可愛さ余って憎さ百倍
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オニカゼが視線を向けた先には、壁に埋め込まれたデジタルタイマーが赤い光を放っていた。
残り時間はあと3分。
「オニカゼさん、これ……」
心音の細い声が、緊密な空気の中で震える。液晶の数字は無情にカウントダウンを刻み続けていた。
「問題ない。ひねくれてる相棒から構造は教わってる。構造事態は単純だが……だからこそ気味が悪い」
オニカゼは爆弾の前に膝をつくと、懐から小さな工具を取り出した。その指先は微塵も震えていない。
さっきまで心の奥底を覗かれ、激しく揺れ動いていた人とは到底思えなかった。
こういう状況でも感情は揺れないのに、どうしてあのときは……。
心音は妙な胸騒ぎを覚えた。
オニカゼの声から伝わってき深い絶望の闇が、ココネの耳の奥でまだかすかに鳴り響いている。
「心音ちゃん、そこの緑のコードを引っ張っておいてくれ。私が合図したら同時に切る」
「えっ? あ、はい!」
心音は慌てて指示されたコードを掴んだ。
指先にじんわりと汗がにじむ。
「……怖いか」
「だっ大丈夫、です!」
心音の声は裏返っていた。
「いい、いい。無理すんな。それが普通だ」
オニカゼはタイマーを見つめたまま、ぶっきらぼうに、だけど確かな体温を乗せて言った。
「私の相棒は優秀だ。そんで、こんなことでドジも踏まない。だから、今だけは信じてくれ」
心音はこくりと重くゆっくりと頷く。
「カウント、3、2、1……今だ!」
オニカゼの鋭い声と同時に、心音はコードを強く引き、オニカゼの工具が火花を散らした。
一瞬の静寂。カチリ、と小さな電子音が響き、赤いタイマーの数字が「1:12」のところで完全に停止した。
「……止まった……?」
心音は体から力が抜けていくのを感じた。
だが
「ーーーーえ」
タイマーが再び動き出した。
「なっなんで!?」
オニカゼがコードの奥の方を覗く。
「野郎っ!!まだコードを隠してやがった!!」
オニカゼは額の汗を拭うこともせず、心音に自分のスマホを放り投げた。
「そのアプリのナビに従って会場へ向かえ!犯人にバレてもいいから立てこもり犯と観客に会場が爆発ことを伝えて避難しろ!」
「待ってください、オニカゼさん!なんでまだ座ってるんですか!?」
心音は一緒に向かうと思っていたオニカゼが爆弾の前に座って作業しているのを見て、目を見開く。
「見りゃわかるだろ」
残り時間はあと3分。
「オニカゼさん、これ……」
心音の細い声が、緊密な空気の中で震える。液晶の数字は無情にカウントダウンを刻み続けていた。
「問題ない。ひねくれてる相棒から構造は教わってる。構造事態は単純だが……だからこそ気味が悪い」
オニカゼは爆弾の前に膝をつくと、懐から小さな工具を取り出した。その指先は微塵も震えていない。
さっきまで心の奥底を覗かれ、激しく揺れ動いていた人とは到底思えなかった。
こういう状況でも感情は揺れないのに、どうしてあのときは……。
心音は妙な胸騒ぎを覚えた。
オニカゼの声から伝わってき深い絶望の闇が、ココネの耳の奥でまだかすかに鳴り響いている。
「心音ちゃん、そこの緑のコードを引っ張っておいてくれ。私が合図したら同時に切る」
「えっ? あ、はい!」
心音は慌てて指示されたコードを掴んだ。
指先にじんわりと汗がにじむ。
「……怖いか」
「だっ大丈夫、です!」
心音の声は裏返っていた。
「いい、いい。無理すんな。それが普通だ」
オニカゼはタイマーを見つめたまま、ぶっきらぼうに、だけど確かな体温を乗せて言った。
「私の相棒は優秀だ。そんで、こんなことでドジも踏まない。だから、今だけは信じてくれ」
心音はこくりと重くゆっくりと頷く。
「カウント、3、2、1……今だ!」
オニカゼの鋭い声と同時に、心音はコードを強く引き、オニカゼの工具が火花を散らした。
一瞬の静寂。カチリ、と小さな電子音が響き、赤いタイマーの数字が「1:12」のところで完全に停止した。
「……止まった……?」
心音は体から力が抜けていくのを感じた。
だが
「ーーーーえ」
タイマーが再び動き出した。
「なっなんで!?」
オニカゼがコードの奥の方を覗く。
「野郎っ!!まだコードを隠してやがった!!」
オニカゼは額の汗を拭うこともせず、心音に自分のスマホを放り投げた。
「そのアプリのナビに従って会場へ向かえ!犯人にバレてもいいから立てこもり犯と観客に会場が爆発ことを伝えて避難しろ!」
「待ってください、オニカゼさん!なんでまだ座ってるんですか!?」
心音は一緒に向かうと思っていたオニカゼが爆弾の前に座って作業しているのを見て、目を見開く。
「見りゃわかるだろ」