焼け木杭に火がつく
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鬼の表情に、夕神は眉を跳ね上げた。
手錠をかけられたまま、鬼がべっと舌を出す。
その赤い舌の上にパチンコ玉ほどの赤い球が乗っている。
「なにしてやが……」
鬼が口からぷっと赤玉を吐き出す。
玉が直線を描き証言台で割れる。
ぶわっと鬼の全身が白い煙に包まれる。
これがわずか3秒の間に起きた出来事だった。
「!……野郎!!」
夕神は即座に電流のスイッチを押す。
「うがあぁあああああああ!!」
「へっ犯罪者をやすやす逃がすかよ」
煙の中からなにかがユガミに向かって飛んできた。
無条件反射で、ユガミは目にも止まらぬ斬撃でそれを切り捨てる。
真っ二つになったそれが検事席の机に落ちた。
「なっ!?」
それは鬼風がつけていた黒い手錠だった。
「ざーんねん。電撃はちょーっと間に合わなかったみたいだね。サムライ検事」
晴れた煙の中では赤鬼が腕を組んで、ユガミの方へ顔を向けていた。
「カカリカン!!そいつを捕まえなぁ!」
夕神はバンッと両拳を机に叩きつけ、怒鳴り声をあげた。
法廷にいたカカリカンが一斉に黒装束の男にとびかかった。
ユガミの声を聞き、法廷の扉が開き外で待機していたカカリカンも加勢する。
だが、鬼は正面から向かってきたカカリカンを軽く払い、右からきたカカリカンと衝突させた。
「ぐあっ!」「うぼっ!」
仲間と正面からぶつかり、痛みに声をあげる。
向かってくるカカリカンを軽く払い、別のカカリカンにぶつけて前へ進んでいく。
「待ちやがれ!」
ざんっとユガミは居合い抜きを繰り出すが、首を傾け避けられる。
「ひぎぃいい!」
ぱらっと鬼風の近くにいたカカリカンの制帽が真っ二つになり、髪が多少短くなっていた。
「ちっ人が多すぎて斬れねえ」
そこで夕神は違和感に気づく。
カカリカンの数が多過ぎることに。
法廷中がカカリカンでひしめき合い、身動きが逆に取れなくなっている。
白い煙が法廷中に充満していく。
「おいっ!しっかりしろ!」
若いカカリカンが頭から赤い液体を流しぐったりしている。
それを見た中年のカカリカンが若いカカリカンに呼びかけていた。
「そいつ血がでてるじゃないか!」
それを見ていた別のカカリカンが顔色を変える。
「俺はこいつを連れてく!鬼風を頼むぞ!」
倒れている若いカカリカンの腕を首にかけ、中年のカカリカンが外へと続く扉に向かう。
奴はどこだ!
誰かの叫び声が響く。
その言葉の通り、黒い装束姿の男は法廷の中に見当たらなかった。
中年のカカリカンが法廷の扉を開きバンッと勢いよく閉めた。
その瞬間、彼の口元が吊り上がる。
1月27日 某時刻
???????
鬼風が第2法廷から姿を消した。
第2法廷の扉の前では脱ぎ捨てられたカカリカンの制服と頭に血糊を塗られたカカリカンが発見された。
その日、大量のカカリカンが居たにも関わらず時代遅れな怪盗は法廷からまんまと逃げ出した。
その情報を聞き、男は壁を殴りつける。
「くそっ」
あの弁護士たちとコソ泥のせいですべておじゃんだ。
「どんな手段を使ってでも……
今度こそ邪魔をしてやる!」
~つづく~
手錠をかけられたまま、鬼がべっと舌を出す。
その赤い舌の上にパチンコ玉ほどの赤い球が乗っている。
「なにしてやが……」
鬼が口からぷっと赤玉を吐き出す。
玉が直線を描き証言台で割れる。
ぶわっと鬼の全身が白い煙に包まれる。
これがわずか3秒の間に起きた出来事だった。
「!……野郎!!」
夕神は即座に電流のスイッチを押す。
「うがあぁあああああああ!!」
「へっ犯罪者をやすやす逃がすかよ」
煙の中からなにかがユガミに向かって飛んできた。
無条件反射で、ユガミは目にも止まらぬ斬撃でそれを切り捨てる。
真っ二つになったそれが検事席の机に落ちた。
「なっ!?」
それは鬼風がつけていた黒い手錠だった。
「ざーんねん。電撃はちょーっと間に合わなかったみたいだね。サムライ検事」
晴れた煙の中では赤鬼が腕を組んで、ユガミの方へ顔を向けていた。
「カカリカン!!そいつを捕まえなぁ!」
夕神はバンッと両拳を机に叩きつけ、怒鳴り声をあげた。
法廷にいたカカリカンが一斉に黒装束の男にとびかかった。
ユガミの声を聞き、法廷の扉が開き外で待機していたカカリカンも加勢する。
だが、鬼は正面から向かってきたカカリカンを軽く払い、右からきたカカリカンと衝突させた。
「ぐあっ!」「うぼっ!」
仲間と正面からぶつかり、痛みに声をあげる。
向かってくるカカリカンを軽く払い、別のカカリカンにぶつけて前へ進んでいく。
「待ちやがれ!」
ざんっとユガミは居合い抜きを繰り出すが、首を傾け避けられる。
「ひぎぃいい!」
ぱらっと鬼風の近くにいたカカリカンの制帽が真っ二つになり、髪が多少短くなっていた。
「ちっ人が多すぎて斬れねえ」
そこで夕神は違和感に気づく。
カカリカンの数が多過ぎることに。
法廷中がカカリカンでひしめき合い、身動きが逆に取れなくなっている。
白い煙が法廷中に充満していく。
「おいっ!しっかりしろ!」
若いカカリカンが頭から赤い液体を流しぐったりしている。
それを見た中年のカカリカンが若いカカリカンに呼びかけていた。
「そいつ血がでてるじゃないか!」
それを見ていた別のカカリカンが顔色を変える。
「俺はこいつを連れてく!鬼風を頼むぞ!」
倒れている若いカカリカンの腕を首にかけ、中年のカカリカンが外へと続く扉に向かう。
奴はどこだ!
誰かの叫び声が響く。
その言葉の通り、黒い装束姿の男は法廷の中に見当たらなかった。
中年のカカリカンが法廷の扉を開きバンッと勢いよく閉めた。
その瞬間、彼の口元が吊り上がる。
1月27日 某時刻
???????
鬼風が第2法廷から姿を消した。
第2法廷の扉の前では脱ぎ捨てられたカカリカンの制服と頭に血糊を塗られたカカリカンが発見された。
その日、大量のカカリカンが居たにも関わらず時代遅れな怪盗は法廷からまんまと逃げ出した。
その情報を聞き、男は壁を殴りつける。
「くそっ」
あの弁護士たちとコソ泥のせいですべておじゃんだ。
「どんな手段を使ってでも……
今度こそ邪魔をしてやる!」
~つづく~