焼け木杭に火がつく

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同日 某時刻 

人形屋敷 南部屋


ここが事件現場か。

「ほとんど焼けちゃってますね」

「一応、白線は引いてあるな」

人型にかたどった白線が地面に描かれている。

屋敷の中は焼けていて、その大量の焼け焦げた人形に絶句する。

だが、それ以上に驚いたのが……

「おっ大きいですね…」

「あぁ」

部屋の壁際にびっしりと飾られていた人形はすべて心音たちと同じくらいの大きさ……生身の人間と同じ大きさだった。

「……なんか不気味だな」

「とっとにかく!隈なく現場を調べましょう!」

「そっそうだね」

二人はキョロキョロと現場を見まわし、黒い焦げの残ったちょうちんのような灯りが床に倒れているのが目についた。

「センパイ、ちょうちんがありますよ」

「違うよ。これ、ちょうちんの形した電気スタンドだ。どうやら燃え残ったみたいだね」

「でも、微かに欠けてますね」

「倒れたときに割れたんだろうよ」

証拠品【ちょうちんのかたちをした電気スタンド】

ずいぶんと重そうだ。

ふと心音が電気スタンドの下から黒い物が見え、少しずらす。

「ひゃあああ!」

「希月さん!?」

心音の悲鳴にオドロキが顔を引き締める。

出てきたものを指さしながら、心音が怯えている。

「センパイ!髪が!」

「……これは」

落ちている物をオドロキは見た。

黒く長い毛の塊が落ちている。

「……カツラ?」

「あああああ!びっびっくりしたぁああ!てっきり人の生首が落ちてるのかと思いました!」

胸を押さえながら、心音は発見した長髪のカツラを見る。

「人形の部品か?」

「でも、ここにあった人形ってほとんど燃え尽きたんですよね?」

「もしかしたら、下敷きになってたから、完全に燃えなかったんじゃないかな

ほらっ髪の他にも赤い着物の燃え残っているみたいだ」

証拠品【燃え残ったカツラと着物】

人形の一部?かもしれない。

次に壁の方へ視線を移すと、人形の下敷きになっている人形を心音が発見した。

「せっ先輩!見てくださいこのお人形!」

「えっ?」

ところどころ焼けていたが、なんとか原型をとどめていた。

後輩が引きずり出した人形を見て、既視感を覚える。

その人形は切り揃えたおかっぱの長髪に、鮮やかな薄紅の牡丹が描かれた真っ赤な着物を身に着けていた。

火の中にあったにしては、焼けている部分は少なく床へとうつぶせに倒れていたようだ。

「八百谷さんとそっくりですよ」

「もしかしてこれが唐井さんの言ってた七姫じゃないか?」

「ここに七姫があるってことは、あの晩やっぱり鬼風は来なかったみたいですね」

「火事が起きたから、さすがに盗めなかったんだろうな」

「他にもなにかあるかもしれません!はりきって探しましょう!」

だが、心音の予想は外れ、現場からはそれ以外はなにも発見できなかった。

「どうやら警察が調べつくした後だったみたいだな」

「もう少し情報が欲しいですね」

「とりあえず、南部屋はここまでにしようか。念のため他の部屋も調べてみよう」

「それなら次は北部屋ですね」

大野に貰った人形屋敷の地図を見たあと、二人は北部屋へ向かう。

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