可愛さ余って憎さ百倍
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5月5日 午前12時15分
宇宙センター・見学スペース
なんでこんな時に限って鉢会うの!?
心音は行き先を変えるが、必ず王泥喜としのぶがそこに居た。
「希月ちゃん。君、今日は様子がおかしいよ?」
「え!?いいいや、そっんなことは!」
心音は背後に居る王泥喜としのぶの姿が見えないように鬼風の前に立ち塞がっていた。
鬼風が片眉を上げたあと、あ。と右の方を指差す。
「王泥喜くん」
「ええ!?こっちにいるはずじゃ!?」
ココネは背後を振り返る。
そこには王泥喜としのぶがちゃんと居た。
「ぐっ」
鬼風がココネの頭を押さえて、背後を見た。
あわわわと心音は声を出せずにいる。
もう、ダメ!ごめんしのぶ!!
ギュッと目を瞑って親友に心の中で謝った。
ふっとココネの頭が軽くなる。
「……そういうことね」
「え」
鬼風は何事もなかったかのように、王泥喜たちに背を向けた。
ハッとしてココネは鬼風を追いかけた。
「まっ、待ってください!鬼風さん」
ココネの方に背を向けたまま、鬼風はヒラヒラと手を振る。
「安心しな。野暮な真似はしないから」
「いえ、そうじゃなくて!」
鬼風はその言葉で足を止めた。
ココネの言葉に怪訝な視線を向ける。
「親友のデートを邪魔されると思ったからついてきたんだろ?」
「それもありますけど、その」
ココネは鬼風に会ったときから、いくつか違和感があった。
鬼風から発せられる声には、常に大きなノイズが発生していたのだ。
ただ、相手は普通に話しているだけなのに。
そして、それ以上に気になったことがあった。
「あの、鬼風さん。どこか具合が悪いんですか?」
心音の問いに、鬼風は一瞬顔を逸らしてから、歪な作り笑顔を浮かべた。
「君が見た通りだよ」
心音の目に映る鬼風は顔色が悪く、ふらついていた。
だが、ココネにはそれ以上相手に踏み込む勇気がなかった。
ココネは汗で湿っている手袋で、ギュッと胸の前で服を握る。
「……あの、」
心音は気力を振り絞り、声を発した。
突如、建物が大きく揺れ爆発音が響いた。