神田ユウを恋愛させる
私の夢小説の「神田ユウ」ができるまで
夢小説を書いていると、常に思う。
神田ユウという男は、恋をしたら一体どうなるのだろう。
もちろん原作には、夢主はいない。
当たり前である。
いたら私は今頃、こんなに苦労して夢小説を書いていない。
そこで私は、神田に恋愛をさせる時、まず原作の神田を思い出すようにしている。
当たり前である。
特に参考にしているのが、アレンとの関係だ。
原作で、神田がジョニーと共にアレンを追いかけ、その後しばらく行動を共にしていた時期がある。
あの頃の神田を見ていると、相手が大切になったからといって、急に何でも察してくれる優しいお兄さんになったりはしない。(まぁ、かなり丸くなりましたが)
ちゃんと神田のままである。
これが私には非常にありがたい。
夢小説を書く時の資料として、大変参考になるからだ。
たとえばアレンが何かをしようとしている。
神田は、いきなり横から全部決めたりしない。
まずアレン自身がどうしたいのかを聞く。
ところが、アレンが自分の考えを話したからといって、
「そうか。お前が決めたことなら俺は応援する」
と爽やかに微笑んだりもしない。
そこは神田である。
おかしいと思えば普通に口を出す。
効率が悪いと思えば、それも言う。
相手の意思は聞く。
何でも肯定するわけでもないし、何でも否定するわけでもない。
私はこの距離感がとても好きだ。
そこで私は、夢小説を書いていて困った時、頭の中で時々こんなことをする。
夢主を一旦アレンにしてみる。
なかなかひどい方法である。
せっかくの恋愛小説から、一瞬にして色気が消える。
しかし、これが便利なのだ。
たとえば夢主が悩んでいる。
ここで神田に、
「一人で抱え込むな。お前の悩みは全部俺が背負う。だから俺だけには何でも話せ」
と言わせてみる。
甘い。
大変甘い。
夢小説の恋人としては、とても頼もしい。
私だって夢女なので、こういう台詞そのものが嫌いなわけではない。
そこで夢主をアレンに交換してみる。
アレンが悩んでいる。
神田がやって来る。
「一人で抱え込むな。お前の悩みは全部俺が背負う。俺だけには何でも話せ」
…………。
(。´・ω・)ん?誰だ、お前は。
私の中の神田が消えた。
たぶん神田なら、まず話を聞く。
そして、
「……で、お前はどうしてぇんだ」
こっちになる。
相手がどうしたいのか。
何をするつもりなのか。
まず本人に聞く。
夢主相手でも、この土台は変わらないんじゃないかと私は考えている。
もちろん、ここからが夢小説である。
相手がアレンなら、
「知るか」
で済ませるところでも、好きな女なら気になるかもしれない。
普段なら付き合わないような面倒事にも付き合うかもしれない。
「助けてほしい」と言われたら、
「分かった。で、どこまで手伝えばいいんだ」
と、かなり本気で手を貸すだろう。
そして好きな女が、
「もう全部やってほしい」
と言ったら。
神田はたぶん、本当に全部やる。
やるんかい(。 ー`ωー´)/バシッ
そこは恋愛補正がかかる。
ただし、全部終わったあとで、
「お前、いつまでも逃げてたら何も変わらねぇぞ」
くらいは言うと思う。
どうでもいい相手なら、こんなことすら言わない。
好きだから甘やかす。
でも、好きだからこそ、夢主にずっと甘ったれたままでいてほしいとは神田は思わない。
私は神田の恋人になる人は、最終的には神田と対等に立てる人なんじゃないかと思っている。(アルマのことは一旦置いとく)。
もう一つ、私がよく考えるのが「神田はどこまで察するのか」である。
たとえば一緒にご飯を食べていて、夢主が珍しく残した。
神田はたぶん気づく。
そこで、
「悩みがあるんだろ。俺には何でも話せ」
まで一気に進めると、私の手が止まる。
待て待て。
腹が痛いだけかもしれない。
なぜ、悩みと決めつける?
そこで私は、またアレンを召喚する。
アレンが珍しく飯を残した。
神田ならどうする。
たぶん、
「……食わねぇのか」
まずこれだと思う。
「ちょっと食欲がなくて」
「具合悪ぃのか?」
「いえ。ちょっと色々あって……」
ここまで来て初めて、
「……何かあったのか」
になる。
一個ずつである。
神田に読心術は搭載されていない。
では夢主なら?
基本は同じだと思う。
ただし、恋をしているので、その後がアレンとは少し違う。
その場ではそれ以上聞かなかったとしても、なんとなく気になる。
離れていても、心配で時々見る。
まだ元気がない。
やっぱり飯も食っていない。
そこでようやく、
(……あいつ、あれ好きだったな)
と、好きなものでも持っていくかもしれない。
「心配だったから買ってきた」
なんて丁寧な説明はしない。
「……ほら」
で渡す。
「これ、どうしたんですか?」
「いらねぇのか」
「いります!」
「じゃあ食え」
終わり。
サービスが悪い。
だが、私はこれが好きなので仕方がない。
私が夢小説でやりたいのは、たぶん神田を「理想の彼氏」に改造することではない。
原作の神田が持っているものを、一度机の上に並べる。
相手の意思を聞くところ。
おかしいと思えば口を出すところ。
必要以上に他人へ踏み込まないところ。
でも、一度自分で関わると決めたら案外最後まで付き合うところ。
そういうものを残したまま、
ここに恋愛感情を足したら、この男はどうなる?
と考える。
私は、だいたいそうやって作っている。
とはいえ、最初からこんなことを一行ずつ考えながら書いているわけでもない。
妄想が盛り上がっている時は、私も勢いだけでバーッと書く。(大概こう( ̄▽ ̄;))
神田も喋る。
やたら喋る。
勢いに乗った私が、勝手に喋らせる。
問題は、そのあとである。
読み返す。
「……神田、これ言うか?」
消す。
「ここも喋りすぎじゃないか?」
消す。
「いや、逆にここは好きな女相手ならもう少しやるだろ」
足す。
そしてまた読む。
訂正する。
また読む。
また訂正する。
そうしているうちに、だいたい神田は初稿より無口になって完成する。
たまに初稿で三行あった台詞が、
「……ああ」
だけになる。
最初の三行は何だったのだろう。
それでも分からなくなったら、アレンを呼ぶ。
アレン相手でも神田らしさが残ったら、そこから夢主だけに向ける特別扱いをひとつ足す。
またひとつ足す。
調子に乗って三つ足して、
「誰だお前」
となって一つ消す。
そんなことを繰り返している。
それが私にとっての、
「神田ユウを恋愛させる」
という作業なのだと思う。
ここまで書くと、ずいぶん面倒くさいことをしているような気がする。
実際、面倒くさい。
ただ、これは「夢小説の神田はこうでなければならない」という話ではない。
原作の神田を恋愛させる時、私はこう考えて書いている、というだけの話だ。
夢小説なのだから、思いきり甘くてもいいと思う。
何でも察してくれて、欲しい言葉をくれて、困った時には全部引き受けてくれる。
そんな「理想の彼氏」としての神田には、そういう夢ならではの楽しさがあるし、それを読みたい人がたくさんいるのも分かる。
私だって夢女なので、甘やかされたい気持ちは普通にある。
ただ、自分で書くとなると、どうしても、
「恋をした神田は、どこまで変わるんだろう」
というところが気になってしまう。
あまりに理想の恋人として完成されていると、
「……神田、そんなことするか?」
が先に来てしまう。
だから私は、神田を理想の彼氏に近づけていくというより、原作の神田をなるべくそのまま連れてきて、そこに恋愛感情を足していく。
恋をしたら、きっと変わる。
好きな人には甘くなるだろうし、どうでもいい相手にはしないこともするだろう。
でも、そのために人格の土台まで動かしたくはない。
甘くするなら、神田のまま甘くしたい。
その結果、夢小説の彼氏としては少々サービスの悪い男が出来上がる。
まあ仕方がない。
元が神田ユウなのだから。
それが正解なのかは分からない。
読まれているのかも分からない。
……読まれてはほしい。
そこはものすごく読まれたい。
だが、それとこれとは別である。
私が書きたいのは、
「こんな彼氏がいたらいいな」
という神田より、
「あの神田ユウが、もしこういうタイプの子を好きになったらどうなるんだろう」
という夢なのだ。
アレンには大変申し訳ない。
私の夢小説を書くために、今日も脳内で夢主の代役をさせられている。
しかし非常に便利なので、今後も働いてもらう予定である。
そのうち、みたらし団子でも奢ろうと思う。
そして今日も私は、「神田の姿をした理想の彼氏」にならぬよう、糖度の計量カップを片手に神田との妄想をする。
もっとも、初稿では勢い余って砂糖を袋ごとぶち込むこともある。
その時は、あとからせっせと取り除けばいい。
目分量は危険である。
終。2026/08/24
夢小説を書いていると、常に思う。
神田ユウという男は、恋をしたら一体どうなるのだろう。
もちろん原作には、夢主はいない。
当たり前である。
いたら私は今頃、こんなに苦労して夢小説を書いていない。
そこで私は、神田に恋愛をさせる時、まず原作の神田を思い出すようにしている。
当たり前である。
特に参考にしているのが、アレンとの関係だ。
原作で、神田がジョニーと共にアレンを追いかけ、その後しばらく行動を共にしていた時期がある。
あの頃の神田を見ていると、相手が大切になったからといって、急に何でも察してくれる優しいお兄さんになったりはしない。(まぁ、かなり丸くなりましたが)
ちゃんと神田のままである。
これが私には非常にありがたい。
夢小説を書く時の資料として、大変参考になるからだ。
たとえばアレンが何かをしようとしている。
神田は、いきなり横から全部決めたりしない。
まずアレン自身がどうしたいのかを聞く。
ところが、アレンが自分の考えを話したからといって、
「そうか。お前が決めたことなら俺は応援する」
と爽やかに微笑んだりもしない。
そこは神田である。
おかしいと思えば普通に口を出す。
効率が悪いと思えば、それも言う。
相手の意思は聞く。
何でも肯定するわけでもないし、何でも否定するわけでもない。
私はこの距離感がとても好きだ。
そこで私は、夢小説を書いていて困った時、頭の中で時々こんなことをする。
夢主を一旦アレンにしてみる。
なかなかひどい方法である。
せっかくの恋愛小説から、一瞬にして色気が消える。
しかし、これが便利なのだ。
たとえば夢主が悩んでいる。
ここで神田に、
「一人で抱え込むな。お前の悩みは全部俺が背負う。だから俺だけには何でも話せ」
と言わせてみる。
甘い。
大変甘い。
夢小説の恋人としては、とても頼もしい。
私だって夢女なので、こういう台詞そのものが嫌いなわけではない。
そこで夢主をアレンに交換してみる。
アレンが悩んでいる。
神田がやって来る。
「一人で抱え込むな。お前の悩みは全部俺が背負う。俺だけには何でも話せ」
…………。
(。´・ω・)ん?誰だ、お前は。
私の中の神田が消えた。
たぶん神田なら、まず話を聞く。
そして、
「……で、お前はどうしてぇんだ」
こっちになる。
相手がどうしたいのか。
何をするつもりなのか。
まず本人に聞く。
夢主相手でも、この土台は変わらないんじゃないかと私は考えている。
もちろん、ここからが夢小説である。
相手がアレンなら、
「知るか」
で済ませるところでも、好きな女なら気になるかもしれない。
普段なら付き合わないような面倒事にも付き合うかもしれない。
「助けてほしい」と言われたら、
「分かった。で、どこまで手伝えばいいんだ」
と、かなり本気で手を貸すだろう。
そして好きな女が、
「もう全部やってほしい」
と言ったら。
神田はたぶん、本当に全部やる。
やるんかい(。 ー`ωー´)/バシッ
そこは恋愛補正がかかる。
ただし、全部終わったあとで、
「お前、いつまでも逃げてたら何も変わらねぇぞ」
くらいは言うと思う。
どうでもいい相手なら、こんなことすら言わない。
好きだから甘やかす。
でも、好きだからこそ、夢主にずっと甘ったれたままでいてほしいとは神田は思わない。
私は神田の恋人になる人は、最終的には神田と対等に立てる人なんじゃないかと思っている。(アルマのことは一旦置いとく)。
もう一つ、私がよく考えるのが「神田はどこまで察するのか」である。
たとえば一緒にご飯を食べていて、夢主が珍しく残した。
神田はたぶん気づく。
そこで、
「悩みがあるんだろ。俺には何でも話せ」
まで一気に進めると、私の手が止まる。
待て待て。
腹が痛いだけかもしれない。
なぜ、悩みと決めつける?
そこで私は、またアレンを召喚する。
アレンが珍しく飯を残した。
神田ならどうする。
たぶん、
「……食わねぇのか」
まずこれだと思う。
「ちょっと食欲がなくて」
「具合悪ぃのか?」
「いえ。ちょっと色々あって……」
ここまで来て初めて、
「……何かあったのか」
になる。
一個ずつである。
神田に読心術は搭載されていない。
では夢主なら?
基本は同じだと思う。
ただし、恋をしているので、その後がアレンとは少し違う。
その場ではそれ以上聞かなかったとしても、なんとなく気になる。
離れていても、心配で時々見る。
まだ元気がない。
やっぱり飯も食っていない。
そこでようやく、
(……あいつ、あれ好きだったな)
と、好きなものでも持っていくかもしれない。
「心配だったから買ってきた」
なんて丁寧な説明はしない。
「……ほら」
で渡す。
「これ、どうしたんですか?」
「いらねぇのか」
「いります!」
「じゃあ食え」
終わり。
サービスが悪い。
だが、私はこれが好きなので仕方がない。
私が夢小説でやりたいのは、たぶん神田を「理想の彼氏」に改造することではない。
原作の神田が持っているものを、一度机の上に並べる。
相手の意思を聞くところ。
おかしいと思えば口を出すところ。
必要以上に他人へ踏み込まないところ。
でも、一度自分で関わると決めたら案外最後まで付き合うところ。
そういうものを残したまま、
ここに恋愛感情を足したら、この男はどうなる?
と考える。
私は、だいたいそうやって作っている。
とはいえ、最初からこんなことを一行ずつ考えながら書いているわけでもない。
妄想が盛り上がっている時は、私も勢いだけでバーッと書く。(大概こう( ̄▽ ̄;))
神田も喋る。
やたら喋る。
勢いに乗った私が、勝手に喋らせる。
問題は、そのあとである。
読み返す。
「……神田、これ言うか?」
消す。
「ここも喋りすぎじゃないか?」
消す。
「いや、逆にここは好きな女相手ならもう少しやるだろ」
足す。
そしてまた読む。
訂正する。
また読む。
また訂正する。
そうしているうちに、だいたい神田は初稿より無口になって完成する。
たまに初稿で三行あった台詞が、
「……ああ」
だけになる。
最初の三行は何だったのだろう。
それでも分からなくなったら、アレンを呼ぶ。
アレン相手でも神田らしさが残ったら、そこから夢主だけに向ける特別扱いをひとつ足す。
またひとつ足す。
調子に乗って三つ足して、
「誰だお前」
となって一つ消す。
そんなことを繰り返している。
それが私にとっての、
「神田ユウを恋愛させる」
という作業なのだと思う。
ここまで書くと、ずいぶん面倒くさいことをしているような気がする。
実際、面倒くさい。
ただ、これは「夢小説の神田はこうでなければならない」という話ではない。
原作の神田を恋愛させる時、私はこう考えて書いている、というだけの話だ。
夢小説なのだから、思いきり甘くてもいいと思う。
何でも察してくれて、欲しい言葉をくれて、困った時には全部引き受けてくれる。
そんな「理想の彼氏」としての神田には、そういう夢ならではの楽しさがあるし、それを読みたい人がたくさんいるのも分かる。
私だって夢女なので、甘やかされたい気持ちは普通にある。
ただ、自分で書くとなると、どうしても、
「恋をした神田は、どこまで変わるんだろう」
というところが気になってしまう。
あまりに理想の恋人として完成されていると、
「……神田、そんなことするか?」
が先に来てしまう。
だから私は、神田を理想の彼氏に近づけていくというより、原作の神田をなるべくそのまま連れてきて、そこに恋愛感情を足していく。
恋をしたら、きっと変わる。
好きな人には甘くなるだろうし、どうでもいい相手にはしないこともするだろう。
でも、そのために人格の土台まで動かしたくはない。
甘くするなら、神田のまま甘くしたい。
その結果、夢小説の彼氏としては少々サービスの悪い男が出来上がる。
まあ仕方がない。
元が神田ユウなのだから。
それが正解なのかは分からない。
読まれているのかも分からない。
……読まれてはほしい。
そこはものすごく読まれたい。
だが、それとこれとは別である。
私が書きたいのは、
「こんな彼氏がいたらいいな」
という神田より、
「あの神田ユウが、もしこういうタイプの子を好きになったらどうなるんだろう」
という夢なのだ。
アレンには大変申し訳ない。
私の夢小説を書くために、今日も脳内で夢主の代役をさせられている。
しかし非常に便利なので、今後も働いてもらう予定である。
そのうち、みたらし団子でも奢ろうと思う。
そして今日も私は、「神田の姿をした理想の彼氏」にならぬよう、糖度の計量カップを片手に神田との妄想をする。
もっとも、初稿では勢い余って砂糖を袋ごとぶち込むこともある。
その時は、あとからせっせと取り除けばいい。
目分量は危険である。
終。2026/08/24