下手の横好き
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2月14日 午後8時33分
たなぼた駅
待ち合わせ場所に行くと、春美が居た。
「被害者女性を集めてくれてありがとうな」
「いいえ。むしろ犯人を捕まえられてスッキリいたしました」
春美は両手を胸の前で合わせながら、そう答えた。
「夜も遅いけど当てはあるのかい?」
「はい。ナルホドくんのお家にお邪魔させてもらいます」
「それなら、そこまで送るよ。うら若き少女になにかあっちゃいけないからね」
鬼風はバイクに春美を乗せて、走り出す。
「悪いね。マヨイさんのチョコはきちんと盗り返せなかった」
マヨイのショコラは盗難品であるピンクダイヤであったため、
警察に没収されてしまった。
「まぁ、代わりと言っちゃなんだけど」
春美に放り投げられたのは、ピンクダイヤのショコラであった。
「やるよ」
春美がそれを突き返す。
「いけません!それは鬼風さまの分でっ!」
だが、鬼風はその手をひらりとかわす。
春美は地面に落ちそうになったそれを思わず掴み直してしまう。
「愛を伝えるのに時期なんて関係ねえよ。
私は伝えたいときに、彼に愛を伝えに行くさ」
そう言って、鬼の泥棒は秋の夕風のような寂しげな笑みを浮かべる。
「……会いにいけないわけじゃないんだからさ」
その表情を見て、春美はなぜか声をかけるのを躊躇ってしまった。
「それじゃあな」
「あっ」
春美が言葉を発する前に、赤い鬼の青年は闇夜に溶けるように消えた。
たなぼた駅
待ち合わせ場所に行くと、春美が居た。
「被害者女性を集めてくれてありがとうな」
「いいえ。むしろ犯人を捕まえられてスッキリいたしました」
春美は両手を胸の前で合わせながら、そう答えた。
「夜も遅いけど当てはあるのかい?」
「はい。ナルホドくんのお家にお邪魔させてもらいます」
「それなら、そこまで送るよ。うら若き少女になにかあっちゃいけないからね」
鬼風はバイクに春美を乗せて、走り出す。
「悪いね。マヨイさんのチョコはきちんと盗り返せなかった」
マヨイのショコラは盗難品であるピンクダイヤであったため、
警察に没収されてしまった。
「まぁ、代わりと言っちゃなんだけど」
春美に放り投げられたのは、ピンクダイヤのショコラであった。
「やるよ」
春美がそれを突き返す。
「いけません!それは鬼風さまの分でっ!」
だが、鬼風はその手をひらりとかわす。
春美は地面に落ちそうになったそれを思わず掴み直してしまう。
「愛を伝えるのに時期なんて関係ねえよ。
私は伝えたいときに、彼に愛を伝えに行くさ」
そう言って、鬼の泥棒は秋の夕風のような寂しげな笑みを浮かべる。
「……会いにいけないわけじゃないんだからさ」
その表情を見て、春美はなぜか声をかけるのを躊躇ってしまった。
「それじゃあな」
「あっ」
春美が言葉を発する前に、赤い鬼の青年は闇夜に溶けるように消えた。