焼け木杭に火がつく
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同日 某時刻
地方裁判所 第2法廷
サイバンチョが不審そうに目を細め、弁護席を見る。
「弁護人。被告人は無罪になるのですぞ」
「ぎっ疑問がある以上!判決を下すのはどうかと!」
「……真実を追求する姿勢は大事です。しかし、この審理はすでに終わりました」
このままじゃ。希月さんが!
「……おデコくん。」
牙琉が厳しい目を向ける。
「君は熱い男だ。けど、なんだか今の君は真実を追求してるようには思えない」
彼は落胆のため息を吐き出す。
「君のこと……過大評価してたみたいだ」
オドロキはぐっと拳を握る。
検事からの信用を失おうと、この裁判を終わらせてはいけない。
「第三者の可能性がある以上、判決を下すのは……!」
「その証拠は?」
弁護側の詭弁を遮り、サイバンチョが短く尋ねる。
「しょっ……証拠は……」
オドロキは頭の中で紡ぐべき言葉を絞り出そうとしたが、口が固まってしまった。
「いくら推論を並べてもしょせんは根拠のないこと。根拠を示さない限り、判決を下します」
くそっ!
オドロキは奥歯を噛みしめた。
このまま判決が下ったら、希月さんがどうなるかわからない。
暗い奈落しか見えない崖先に佇んでいるように、オドロキの鳩尾がきつく締め付けられる。
異議を唱えてもこれ以上はサイバンチョに聴く気はないだろう。
「本法廷は、これ以上の審議の必要性を認めません」
頼む。
やめてくれ!
「まっ!」
オドロキはサイバンチョに手を伸ばし、制止の声をかける。
だが、いつもの茶目っ気のあるサイバンチョはそこにはいなかった。
ただ、審理で出された判決を打ち出す機械のように、淡々と言葉を出す。
「よって。被告人、八百谷奈々子に判決を下します」
無
ドカンッ!と乱暴な音と共に開いた扉から、かまいたちのような鋭い声が法廷の空気を切り裂いた。
「いっ今のは、一体だれが?」
地方裁判所 第2法廷
サイバンチョが不審そうに目を細め、弁護席を見る。
「弁護人。被告人は無罪になるのですぞ」
「ぎっ疑問がある以上!判決を下すのはどうかと!」
「……真実を追求する姿勢は大事です。しかし、この審理はすでに終わりました」
このままじゃ。希月さんが!
「……おデコくん。」
牙琉が厳しい目を向ける。
「君は熱い男だ。けど、なんだか今の君は真実を追求してるようには思えない」
彼は落胆のため息を吐き出す。
「君のこと……過大評価してたみたいだ」
オドロキはぐっと拳を握る。
検事からの信用を失おうと、この裁判を終わらせてはいけない。
「第三者の可能性がある以上、判決を下すのは……!」
「その証拠は?」
弁護側の詭弁を遮り、サイバンチョが短く尋ねる。
「しょっ……証拠は……」
オドロキは頭の中で紡ぐべき言葉を絞り出そうとしたが、口が固まってしまった。
「いくら推論を並べてもしょせんは根拠のないこと。根拠を示さない限り、判決を下します」
くそっ!
オドロキは奥歯を噛みしめた。
このまま判決が下ったら、希月さんがどうなるかわからない。
暗い奈落しか見えない崖先に佇んでいるように、オドロキの鳩尾がきつく締め付けられる。
異議を唱えてもこれ以上はサイバンチョに聴く気はないだろう。
「本法廷は、これ以上の審議の必要性を認めません」
頼む。
やめてくれ!
「まっ!」
オドロキはサイバンチョに手を伸ばし、制止の声をかける。
だが、いつもの茶目っ気のあるサイバンチョはそこにはいなかった。
ただ、審理で出された判決を打ち出す機械のように、淡々と言葉を出す。
「よって。被告人、八百谷奈々子に判決を下します」
無
ドカンッ!と乱暴な音と共に開いた扉から、かまいたちのような鋭い声が法廷の空気を切り裂いた。
「いっ今のは、一体だれが?」