可愛い子には旅をさせよ
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4月24日 午後 10時 23分
大山田 遊園地
「さぁ、今日は絶対にアトラクションを制覇しますよ!」
順調にアトラクションを乗っていき、遊園地のアトラクションをすべて回れそうなペースでアトラクションを次々と制覇していく。
みぬきの元気な言葉に、青年二人は顔をビジリアン色にした。
「まーじかよ……」
「もう昨日には覚悟してましたけどね」
ハハッと光のない瞳で、王泥喜が乾いた笑いを吐き出す。
「そうだな。覚悟するしかないか……なんとか絶叫系ではないアトラクションに誘導ししつつ、付き合ってこうぜ」
鬼風が王泥喜の肩に手を回し、互いを鼓舞するように励まし合う。
たったいへんで
どうするんだ
「ん?」
「鬼風さん?」「あっちょっと」
なにやら言い合いの声が聞こえ、鬼風がふらふらと近寄り王泥喜とみぬきがその後をついていく。
ひょこっと屋外ステージから離れた場所でなにやら揉めている。
「マジシャンが急病で休みっ!?どうすんだよ。次は期待の瞬間移動マジックなのに誰か代わりは見つかったのか?」
「それが……」
歯切れの悪い言葉に、意味を察した男ははぁーとため息を吐きながら頭を抱える。
「くそっ今から依頼したって間に合わないぞ」
マジックショーのトラブルらしいなぁ。
そんなことを思っていたらみぬきが突如彼らに近寄っていく。
「たまごちゃん?」「みぬきちゃん!?」
「あのー」
みぬきは揉めていた二人に近づき声をかける。
「なっなにかなお嬢ちゃん?」
「マジシャンが必要って聞いたけど本当ですか?」
「……気にしないでください」
罰が悪そうな二人は、慌てて接客用の笑顔を浮かべる。
ぱっとみぬきは手のひらにいつの間にか白いカードを取り出し、女性に差し出す。
「わたし実はこういう者です」
怪訝そうな顔をしながら二人はそのカードを見る。
「成歩堂芸能事務所 マジシャン成歩堂みぬき?」
「はい。いつでもご依頼受付ますよ」
にこっと笑う少女を見て二人は迷うように互いに顔を見合わせた。
スタッフの一人が意を決して口を開く。
「実は、月に一度来るはずのマジシャンがこれなくなってしまったんです。この遊園地の目玉ショーですから、どうしても中止というわけにはいかず……」
「わかりました。それじゃ依頼料はこんな感じで……」
みぬきが依頼の交渉に入り、スタッフとなにやら話し込む。
いつの間にか仕事の話を取ってきて、すっかり仕事モードなみぬきを感心したように王泥喜は見つめる。
「相変わらずちゃっかりしてるなぁ」
「商魂たくましい魔術師だな」
鬼風がそれを面白そうに見ていた。
「あの、できれば、瞬間移動のマジックを披露してほしいのです」
スタッフの依頼にみぬきは困り顔になる。
「うーん、この道具だけじゃ消すことはできても、取り出すことは……」
「いえ、大丈夫です」
えっとみぬきがいつの間にか背後にいた眼鏡の美青年の方を振り返る。
少女の視線に彼は片目を瞑って答えた。
“まかせなって。”
「じゃあ、こちらへどうぞ」
時間がないので必要最低限の段取りを確認して、みぬきがアドリブで進めるということで話が決まった。
空色のマジシャンと鬼の泥棒はショーへの準備を進めるなか、一人だけ渋い表情の男がいた。
「どうしてオレが……」
「仕方ないだろ。うちの魔術師の強い希望なんだから」
「私の助手はやっぱり王泥喜さんでないと。大丈夫ですよ。いつもみたいに大声で叫べばいいんですから」
「……それは助手としてどうかと思うが」
「うううう」
それでも王泥喜は納得できずにいた。
「……なんで鬼風さんじゃなくてオレが“瞬間移動”しなくちゃいけないんですか……」
「これも立派な芸人になる良い経験さ」
「オレは弁護士です!!」
「ステージも法廷も似たようなモノですよ!」
「全然ちがうよ!というか!」
きっと王泥喜が鬼風を睨む。
「あんた、偉そうな口叩きましたけど、ホンットーに、そんな“マジック”できるんですか?」
王泥喜の視線に鬼の泥棒は口の端を釣り上げた。
「もちろん。タマゴちゃんが消した君を、私が盗み出せばいいんだろ?」
ニヤリと自信満々な笑みで鬼の泥棒が答える。
「宣言してやるよ。観客の前で美少女魔術師から見事に王泥喜法介を盗んでみせるってね」
「さぁ、今日は絶対にアトラクションを制覇しますよ!」
順調にアトラクションを乗っていき、遊園地のアトラクションをすべて回れそうなペースでアトラクションを次々と制覇していく。
みぬきの元気な言葉に、青年二人は顔をビジリアン色にした。
「まーじかよ……」
「もう昨日には覚悟してましたけどね」
ハハッと光のない瞳で、王泥喜が乾いた笑いを吐き出す。
「そうだな。覚悟するしかないか……なんとか絶叫系ではないアトラクションに誘導ししつつ、付き合ってこうぜ」
鬼風が王泥喜の肩に手を回し、互いを鼓舞するように励まし合う。
たったいへんで
どうするんだ
「ん?」
「鬼風さん?」「あっちょっと」
なにやら言い合いの声が聞こえ、鬼風がふらふらと近寄り王泥喜とみぬきがその後をついていく。
ひょこっと屋外ステージから離れた場所でなにやら揉めている。
「マジシャンが急病で休みっ!?どうすんだよ。次は期待の瞬間移動マジックなのに誰か代わりは見つかったのか?」
「それが……」
歯切れの悪い言葉に、意味を察した男ははぁーとため息を吐きながら頭を抱える。
「くそっ今から依頼したって間に合わないぞ」
マジックショーのトラブルらしいなぁ。
そんなことを思っていたらみぬきが突如彼らに近寄っていく。
「たまごちゃん?」「みぬきちゃん!?」
「あのー」
みぬきは揉めていた二人に近づき声をかける。
「なっなにかなお嬢ちゃん?」
「マジシャンが必要って聞いたけど本当ですか?」
「……気にしないでください」
罰が悪そうな二人は、慌てて接客用の笑顔を浮かべる。
ぱっとみぬきは手のひらにいつの間にか白いカードを取り出し、女性に差し出す。
「わたし実はこういう者です」
怪訝そうな顔をしながら二人はそのカードを見る。
「成歩堂芸能事務所 マジシャン成歩堂みぬき?」
「はい。いつでもご依頼受付ますよ」
にこっと笑う少女を見て二人は迷うように互いに顔を見合わせた。
スタッフの一人が意を決して口を開く。
「実は、月に一度来るはずのマジシャンがこれなくなってしまったんです。この遊園地の目玉ショーですから、どうしても中止というわけにはいかず……」
「わかりました。それじゃ依頼料はこんな感じで……」
みぬきが依頼の交渉に入り、スタッフとなにやら話し込む。
いつの間にか仕事の話を取ってきて、すっかり仕事モードなみぬきを感心したように王泥喜は見つめる。
「相変わらずちゃっかりしてるなぁ」
「商魂たくましい魔術師だな」
鬼風がそれを面白そうに見ていた。
「あの、できれば、瞬間移動のマジックを披露してほしいのです」
スタッフの依頼にみぬきは困り顔になる。
「うーん、この道具だけじゃ消すことはできても、取り出すことは……」
「いえ、大丈夫です」
えっとみぬきがいつの間にか背後にいた眼鏡の美青年の方を振り返る。
少女の視線に彼は片目を瞑って答えた。
“まかせなって。”
「じゃあ、こちらへどうぞ」
時間がないので必要最低限の段取りを確認して、みぬきがアドリブで進めるということで話が決まった。
空色のマジシャンと鬼の泥棒はショーへの準備を進めるなか、一人だけ渋い表情の男がいた。
「どうしてオレが……」
「仕方ないだろ。うちの魔術師の強い希望なんだから」
「私の助手はやっぱり王泥喜さんでないと。大丈夫ですよ。いつもみたいに大声で叫べばいいんですから」
「……それは助手としてどうかと思うが」
「うううう」
それでも王泥喜は納得できずにいた。
「……なんで鬼風さんじゃなくてオレが“瞬間移動”しなくちゃいけないんですか……」
「これも立派な芸人になる良い経験さ」
「オレは弁護士です!!」
「ステージも法廷も似たようなモノですよ!」
「全然ちがうよ!というか!」
きっと王泥喜が鬼風を睨む。
「あんた、偉そうな口叩きましたけど、ホンットーに、そんな“マジック”できるんですか?」
王泥喜の視線に鬼の泥棒は口の端を釣り上げた。
「もちろん。タマゴちゃんが消した君を、私が盗み出せばいいんだろ?」
ニヤリと自信満々な笑みで鬼の泥棒が答える。
「宣言してやるよ。観客の前で美少女魔術師から見事に王泥喜法介を盗んでみせるってね」