1️⃣
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「いちろー!雨!!!」
夏の終わり、ゲリラ豪雨。
生憎傘を持たない俺たちは各々の荷物を守りながら俺の自宅兼事務所を目指してひたすら走る。
「うわぁ、びちょびちょ…」
玄関に辿り着く頃には髪から雫が滴って、文字通りずぶ濡れ。
「タオル持ってくるからまってろな」
「うん」
濡れたジャケットを脱いだ彼女の白いブラウスは薄っすらと透けていて、見なかったことにしてバスタオルを取りに向かった。
「ほら、早く拭け」
「ありがと」
「風呂沸かしてきたし、着替え出しとっから先入れよ」
下着が透けた彼女をそのままにはしておけず、即座に風呂場へ押し込んだ。
「お風呂ありがとうございました」
風呂から出てきた彼女はキャミソールにショートパンツと随分と薄着で目のやり場に困る。
「Tシャツも出しといただろ!?」
「だって暑いんだもん」
着替え用に置いておいた俺のTシャツを小脇に抱えたまま扇風機の前に座り込む彼女の髪は濡れたままで、ぽたぽたと毛先から水滴が落ちる。
「髪!」
「ほっとけば乾くよ〜」
呆れながらドライヤーを取り出してコンセントをプラグに刺す。
「風邪引くだろ、ここ座れ」
「はぁい」
「いちろーは優しいねぇ」
俺の脚の間に素直に座った彼女が嬉しそうに笑う。
柔らかな髪をドライヤーで髪を乾かす。
俺とおんなじシャンプーの匂い。
「ほら、乾いたぞ」
「ありがと」
彼女が振り返ってふわりと笑った。
その目の下には青黒く深い色の隈。
「まーた、隈出来てる。ちゃんと寝てんのか?」
色濃く隈が残る彼女の瞼をするりと撫でる。
「んー、それなりに?」
「それなりってなんだよ」
曖昧な笑みを浮かべる彼女の頭を軽く小突く。仕事に熱中すると寝食を忘れる上に眠りの浅い彼女の事だどうせ碌に寝ていないのだろう。
「俺風呂行ってくるから部屋で寝とけよ」
「ん、」
短く答えた彼女の意識は既に持ってきた薄型ノートパソコンに奪われていて、これは風呂から帰ってきても仕事をしているパターンだろう。
そう思いながら風呂へと向かった。
風呂から上がって来れば案の定、彼女はパソコンにかじりついていた。
「こーら!寝てろって言っただろ?」
「一郎おかえり」
へらりと笑う彼女の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「人の話聞いてるか?」
「えへへ…」
また曖昧な笑みを浮かべるから、彼女の手元からパソコンを強奪しデータを保存してパソコンを閉じる。
「仕事終わり!寝るぞ〜!」
「ちょっ、やだ!」
彼女の細い腰に手を回しひょいと抱きかかえて自室へ向かう。
「言う事聞かない奴は強制連行!あんま暴れんなよ、落としちまうぞ?」
「うう〜」
脚をバタつかせて逃走をはかろうとする彼女が不服そうに大人しくなる。
自室のベッドの上に降ろしてタオルケットをかけてやる。
「はい、おやすみ」
髪を撫でてキスを落とす。
すると俺の服を控え目に摘んでくる彼女の細い指先。
「いちろ、ここに居て?」
可愛らしいお願いに心の中で悶絶しながら、あくまでも平常を装って彼女の髪を撫でる。
「髪、乾かしたら戻って来るから」
「…分かった」
控え目な指先が離れていくから、その指先をするりと撫でて自室を離れた。
途中、仕事の依頼の電話を対応し終えて自室に戻ればベッドから小さな寝息が聞こえる。
ベッドで眠る彼女。
きっと今触れれば彼女は起きてしまうだろう。
瞼に色濃く残る隈。
不健康な程白く透き通った肌。
その白さを際立たせる無防備な黒のキャミソール。
身体はとても薄く力を込めたらすぐに折れてしまいそうだった。
ぱちりと彼女の瞼が開く。
「いちろ、おかえり」
「悪い、起こしたな」
「ううん、大丈夫。ねぇ…隣来て?」
ぐい、と腕を引かれベッドの中へと潜ると、嬉しそうに俺の腕の中へ顔を埋める彼女。
「あー、落ち着く…」
「あんま可愛い事言ってると、取って食っちまうぞ」
「いいよ〜、」
簡単にそう言うから慌てて彼女の顔を見れば、瞼は蕩けて今にも寝てしまいそうな顔をしていた。
「また今度な」
タオルケットを掛け直して、彼女の髪を撫でる。
どうかこの腕の中だけでも彼女がゆっくり休めますように。
そう願いながら瞼を閉じた。
夏の終わり、ゲリラ豪雨。
生憎傘を持たない俺たちは各々の荷物を守りながら俺の自宅兼事務所を目指してひたすら走る。
「うわぁ、びちょびちょ…」
玄関に辿り着く頃には髪から雫が滴って、文字通りずぶ濡れ。
「タオル持ってくるからまってろな」
「うん」
濡れたジャケットを脱いだ彼女の白いブラウスは薄っすらと透けていて、見なかったことにしてバスタオルを取りに向かった。
「ほら、早く拭け」
「ありがと」
「風呂沸かしてきたし、着替え出しとっから先入れよ」
下着が透けた彼女をそのままにはしておけず、即座に風呂場へ押し込んだ。
「お風呂ありがとうございました」
風呂から出てきた彼女はキャミソールにショートパンツと随分と薄着で目のやり場に困る。
「Tシャツも出しといただろ!?」
「だって暑いんだもん」
着替え用に置いておいた俺のTシャツを小脇に抱えたまま扇風機の前に座り込む彼女の髪は濡れたままで、ぽたぽたと毛先から水滴が落ちる。
「髪!」
「ほっとけば乾くよ〜」
呆れながらドライヤーを取り出してコンセントをプラグに刺す。
「風邪引くだろ、ここ座れ」
「はぁい」
「いちろーは優しいねぇ」
俺の脚の間に素直に座った彼女が嬉しそうに笑う。
柔らかな髪をドライヤーで髪を乾かす。
俺とおんなじシャンプーの匂い。
「ほら、乾いたぞ」
「ありがと」
彼女が振り返ってふわりと笑った。
その目の下には青黒く深い色の隈。
「まーた、隈出来てる。ちゃんと寝てんのか?」
色濃く隈が残る彼女の瞼をするりと撫でる。
「んー、それなりに?」
「それなりってなんだよ」
曖昧な笑みを浮かべる彼女の頭を軽く小突く。仕事に熱中すると寝食を忘れる上に眠りの浅い彼女の事だどうせ碌に寝ていないのだろう。
「俺風呂行ってくるから部屋で寝とけよ」
「ん、」
短く答えた彼女の意識は既に持ってきた薄型ノートパソコンに奪われていて、これは風呂から帰ってきても仕事をしているパターンだろう。
そう思いながら風呂へと向かった。
風呂から上がって来れば案の定、彼女はパソコンにかじりついていた。
「こーら!寝てろって言っただろ?」
「一郎おかえり」
へらりと笑う彼女の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「人の話聞いてるか?」
「えへへ…」
また曖昧な笑みを浮かべるから、彼女の手元からパソコンを強奪しデータを保存してパソコンを閉じる。
「仕事終わり!寝るぞ〜!」
「ちょっ、やだ!」
彼女の細い腰に手を回しひょいと抱きかかえて自室へ向かう。
「言う事聞かない奴は強制連行!あんま暴れんなよ、落としちまうぞ?」
「うう〜」
脚をバタつかせて逃走をはかろうとする彼女が不服そうに大人しくなる。
自室のベッドの上に降ろしてタオルケットをかけてやる。
「はい、おやすみ」
髪を撫でてキスを落とす。
すると俺の服を控え目に摘んでくる彼女の細い指先。
「いちろ、ここに居て?」
可愛らしいお願いに心の中で悶絶しながら、あくまでも平常を装って彼女の髪を撫でる。
「髪、乾かしたら戻って来るから」
「…分かった」
控え目な指先が離れていくから、その指先をするりと撫でて自室を離れた。
途中、仕事の依頼の電話を対応し終えて自室に戻ればベッドから小さな寝息が聞こえる。
ベッドで眠る彼女。
きっと今触れれば彼女は起きてしまうだろう。
瞼に色濃く残る隈。
不健康な程白く透き通った肌。
その白さを際立たせる無防備な黒のキャミソール。
身体はとても薄く力を込めたらすぐに折れてしまいそうだった。
ぱちりと彼女の瞼が開く。
「いちろ、おかえり」
「悪い、起こしたな」
「ううん、大丈夫。ねぇ…隣来て?」
ぐい、と腕を引かれベッドの中へと潜ると、嬉しそうに俺の腕の中へ顔を埋める彼女。
「あー、落ち着く…」
「あんま可愛い事言ってると、取って食っちまうぞ」
「いいよ〜、」
簡単にそう言うから慌てて彼女の顔を見れば、瞼は蕩けて今にも寝てしまいそうな顔をしていた。
「また今度な」
タオルケットを掛け直して、彼女の髪を撫でる。
どうかこの腕の中だけでも彼女がゆっくり休めますように。
そう願いながら瞼を閉じた。