下手の横好き
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2月14日 午後12時33分
氷室デパート付近
モミジたちは少し早めの昼食を取ってから、デパートへと向かった。
「そういえば、不思議なのですが」
「ん?」
「警察に居た被害者さまたちは、
皆様、氷室デパートでチョコを買われた方たちでした」
その言葉に鬼風は片眉をぴくりと動かす。
「それは、本当かい?」
「ええ。わたくしもこのデパートでナルホドくんへのチョコを買いましたもの」
「私もここのデパートでショコラを買ったの」
「偶然でしょうか」
春美は親指の爪を噛むように唇に当てている。
どうやら彼女なりに試案を巡らせているようである。
「偶然……ねぇ……」
被害者全員の共通点は氷室デパートでチョコを買ったこと。
偶然というには出き過ぎだろう。
鬼風はこめかみを掻きながら、なにやらキナ臭さを感じて考えにふける。
周囲の注意を怠ったせいか、すれ違った男とぶつかってしまった。
「あっとすいませ……」
男が無言のまま早歩きで通り過ぎていく。
モミジは目をきつく細めて、髪を振りながら振り返った。
「待てっ!!」
鋭い声を上げたモミジに春美の体がビクッと跳ね、男が舌打ちをして走りだす。
モミジは親指に小さな物を握りこみ、男に向けて指弾を放つ。
そのあと鬼風も駆けだすが、人だかりが道を阻む。
くそっ。
男の姿が消えて、小さく悪態を放つ。
「どうされたのですか?突然大きな声をあげて」
「あいつが犯人だ」
「……えっ?」
春美は大きく開けた口を、手の平で覆う。
「私が盗られたときと、まったく同じ動きをしていた。間違いないわ」
喧嘩を売られた相手はよく覚えてる。
ギリッとモミジは歯を軋ませた。
「でっでは!早く追いかけねば!」
「いや、それなら大丈夫」
モミジはスマホを取り出し、とあるアプリを起動させ、画面を春美に見せる。
地図の図面に、赤丸が道に沿って動いている。
「さっき発信機を仕込んだからどこへ逃げようとこいつですぐに見つかるわ」
春美は感心したように目を見開く。
「すごいです。あの短い時間で……」
「さて、そろそろ泥棒も体力切れて地面に這いつくばってる頃かしらね。
今ならそう簡単に逃げられないはずよ」
鬼風と春美は画面に表示された場所へ向かった。
氷室デパート付近
モミジたちは少し早めの昼食を取ってから、デパートへと向かった。
「そういえば、不思議なのですが」
「ん?」
「警察に居た被害者さまたちは、
皆様、氷室デパートでチョコを買われた方たちでした」
その言葉に鬼風は片眉をぴくりと動かす。
「それは、本当かい?」
「ええ。わたくしもこのデパートでナルホドくんへのチョコを買いましたもの」
「私もここのデパートでショコラを買ったの」
「偶然でしょうか」
春美は親指の爪を噛むように唇に当てている。
どうやら彼女なりに試案を巡らせているようである。
「偶然……ねぇ……」
被害者全員の共通点は氷室デパートでチョコを買ったこと。
偶然というには出き過ぎだろう。
鬼風はこめかみを掻きながら、なにやらキナ臭さを感じて考えにふける。
周囲の注意を怠ったせいか、すれ違った男とぶつかってしまった。
「あっとすいませ……」
男が無言のまま早歩きで通り過ぎていく。
モミジは目をきつく細めて、髪を振りながら振り返った。
「待てっ!!」
鋭い声を上げたモミジに春美の体がビクッと跳ね、男が舌打ちをして走りだす。
モミジは親指に小さな物を握りこみ、男に向けて指弾を放つ。
そのあと鬼風も駆けだすが、人だかりが道を阻む。
くそっ。
男の姿が消えて、小さく悪態を放つ。
「どうされたのですか?突然大きな声をあげて」
「あいつが犯人だ」
「……えっ?」
春美は大きく開けた口を、手の平で覆う。
「私が盗られたときと、まったく同じ動きをしていた。間違いないわ」
喧嘩を売られた相手はよく覚えてる。
ギリッとモミジは歯を軋ませた。
「でっでは!早く追いかけねば!」
「いや、それなら大丈夫」
モミジはスマホを取り出し、とあるアプリを起動させ、画面を春美に見せる。
地図の図面に、赤丸が道に沿って動いている。
「さっき発信機を仕込んだからどこへ逃げようとこいつですぐに見つかるわ」
春美は感心したように目を見開く。
「すごいです。あの短い時間で……」
「さて、そろそろ泥棒も体力切れて地面に這いつくばってる頃かしらね。
今ならそう簡単に逃げられないはずよ」
鬼風と春美は画面に表示された場所へ向かった。