下手の横好き
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2月14日 午後4時23分
たなぼた駅 ロッカー
「居た居た」
「なっ!?」
春美たちからチョコを盗んだ男の泥棒が、茶髪女性の鬼風を見てぎょっと目を見開く。
「なんで俺の場所がわかって……!?」
「アンタの依頼主の思考が読めたよ」
「は?」
モミジは質問には答えず、有無を言わさず切り出す。
「取引しろよ。アンタが捕まるのを阻止してやる。
断るなら、アンタの個人情報を警察に全部突き出す」
そう言って、スマホの画面を泥棒に見せる。
「なっ!?」
そこに書かれた情報が正しいもので、泥棒は固まる。
「さぁどうするよ?」
苦虫を噛み潰したような顔で男の泥棒は、鬼の笑みを浮かべる泥棒を睨みつける。
…………。
泥棒が春美の横を通り抜け、走り去っていく。
「泥棒が逃げてしまいますわ!追いかけねば!」
「大丈夫。もう悪さをしないわよ」
春美が怪訝な顔でモミジを見る。
「ちょっとした弱みを握っていてね。私の作戦に協力してもらうのよ」
杏里が色々と調べればあの泥棒の情報なんてあっという間に手に入った。
本人も知られたくないような秘密もね。
鬼風はそれを材料に脅してやったのだ。
春美は首を傾げながら、尋ねてきた。
「作戦とはいったい?」
「決まってるでしょ」
可憐な女性に不釣り合いな片頬だけの笑みを浮かべる。
「私たちのチョコを盗り返すための作戦さ。
大事な乙女のチョコを、商売の道具に使うような奴らに仕返しと行こうじゃないか」
「けど、一体どうやって盗り返すのですか?」
「簡単さ。"招待"されたんだから、それに答えればいいのよ」
「招待???」
春美は意味がわからず困惑する。
「要するに……」
少女の目の前に居た茶髪の女性が服に手をかけ、ばさっと衣服を翻す。
突如現れた黒スーツの男性を春美は穴が開くほど見つめてしまう。
「……乙女のために、この鬼風さまがひと肌脱いでやるってことさ」
えええ!?と春美が絶叫した。
「あっあなたさまが、あの!?」
罰が悪そうに、鬼風は視線を宙に泳がす。
「……ちょっとした手違いで私のチョコも盗まれてしまったが、盗り返せば問題はない」
「おっお待ちください!あなたさまはおっ男ではないのですか!?」
「女と言った覚えはないけど、男だと言った覚えもないよ。
だけど、恋をするのに、性別なんて些細な問題だろ」
鬼の泥棒がパチッと片目を閉じる。
春美が可愛らしい口を開け放ち、呆気にとられていた。
鬼風は懐から赤鬼の仮面を取り出し、顔に取り付けようとした。
「あっ。そうだ春美ちゃん」
「はっはい!」
鬼風がふと思い出して、春美に声をかけた。
「なんでしょう?」
「ちょっと頼みたいことがあるんだ」
「頼みたいこと?」
男性姿の鬼風はニコッと人の良い笑みを少女に向ける。
たなぼた駅 ロッカー
「居た居た」
「なっ!?」
春美たちからチョコを盗んだ男の泥棒が、茶髪女性の鬼風を見てぎょっと目を見開く。
「なんで俺の場所がわかって……!?」
「アンタの依頼主の思考が読めたよ」
「は?」
モミジは質問には答えず、有無を言わさず切り出す。
「取引しろよ。アンタが捕まるのを阻止してやる。
断るなら、アンタの個人情報を警察に全部突き出す」
そう言って、スマホの画面を泥棒に見せる。
「なっ!?」
そこに書かれた情報が正しいもので、泥棒は固まる。
「さぁどうするよ?」
苦虫を噛み潰したような顔で男の泥棒は、鬼の笑みを浮かべる泥棒を睨みつける。
…………。
泥棒が春美の横を通り抜け、走り去っていく。
「泥棒が逃げてしまいますわ!追いかけねば!」
「大丈夫。もう悪さをしないわよ」
春美が怪訝な顔でモミジを見る。
「ちょっとした弱みを握っていてね。私の作戦に協力してもらうのよ」
杏里が色々と調べればあの泥棒の情報なんてあっという間に手に入った。
本人も知られたくないような秘密もね。
鬼風はそれを材料に脅してやったのだ。
春美は首を傾げながら、尋ねてきた。
「作戦とはいったい?」
「決まってるでしょ」
可憐な女性に不釣り合いな片頬だけの笑みを浮かべる。
「私たちのチョコを盗り返すための作戦さ。
大事な乙女のチョコを、商売の道具に使うような奴らに仕返しと行こうじゃないか」
「けど、一体どうやって盗り返すのですか?」
「簡単さ。"招待"されたんだから、それに答えればいいのよ」
「招待???」
春美は意味がわからず困惑する。
「要するに……」
少女の目の前に居た茶髪の女性が服に手をかけ、ばさっと衣服を翻す。
突如現れた黒スーツの男性を春美は穴が開くほど見つめてしまう。
「……乙女のために、この鬼風さまがひと肌脱いでやるってことさ」
えええ!?と春美が絶叫した。
「あっあなたさまが、あの!?」
罰が悪そうに、鬼風は視線を宙に泳がす。
「……ちょっとした手違いで私のチョコも盗まれてしまったが、盗り返せば問題はない」
「おっお待ちください!あなたさまはおっ男ではないのですか!?」
「女と言った覚えはないけど、男だと言った覚えもないよ。
だけど、恋をするのに、性別なんて些細な問題だろ」
鬼の泥棒がパチッと片目を閉じる。
春美が可愛らしい口を開け放ち、呆気にとられていた。
鬼風は懐から赤鬼の仮面を取り出し、顔に取り付けようとした。
「あっ。そうだ春美ちゃん」
「はっはい!」
鬼風がふと思い出して、春美に声をかけた。
「なんでしょう?」
「ちょっと頼みたいことがあるんだ」
「頼みたいこと?」
男性姿の鬼風はニコッと人の良い笑みを少女に向ける。