破鏡再び照らす
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同日 午後3時30分
地方裁判所 第4法廷
ざわつく観衆の声に耳を傾けながら、白衣の男は目を瞑っていた。
カンッと木槌の音が法廷に響く。
その音をきっかけに白衣の男は目をゆっくりと開く。
「これより棒 陸夫(ボウ リクオ)の
法廷を開廷します」
被告席には背広の男が座っている。
その表情は青ざめていた。
「検察側、いつでもOKさ」
金髪の検事がパチンと指を鳴らす。
「弁護側、準備完了しています」
天に伸びる二本の前髪を揺らしながら、弁護士が法廷を見据える。
「事件の詳細を、刑事クン。
君から説明してくれ」
どこにでもいそうな平凡な顔立ちの男が、カーキのコートの裾を翻しながら証言台に立つ。
「ハッ!自分は藻武 信(モブ ノブ)と申します!
所轄署の刑事であります!
事件は、2月27日の……
今日の昼頃に女医の十六夜 伊代(イザヨイ イヨ)が
総合病院の彼女の診察室で殺害されているのが発見されたであります。
その五分後、病院内で被告人を確保しました。
逮捕の決め手は、脇に抱えていた凶器である“ネズミの置物”。
動機は痴情のもつれかと。
被告人は前から被害者に再婚を迫っていたようであります。
今回も再婚を申し込んだが、被害者にそれを断られたようであります。
そのときに逆上して、近くにあった置物でガツンと殴ったであります。
このことから、警察は彼を容疑者として逮捕しました」
優しげな色男の検事は、爽やかな微笑を浮かべて弁護士を見る。
「さぁ、熱いギグを始めようか。おデコくん」
検事の言葉に、おデコくんと呼ばれた青年は口を閉ざしたままぐっと広い額から汗を流す。
その隣にいる黄色いスーツの少女も、黙って顔から汗を流している。
白衣の男は小さく声を発する。
「さて、お手並み拝見といこうか」
「それじゃ、最初の証人を召喚するよ」
検事の声に従い、白衣の男は証言席へと足を進めた。
地方裁判所 第4法廷
ざわつく観衆の声に耳を傾けながら、白衣の男は目を瞑っていた。
カンッと木槌の音が法廷に響く。
その音をきっかけに白衣の男は目をゆっくりと開く。
「これより棒 陸夫(ボウ リクオ)の
法廷を開廷します」
被告席には背広の男が座っている。
その表情は青ざめていた。
「検察側、いつでもOKさ」
金髪の検事がパチンと指を鳴らす。
「弁護側、準備完了しています」
天に伸びる二本の前髪を揺らしながら、弁護士が法廷を見据える。
「事件の詳細を、刑事クン。
君から説明してくれ」
どこにでもいそうな平凡な顔立ちの男が、カーキのコートの裾を翻しながら証言台に立つ。
「ハッ!自分は藻武 信(モブ ノブ)と申します!
所轄署の刑事であります!
事件は、2月27日の……
今日の昼頃に女医の十六夜 伊代(イザヨイ イヨ)が
総合病院の彼女の診察室で殺害されているのが発見されたであります。
その五分後、病院内で被告人を確保しました。
逮捕の決め手は、脇に抱えていた凶器である“ネズミの置物”。
動機は痴情のもつれかと。
被告人は前から被害者に再婚を迫っていたようであります。
今回も再婚を申し込んだが、被害者にそれを断られたようであります。
そのときに逆上して、近くにあった置物でガツンと殴ったであります。
このことから、警察は彼を容疑者として逮捕しました」
優しげな色男の検事は、爽やかな微笑を浮かべて弁護士を見る。
「さぁ、熱いギグを始めようか。おデコくん」
検事の言葉に、おデコくんと呼ばれた青年は口を閉ざしたままぐっと広い額から汗を流す。
その隣にいる黄色いスーツの少女も、黙って顔から汗を流している。
白衣の男は小さく声を発する。
「さて、お手並み拝見といこうか」
「それじゃ、最初の証人を召喚するよ」
検事の声に従い、白衣の男は証言席へと足を進めた。