
『今行くから待ってろ』
「うん、」
玄関のドアを開ける音。
足音がこちらへ近付いて来る。
「生きてるか?」
ドラッグストアの袋を提げた彼がベッドの端に腰掛けて、大きな手が私の顔にかかった髪を払う。
「死にそうな顔だな」
「薬は?」
「飲んでない」
「飯は?」
「食べてない。食べれない。」
「ゼリー位なら食えるだろ」
これだけ食って薬飲んで寝ろ。
そう言って彼が取り出したのはみかんのゼリーと市販の頭痛薬。
ベッドからのろのろと起き上がってゼリーとプラスチックのスプーンを受け取る。
二口食べて手が止まる。
「もう要らない」
「全然食ってねえじゃねぇか」
ゼリーの容器とスプーンが私の手から奪われる。
彼がゼリーを掬ってこちらに差し出す。
「せめて半分は食え」
諦めて口を開ける。
つるりと喉を通るゼリー。
「ほら、もう一口」
雛鳥が餌付けされるみたいに私は彼の手からゼリーを食べる。
彼の手からだとゼリーは不思議と喉を通った。
無事ゼリーを空にして手渡された薬を飲む。
「少し寝ろ」
寝室から出て行こうとする彼を引き留める。
「帰っちゃうの?」
「ちげーよ、俺が居たら寝れねぇだろ?」
「大丈夫だから、ここに居て?」
「ン、」
ぎしりとベッドの上に横になる彼。
「来るか?」
「うん」
腕の中にすっぽりと収まる。
香水と煙草の匂い。
背中を撫でる優しくて暖かい手。
とくん、とくんと鳴る彼の心音が心地良くて、少しずつ痛みが和らいでいく気がした。
寝不足、自律神経の乱れや気圧、眼球疲労…理由は様々だ。
普段なら薬を飲めば何とかなるのだが、時々身動きが取れなくなる程酷い痛みが来る時がある。
それが今日来てしまった。
窓から入る光も、外から聞こえる車の走行音、小鳥のさえずり。
全てが煩わしく頭痛を酷くする。
体調は絶不調。薬のストックは切れていてどうしようもなく一日中ベッドに突っ伏していた。
そこに彼からの着信。
「さまとき、」
『おぉ、今何してる』
「助けて」
『どうした』
彼の声が少しだけ低くなる。
「頭、痛くて」
しにそう。そう言えば電話越しに聞こえる大きな溜め息。
『ンだよ、心配させやがって』
「ごめん」
『今行くから待ってろ』
「うん、」
玄関のドアを開ける音。
足音がこちらへ近付いて来る。
「生きてるか?」
ドラッグストアの袋を提げた彼がベッドの端に腰掛けて、大きな手が私の顔にかかった髪を払う。
「死にそうな顔だな」
「薬は?」
「飲んでない」
「飯は?」
「食べてない。食べれない。」
「ゼリー位なら食えるだろ」
これだけ食って薬飲んで寝ろ。
そう言って彼が取り出したのはみかんのゼリーと市販の頭痛薬。
ベッドからのろのろと起き上がってゼリーとプラスチックのスプーンを受け取る。
二口食べて手が止まる。
「もう要らない」
「全然食ってねえじゃねぇか」
ゼリーの容器とスプーンが私の手から奪われる。
彼がゼリーを掬ってこちらに差し出す。
「せめて半分は食え」
諦めて口を開ける。
つるりと喉を通るゼリー。
「ほら、もう一口」
雛鳥が餌付けされるみたいに私は彼の手からゼリーを食べる。
彼の手からだとゼリーは不思議と喉を通った。
無事ゼリーを空にして手渡された薬を飲む。
「少し寝ろ」
寝室から出て行こうとする彼を引き留める。
「帰っちゃうの?」
「ちげーよ、俺が居たら寝れねぇだろ?」
「大丈夫だから、ここに居て?」
「ン、」
ぎしりとベッドの上に横になる彼。
「来るか?」
「うん」
腕の中にすっぽりと収まる。
香水と煙草の匂い。
背中を撫でる優しくて暖かい手。
とくん、とくんと鳴る彼の心音が心地良くて、少しずつ痛みが和らいでいく気がした。